各分野政策(2013年)

2013年参議院選挙各分野政策

28、女性

女性の人権が尊重され、生きいきと活躍できる社会にします

20136


 2500万人を超える女性が企業や自営業、農林業など社会のさまざまな分野で働いています。全就業者の4割以上を占める女性の力なしには、日本の産業を支えることはできません。ところが、経済や政治参加の面での男女平等度は世界135カ国中101位、先進国でこれほどの男女格差と女性差別が残っている国は日本以外にありません。

女性の賃金は正社員でも男性の約7割、非正規社員をふくめると約5割です。管理職につく女性はごくわずか、課長級の管理職の女性割合は5・5%、部長相当職では4・5%にすぎません。正規労働者として働く女性は減り続け、パートや派遣、臨時などの非正規雇用は、女性労働者の55%にまで増加しており、貧困や格差をひろげる雇用破壊が働く女性を直撃しています。働く女性の43%が年収200万円以下の低賃金です。「子どもができても、ずっと仕事を続ける方がよい」と考える女性も47・5%と半数近くになっているにもかかわらず、妊娠・出産で6割もの女性が仕事をやめている実態はまったく改善されていません。妊娠や産休・育児休業を理由にした解雇・不利益取り扱いがひきつづき深刻です

世界でも異常なこの女性差別のおおもとには、財界・大企業いいなりの日本の「ルールなき資本主義」があります。戦前の日本の社会を「理想」とする勢力が政界で影響力をもち、選択的夫婦別姓など世界であたり前の制度がいまだに実現しないことも異常です。歴代政権は、女性差別の是正にとって重要な労働者派遣法改正でも、民法改正でも女性・国民の期待を裏切り続けてきました。

安倍首相が「成長戦略」の中心にかかげる「女性の活用」も、財界の要請にそって、少子化による労働力不足をおぎなうためのものであり、困難をいっそう拡大するものです。女性に妊娠・出産をおしつけ、子育てを女性の役割とする議論もおこなわれています。女性の人権の尊重と男女平等の国際的流れに逆行する時代錯誤です。

日本共産党は、財界・大企業いいなりの政治を転換し、男女平等への逆流を許さず、社会のあらゆる分野で憲法を生かし、女性の人権を尊重し、男女平等を前進させるため力をつくします。国連女性差別撤廃条約やILO条約の具体化・実現をすすめ、国際的な基準にたったヨーロッパ並みの「ルールある経済社会」の実現で、男女がともに仕事も子育てもでき、生きいきと働くことができる社会にします。権利侵害を国連に通報できる制度を定めた女性差別撤廃条約の選択議定書などを早急に批准するようもとめていきます。

 

1、女性が、生きいきと働き続けられるよう、職場での男女平等をすすめます

男女賃金格差・昇進昇格差別の是正をはかります

 男女雇用機会均等法制定から30年近く、しかし男女の賃金格差是正も昇進昇格差別の改善も遅々としています。

政府は、男女雇用機会均等法の見直しを検討していますが、財界の「法改正は必要ない」という主張をうけ、その検討内容は抜本改正には程遠いものです。男女雇用機会均等法を抜本的に改正し、事実上の差別をもたらす「間接差別」を原則禁止とするとともに、労働者の申し立てにより差別を是正できる強力な救済機関の設置、罰則の強化、法律にもとづく企業への指導強化などをすすめます。賃金や管理職比率で大きな男女格差がある企業に改善措置を義務づけ、積極的に格差の是正にとりくみます。「同一価値労働同一賃金」の原則にもとづいた均等待遇の法制化をすすめます。

パートや派遣など非正規労働者の権利を守り、均等待遇と正規雇用化をすすめます

 女性のパート労働者は994万人、パート労働者の7割近くにのぼります。平均時給は1001円、正規雇用の男性の半分です。派遣労働者も半数近くが女性です。日雇い・臨時雇いで働く女性は、女性労働者の2割以上にあたる500万人近くになっています。

