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日本共産党

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赤旗

2016参議院議員選挙/各分野の政策

6、若い世代・18歳選挙権

――学費・奨学金、ブラック企業・ブラックバイト・就職難、最低賃金、高校生の政治活動

2016年6月


 参議院選挙から選挙権年齢が引き下げられ、「18歳選挙権」が実現します。これによって新たに240万人が有権者となり、幅広い民意が反映されることは、議会制民主主義の発展につながります。日本共産党は94年前の党創立以来、18歳選挙権の実現を求めてきましたが、若者が政治の担い手としていっそう活躍できる社会をめざします。

 学生には、高い学費と奨学金返済の不安がのしかかり、働く若者のあいだには、低賃金や雇用破壊、長時間労働、ブラック企業がまん延しています。未来を担う若い世代が、安心して学び、働ける社会をつくることは、一人ひとりの若者の権利を守るとともに、日本社会の発展につながります。日本共産党は、税金は社会保障、子育て支援とともに若者支援に優先して使います。また、ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールをつくるために、全力をあげます。

【未来を担う若者のために――大学授業料を10年で半額に、給付制奨学金の実現を】

 日本は、大学の学費が世界有数の高さでありながら、給付制奨学金がないという、特異な国となっています。日本の奨学金は学生に借金をさせる「学生ローン」であり、利用した学生は、平均でも300万円、大学院進学など多い人では1000万円もの借金を負わされています。奨学金が若者を借金苦と貧困に引きずり込む、こんな社会に未来はありません。日本共産党は、大学授業料の半額化計画と奨学金制度の抜本的改革を提案します。

(1) 大学授業料を毎年引き下げ、10年間で半額にします。

 予算規模は、国公私立全体で、毎年1100億円程度ずつ増やし、10年後には1兆1000億円の規模となります。

――国立大学への国の交付金を毎年1%程度(約160億円)ずつ増やし、その分、学費を値下げしていけば毎年2万6千円程度を値下げできます。現在、年53万円の授業料を、10年後には26万円にまで引き下げます。

――私立大学については、国の私学助成に学費値下げ用の緊急枠をつくり、毎年900億円程度ずつ国からの補助を引き上げることで、平均で年86万円の私大授業料を、10年後には半分の額まで引き下げます。

――公立大学にも、10年で授業料を半額にするための助成を実施します。そのために、毎年40億円程度ずつ助成を増やします。

――年収400万円以下の家庭の学生の授業料を免除し、半額免除を増やします。

――公立高校授業料無償化の継続・拡充など、私学も含め高校の無償化を段階的に進めます。所得制限はなくします。

(2)「学生ローン」から返済不要の本物の奨学金へ――三つの奨学金改革をすすめます。

――月額3万円の給付制奨学金を、現行の奨学金受給者の半分にあたる70万人の規模で創設し、規模を拡大していきます。支給対象は、経済的必要性を基準にします。月額3万円は、現在の奨学金貸与額の月6万円程度(無利子5・9万円、有利子7・3万円)の半分くらいに相当します。4年間では144万円となり、貸与奨学金の平均利用額である300万円の半分程度を給付制奨学金に置きかえることになります。

 予算規模は、年間2500億円程度であり、すぐにでも実現できるものです。(奨学金政策はこちら・リンク)

――すべての奨学金を無利子にします。新規に貸与する奨学金を無利子にするとともに、在学中の学生の有利子奨学金を無利子奨学金へと「借り換える」制度をつくり、国が利子補給を行って全員に無利子化を実現します。予算規模は年間1000億円程度です。

――既卒者の奨学金返済の減免制度をつくり、返済猶予や減額期間の上限撤廃など返済に困ったときの救済制度を拡充します。保証料・保証人制度、延滞金の廃止をすすめ、〝借金取り立て最優先〟の姿勢をあらためます。すべての奨学金を、返済能力に応じて返済する所得連動型にするとともに、20年間返還すれば残額を免除します。

