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日本共産党

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赤旗

2014年 総選挙各分野政策

21、地域の活性化・地方自治

地方切り捨て政治を転換し、地域活性化をすすめ地方自治を拡充します

2014年11月


 長引く地域経済の低迷に消費税8%が追い打ちをかけ、地方の疲弊がますます深刻化するもとで、国民のくらしに最も身近な地方自治体の果たす役割は増すばかりです。政府には、「地方自治の本旨」にもとづく自治体の運営を保障していくことが求められます。ところが安倍・自公政権は、これまでの地方切り捨ての方向をさらに強めようとしています。日本共産党は、安倍・自公政権の悪政を転換し、地方自治体が取り組んでいる地域活性化を全力で応援し、必要とされる地方財源を保障して地方自治の拡充をはかります。

 

1.地方切り捨て政治と道州制に反対し、地域の活性化を支援し地方の再生をはかります

 安倍・自公政権が、「人口減少」・「自治体消滅」などとマスコミも使ったキャンペーンで、自らがめざす福祉切り下げと負担増、消費税増税、TPP、地方制度の新たな改編など、国民から大きな反発を招く政策を押しつけようとしていることは重大です。

 そもそも、人口減少など地方の衰退は、政府がすすめてきた輸入自由化などの政策で農林畜産業や地場産業など地域経済が壊され、大店法廃止などによる商店街への打撃、国際競争力の名による三大都市圏などの「都市再生」推進で、一極集中を加速してきたことなどによるものです。また、小泉「構造改革」による「三位一体の改革」で地方交付税は約3兆円も削減され、多くの地方自治体が財政難から、「平成の大合併」へと追い立てられました。3232あった地方自治体は、現在1718へと激減し、多くの自治体では、旧市町村地域の拠点が維持できなくなるなど、住民サービスは後退し地域経済も大きな打撃を受けました。

 自公政権はその反省もなく「地方創生」などと言っていますが、そこには新たに「周辺」部を切り捨てていく、地方再編の方向が示されています。

 今年5月に元総務相の増田寛也氏を中心とした「日本創成会議」が、全国896市町村(全体の49・8%)が「消滅可能性自治体」となると発表しました。そして、三大都市への「人口流出を防ぐダム」が必要だとして、地方財政と行政サービスを一定規模の都市に集約させることなどを政府に求めました。

 これを推進しているのが安倍政権です。「新たな広域連携」制度などとして、「地方中枢拠点都市」(人口20万人以上の市)とその「周辺」市町村との連携や、条件不利地域と都道府県との連携、三大都市圏における市町村間の水平的連携、地域での基幹集落への集約が想定されていますが、これらは、「周辺」市町村にある文化施設、図書館、福祉施設などの公共施設や行政サービスの拠点を「集約化」させることをねらっています。結果的に「周辺」地域は切捨てられ、地域の疲弊をさらに推し進めるものと言わなければなりません。

 また、総務省が都市部も含め全自治体に要請している「公共施設等総合管理計画」の策定でも、「市町村間の広域連携を一層進めていく観点」での各施設の統廃合をせまり、学校統廃合をいっそう促進するなど、「集約化」の名による身近な住民サービスの切り捨てが危惧されます。

 こうした地方切り捨ての流れの先に、さらなる市町村再編と道州制導入がねらわれていることも重大です。

 「集約化」の収斂が進めば、地方自治法が定めた「地域における行政を自主的かつ総合的に実施する」という地方自治体の役割と能力が奪われ、〝半人前〟の自治体が増えてしまうことになりかねません。また、総務相は、「道州制を進めることと、分権や地方活性化はすべて同じ流れのなかになければいけません」と述べ、同一線上に道州制を見据えています。道州制は財界が「究極の行政改革」と位置づけ、自民党、公明党、民主党、維新の党などが導入推進の立場ですが、全国町村会や全国町村議会議長会など地方からは、あらたな市町村再編につながるなどとして強く反対する声も広がっています。

 日本共産党は、「集約化」による新たな地方切り捨て政治に反対し、地方が現に取り組んでいる観光開発や地域おこしなどの振興策、雇用創出や住宅リフォーム助成への支援、IターンUターンなど定住促進事業、農林漁業や6次産業化への助成や支援、自然・再生エネルギーの研究・活用など、さまざまな地域活性化策を全力で支援します。

 都市部、農村部をとわず、自治体の子育て支援、若者の仕事確保と定住促進への財政支援を実施します。

 地方自治を変質させ、あらたな市町村大再編をもたらす道州制の導入に断固反対します。

 

2.地方交付税制度を守り、地方財源を確保します。

 安倍・自公政権は、いまでも不十分な地方の財源を充実させるどころか、地方交付税を一方的に削減するなど地方財政削減路線に踏み出しています。

 政府は「リーマン・ショック後の危機対応モードから平時モードへの切替えを進めていく」として、いわゆる地方交付税の「上乗せ措置」の削減に14年度から踏み出し、15年度から廃止をねらっています。

 しかし、そもそも「上乗せ措置」は、「リーマン・ショック対応」のためとしつつ、実態としては「三位一体の改革」での地方交付税の大幅削減による地方財政の厳しさへの緊急手当として不十分ではあるものの実施されてきたものです。「平時モードへの切替え」をするのであれば、地方交付税の一方的削減以前に回復することこそ道理です。

 地方交付税の精神をゆがめる制度を広げようとすることも重大です。14年度はその一部に、自治体が職員数や人件費の削減など「行革努力」を行ったり、地域活性化施策で「成果」をあげるなどした場合は交付税を増やし、消極的な自治体には薄く配分するなどの計算方法(「地域の元気創造事業費」)を導入しました。そもそも地方交付税制度のなりたちは、どの自治体にも標準的なサービスの財源を保障し、住民の福祉機関としての役割を支えるものであって、時の政権の都合による政策誘導に使うべきものではなく、ただちに改めるべきです。

 いま地方自治体は、たび重なる自然災害や南海トラフ地震などへの防災対策、不況や増税などで立ち行かなくなる事業者や住民の暮らしと雇用への支援、自治体病院の医師確保など医療と介護への対応、待機児童対策など保育問題、学校や道路など老朽化したインフラの整備など、対応するべき課題は増すばかりです。今こそ地方自治法が定める「住民の福祉の増進を図る」という地方自治体の役割が十分に発揮されるよう、国がしっかりと支援することが求められています。

 日本共産党は、地方の財源を、地方交付税の拡充などで抜本的に増額して、地方がとくむべき課題に対応することができるよう保障します。「地域の元気創造事業費」など地方交付税制度の変質をもたらす施策を改めます。

 合併自治体の多くから政府への要望により、地方交付税の特例措置(「合併算定替」)の終了に伴う新たな財政措置が14年度から一部実現しましたが、政府の責任で必要な財政需要に即した財源を確保します。

 

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