 日本共産党は、非正規労働者の権利を守り、労働条件の改善をはかります。正規雇用があたりまえの社会をつくります。労働者派遣法の抜本改正、有期雇用の規制強化をすすめ、派遣や契約社員などは、臨時的・一時的な業務など合理的な理由がある場合に限定し、非正規雇用を安易な雇用の調整弁として利用する「使い捨て雇用」をやめさせます。均等待遇を厳格に実施し、正規と非正規の不当な差別・格差をなくします。

 パート労働法を抜本的に改正し、ILO条約などの国際的基準にもとづく正規労働者との均等待遇を明記し、事業主が賃金、休暇、教育訓練、福利厚生などの労働条件で差別的取り扱いをすることを禁止します。正規労働者の募集・採用の際には、いまその業務についていて正規を希望するパート・有期労働者を、優先的に雇い入れることを努力義務とします。事業主が差別的取り扱いをした場合などは、公表し、勧告に従うことを命令できるようにします。公務労働者や有期労働者も法の対象に加えます。

 女性の賃金の底上げをはかるため、最低賃金を時給1000円以上に引き上げ、中小企業への賃金助成などの支援を制度化します。最低賃金は、労働者の平均給与の半分を上回るようにし、働き続けても貧困から抜け出せない「働く貧困層」をなくします。

 女性が多い保育士や学童保育指導員など、自治体職場でひろがる非正規雇用の正規化、労働条件を改善し、「官製ワーキング・プア」を許しません。

妊娠・出産への不利益取り扱いをやめさせ、解雇、退職勧奨を根絶します

 結婚、妊娠・出産による解雇や不利益扱いは法律で禁止されているにもかかわらず、実際には、2012年度1年間で3186件も相談が全国の雇用均等室によせられています。都道府県労働局が援助した紛争のなかで一番多いのが妊娠・出産への不利益取り扱いです。

妊娠・出産の権利を守ることは男女平等の大前提です。企業への指導を強め、違反企業への指導の徹底、罰則の強化をはかります。産前産後休業をとることが人事評価やボーナス・退職金の算定でマイナスにならないように法整備をすすめます。休業中の所得保障を充実します。出産・育児等で退職した女性が再び、その経験や実績を生かして働けるように、再就職への支援、職業訓練制度の抜本的な充実、資格取得のための助成の拡充、正規雇用での再就職を促進します。

自営業・農業女性の労働を正当に評価し、支援します

 家族従業者に支払った給与を経費として認めない所得税法56条は人権侵害と、その廃止をもとめる運動がひろがっています。自治体から国への意見書も360以上にのぼっています。所得税法56条を廃止し、妻など家族従業者の働きを正当に評価し、必要経費と認められるようにします。

 病気や出産のときに安心して休めるような支援制度をつくります。国民健康保険に出産手当金・傷病手当金の「強制給付」の制度をつくり、経済的な負担の軽減をはかります。

 資金不足や家庭・子育てとの両立の問題など女性ならではの困難で、起業を断念したり、廃業せざるをえない場合も少なくありません。起業に関する知識、情報提供、相談窓口や低利融資の拡充、子育てとの両立支援をすすめます。農産物加工技術の研修や販路の拡大などを支援します。

 自営業・農業にたずさわる女性の仕事と健康など総合的な実態調査を継続的におこないます

 

2、女性も、男性も、仕事と家庭の両立ができる条件整備をはかります

長時間労働の改善、人間らしい働き方のルールをつくります

 女性が働き続けられない、既婚女性がパートタイムを選ばざるをえないのは、世界でも異常な長時間労働が大きな要因になっています。子育て世代である30代男性の5人に1人が、週60時間以上働いています。また1997年の労働基準法改悪で女性の残業や深夜労働の規制が撤廃されて以降、女性にも長時間労働がひろがっています。健康破壊・母性破壊も深刻です。

 異常な長時間労働を改善して、男女がともに仕事と家庭を両立でき、人間らしく働き続けられる働くルールをつくることは急務です。労働時間の短縮のために、残業時間を法律で制限するとともに、違法なサービス残業を根絶します。子育て中の変則勤務、夜間・休日出勤、単身赴任などを制限します。