【学生生活を圧迫するブラックバイトをなくします】 

  「学費と生活費を稼ぐために、ひどい労働条件のアルバイトでもやめられない」「テスト期間にもシフトを入れられ学業に支障が出ている」など、若者を「使いつぶす」ブラック企業のような違法・無法な働かせ方が学生アルバイトにも広がっています。

 日本共産党が青年団体、労働組合と協力して、国会でとりあげ、政府に対策をもとめるなかで、文部科学省が、相談窓口の周知を学生に行なうよう、大学等に通知をだすなど対策にのり出しました。相談窓口の拡充など労働行政を、さらに強めます。

――ブラックバイトをなくすために、学生にも労働関係の法令(労働基準法、労働安全衛生法など)が適用されるよう労働行政を強めます。(ブラックバイト政策・リンク

【新卒者の就職難打開をめざし、就職活動のルールをつくります】

 学生、高校生の就職不安は引き続き深刻です。就職難は、学生、高校生の責任ではなく、経済社会のあり方にこそ問題があります。就活の以下の課題の実現に、政治が本腰でとりくむことをめざします。

――新規採用に積極的に取り組む企業を支援するための「新卒者雇用確保・促進法」を制定し、採用計画の策定、就職活動のルールの確立、内定取消の防止など、企業の社会的責任を明確にします。

【最低賃金1500円をめざし、いますぐどこでも1000円にします】

 貧困と格差が広がり、働いても貧困から抜け出せないという状況が広がっているおおもとには低すぎる最低賃金があります。中小企業への直接支援を本格的に行い、最低賃金を引き上げることは、地域経済の活性化につながります。

――最低賃金を、いますぐどこでも1000円にし、さらに1500円をめざします。時給1000円で働くと、年間1800時間の労働時間で年収180万円、時給1500円で働いても年収270万円にすぎません。時給1500円をめざすことは、最低限の生活を保障するうえで当然の要求です。

――社会保険料減免や賃金助成など、中小企業の賃上げに本格的な支援を行います。

――最低賃金の地方間格差を是正し、全国一律最低賃金制に踏み出します。

【ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールを】

 「ブラック企業で有給休暇も社会保険もなく、交通費は自腹」「派遣社員で、いつクビを切られるか不安」「正社員になれたが、働きすぎで死にそう」――長時間労働や低賃金など劣悪な働き方が、若い世代に広がっています。若者を新卒で採用し、長時間残業やパワハラを強い、その過程で大量の若者が退職に追い込まれる、「ブラック企業」の問題は放置できません。

 これらは、若者に責任があるのではなく、政府が財界・大企業の要望にこたえ、「労働法制の規制緩和」をすすめてきた結果です。安倍政権が、昨年、労働者派遣法を改悪したことは、いっそうの労働法制の規制緩和をねらい、「生涯ハケン」「正社員ゼロ」社会に道をひらくものです。働く人間を「使い捨て」にする社会は、若者から希望を奪い、貧困と格差を広げ、日本社会から活力を奪っています。この道では、日本の産業も、企業も強くなりません。いま必要なことは、「使い捨て」を広げる規制緩和ではなく、「人間らしく働けるルール」の確立です。

 日本共産党は、国会でブラック企業への対策を政府に迫り、ブラック企業規制法案を提出しました。そのことが力となり、厚労省が5000社以上の企業に立ち入り調査をおこなって違法な時間外労働などを是正指導したり、「ブラック企業」の求人をハローワークで受理しない、離職者数の公表など労働条件や職場環境の情報を求職者や就活生に提供したりするなど、政府を動かしています。

 日本共産党は、ブラック企業規制法を制定するなど、ブラックな働き方をなくし、人間らしく働けるルールを確立します(日本共産党の各分野政策の1、「労働・雇用」)

――残業時間を法律で制限し、長時間労働を是正し、「過労死」をなくします。残業時間の上限を法律で規制し、終業から翌日の始業まで最低11時間空けるインターバルの確保など労働基準法を改正します。「残業代ゼロ法案」に断固反対し、廃案をめざします。

――違法な「サービス残業」が発覚したら残業代を2倍にして払わせるなど、「ただ働き」を根絶します。離職者数や過去の労働法違反の経歴など、労働条件や職場環境の実態がわかる企業情報を公開させます。パワハラ行為をおこなった企業には、労基署などが助言、指導、勧告を行い、勧告に従わない企業名を公表します。

――労働者派遣法を抜本改正し、派遣労働は臨時的・一時的業務に限定して、正社員の派遣労働への置き換えをなくします。同一労働同一賃金、均等待遇を、労働基準法、男女雇用機会均等法、パート労働法、労働者派遣法に明記するなど、非正規への不当な差別・格差をなくします。

――働くものの権利や法律的知識の若者への普及、相談窓口やサポートセンターの拡充など、政府が責任をもってすすめます。

【家賃補助、公共住宅建設など若者が安心してくらせるように支援を強めます】

(子育て支援策はこちら⇒各分野政策の2、子ども・子育て

【高校生の政治活動禁止・制限に反対し、主権者としての自由を守ります】

 18歳選挙権で有権者になる高校生が生まれますが、政府は、高校生の政治活動を制限・禁止しています。日本国憲法にさだめられた政治活動の自由を、政府の権限で高校生だけ除外することは許されません。

 政府が昨年10月に出した通知「高等学校等における政治的教養の教育と高等学校等の生徒による政治的活動等について」には、高校生の政治活動を不当に制限する内容が、事細かに記されています。「通知」では、生徒会や部活動での政治活動を全面禁止し、校内では放課後や休日であっても制限・禁止するとしています。これによって、生徒会や合唱部、演劇部などで平和や人権について取り上げたり、クラスで友達と政治のことを話したりすることも、禁止されるおそれがあります。

 さらに学外の政治活動について、「学業や生活などに支障が認められる」と校長が判断すれば禁止できるとし、いつ、どこで、どんな活動に参加するかを事前に届け出させる「届け出制」まで容認する見解を示しています。政治活動の規制が際限なく拡大されるおそれがあり、高校生の内心の自由を侵し、萎縮させるものです。

 政治活動の自由は、憲法に保障された基本的人権の一つです。高校生にも、政治について語り合い、声をあげる自由があります。政府は「教育目的」のためなら人権を制限できるとしていますが、民主主義社会の担い手として、自分の頭で考え、他者と意見をかわし、行動する主権者としての自覚と成長を支えることこそ教育の目的にかなうものです。仮に行き過ぎがあるなら、抑圧的に規制するのではなく、教師と生徒の信頼関係と話し合いで解決すべきです。

 日本共産党は、政府に「通知」を撤回させ、高校生にも政治活動の自由があることを明確にし、主権者としての自覚と成長を支えます。

【被選挙権の年齢を速やかに引き下げます】

 選挙権は18歳に引き下げられましたが、被選挙権は、参議院議員や都道府県知事で30歳以上、衆議院議員や市区町村長、地方議員で25歳以上であり、多くの若者が除外されています。被選挙権は、選挙権と一体に国民の参政権をなすものです。すべての主要政党が18歳から入党できることをみても、18歳以上であれば政治を担う意欲と力量があることは明らかです。

 日本共産党は、若者が政治の担い手としていっそう活躍できるように、被選挙権の速やかな引き下げを求めます。

【若者の政治参加をすすめる施策をおこないます】

 若者が主権者として政治に参加し活動できるように、規制だらけの公職選挙法を改正するとともに、以下の施策をすすめます。

――大学など若者が集中する場所への投票所設置をすすめます。

――住民票を移動していない多くの学生に、不在者投票についての周知をつよめます。

――政治教育は、選挙制度の説明にとどまらず、政治に関する基本的知識を身につけ批判力を育むものにします。社会的に意見の対立がある問題は、一方的教化は避けつつ、議論の分かれている問題として正面から取り扱えるようにします。

 

 

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