だれもが利用できる育児介護休業制度へ充実します

 男女がともに子育てをするためにも、女性が働き続けられるようにするためにも、育児介護休業制度をだれもが利用できる制度にしていくことが必要です。安倍首相は育児休業を3年間とれるよう企業の自主的とりくみを要請しました。しかし、企業の自主性にゆだねるだけでは、だれもが育児休業制度を利用できるようにはなりません。法律にもとづく抜本的な拡充が必要です。

休業中の所得保障(現行5割)を6割以上に改善するとともに、中小企業に対し代替要員の確保などのための助成などを強化します。有期雇用労働者が取得しにくい制度を見直し、6カ月以上勤続している労働者すべてに適用します。

 2・63%と依然として少ない男性の育児休業取得の促進のため、ヨーロッパ諸国でおこなわれている「パパ・クオータ」なども参考に、両親とも取得すると休業可能期間が延びる現行制度をさらに改善します。保育所に入れないなどやむをえない場合の延長を1年にのばします。短時間勤務制度や時間外・深夜労働免除制度は、子どもの対象年齢の拡大などさらに充実させます。子どもの病気などで利用できる「子ども看護休暇」は、学校行事への参加などにもつかえる「家族休暇」制度とし、両親が各年10日以上に拡充します。

 介護休業制度は最長3カ月間と期間が短く、所得保障が4割、休業中の社会保険料免除もないなど不十分です。休業期間の延長と所得保障の充実をすすめます。

 制度利用による不利益取り扱いを許さず、原職復帰原則の確立、苦情処理・救済制度の拡充、指導・監督の徹底、違反企業への罰則強化などをはかります。

安心して預けられる認可保育所を、国の責任で緊急・集中的に整備します

 都 市部を中心に、待機児童問題が深刻です。保育所に入れないために、仕事や子どもを産むことを諦めなければならない事態も起こっています。政府がこれまで認 可保育所の整備を中心に据えず、定員以上の「詰め込み」や園庭がない保育所を認めるなど、安上がりの待機児童対策をすすめてきたからです。安倍政権がすす めようとしている「待機児童解消」策は、株式会社による保育への参入促進、保育士の配置や面積基準などの引き下げなどの方向です。「安心して預けられる認 可保育所を増やしてほしい」という父母の願いにほど遠いものです。

>本来、国の保育所建設は、日本の将来 をみすえ、だれもが仕事と子育ての両立ができる社会づくりの立場にたって計画的にすすめられるべきものです。小学校に待機児がいないように、保育所に待機 児童があってはなりません。国と自治体の責任で安心して預けられる認可保育所建設計画にもとづく保育所建設をすすめるとともに、当面の深刻な待機児童問題 の解決のために国の責任で安心して預けられる保育所を緊急・集中的に整備します。年間10万人分、3~5年間の認可保育所緊急整備計画をつくります。予算の使い道を改め、保育のための年間6000億円を消費税増税なしに確保します。国有地の無償貸与をすすめ建設用地の確保を支援します。職員の待遇の改善、正規雇用化をすすめ、保育士不足を解消します。保育所の基準引き下げは許しません。

 自公民3党が、父母、保育関係者の反対をおしきって強行した「子ども・子育て関連法」にもとづく「新制度」は、国と自治体の保育に対する責任を後退させ、保育を営利企業にゆだねるものです。「新制度」では、待機児童の解消も、保育条件の改善もできません。しかも主な財源は消費税増税です。子育てに二重に困難をおしつける「新制度」の実施を許しません。

学童保育の拡充、環境整備と指導員の待遇改善をすすめます

 共働き世帯やひとり親家庭が増えており、子どもたちが放課後を安全に安心して過ごせる学童保育の拡充はいっそう切実な願いとなっています。学童保育数この10年で1・5倍加し、2万846カ所になり、85万人近い児童が利用しています。しかし、なお「潜在的な待機児童」が約50万人と推測されており、必要数に遠く及びません。

 公的責任で学童保育を抜本的に拡充します。国の学童保育予算を大幅に増やし、学童保育の増設、大規模化の解消、施設・設備の改善、指導員の正規化・労働条件の改善、複数配置、利用料の軽減などをすすめます。「子ども・子育て新制度」にともなう2012年の児童福祉法の改定で、市町村は国の基準に基づいて設置運営基準を条例で定めることになりました。一歩前進ですが、従うべき基準とされたのは指導員の配置基準のみで、面積基準などは参酌基準です。専任で常勤の指導員の複数以上の配置をはかるとともに、面積基準の確立をすすめ、地域格差の改善をすすめます。営利企業の参入促進は反対です。

 すべての子どもを対象とした「放課後子ども教室」なども拡充します。

 

3、ひとり親家庭への支援を強めます

母子家庭が安心してくらせるように支援をつよめます

 児童扶養手当制度は母子家庭の命綱です。母子家庭の母親の8割が働いていますが、パート・アルバイトが47%と、多くは非正規雇用です。母子家庭での平均就労収入は181万円、子育て世帯の31%であり、母子家庭が85%を占めているひとり親家庭の相対的貧困率は50%をこえています。母子家庭の母と子が安心してくらせるように支援をつよめます。

児童扶養手当の拡充をはかります。支給額の引き上げ、所得制限の緩和による支給対象の拡大をすすめます。子の扶養者が公的年金を受けていても児童養手当を受給できるようにします。小泉政権時代、政権与党の自民党・公明党と民主党の賛成でおこなわれた支給開始から5年後に支給額を半額にするという制度改悪は、世論と運動で「凍結」されていますが、改悪そのものは撤回されていません。政府は改悪そのものをただちに撤回すべきです。物価スライドを適用した手当の削減もやめるべきです。

 安心して生活し、子育てするためには、安定した仕事につくことが必要です。パートや派遣の正社員化、パートを正規雇用に転換した事業主にたいする奨励金や資格取得や技能訓練費などの国の支援制度を充実させます。

 深刻な待機児童問題が解決されないなかで、母子家庭からも悲鳴があがっています。法律にひとり親家庭の保育所優先入所への配慮がうたわれ、通達も出ていますが、あくまで配慮です。優先入所を強めます。ひとり親家庭の親が病気や講習会受講などのときのヘルパー等派遣事業、生活相談事業などを拡充させます。安価で良質な公共住宅を供給します。

結婚歴のないシングル・マザーにも寡婦控除が適用されるように、制度の改善をはかります。所得税法の寡婦控除制度の改正以前にも、保育料の算定、公営住宅利用の手続きなどをおこなう際に、「寡婦」とみなして、同等の控除をうけられるようにします。

父子家庭への支援をつよめます

 父子家庭にも児童扶養手当が、父子家庭関係者と国民の運動で支給されるようになって3年、46%の父子家庭が受給しています。父子家庭も就業支援の対象が2013年4月から広がったことも一歩前進です。

父子家庭の父も、仕事と子育ての両立が困難であり、離婚時には正社員でも非正規社員にならざるをえないこともあり、厳しい生活状況におかれています。平均就労収入は、母子家庭よりは高いものの、360万円、子育て世帯の61%です。

 父子家庭の実態に即した子育て支援・生活支援を強めます。

 

4、女性が健康に生涯をおくるために社会保障を拡充します

妊婦健診を充実し、出産費用の軽減をはかります

 妊婦健診は母体や胎児の健康のために欠かせません。運動と世論の成果で自治体が支援する検診回数は、国が望ましいとしている14回をこえ、1年ごとの時限措置だった国の支援が2013年度から恒久的な制度になったものの、財源は一般財源化されています。これまでと同じ水準の公費助成が維持される保証はなく、妊婦健診への公費助成回数後退が危惧されます。国の補助事業にし、だれもが、どこでも、安心して妊婦健診を受けることができるように充実をはかることが必要です。若い夫婦にとって出産費用は重い負担です。現在42万円の出産育児一時金を大幅に増額します。妊娠希望者・予定者、妊婦の配偶者などへの風疹予防ワクチン接種費用の自治体の助成が始まっています。国による補助をすすめます。

 非正規雇用や、業者、農業などを問わず、安心して産前産後休暇がとれるように、国保の出産手当金制度を「強制給付」にするなど休業中の所得保障、社会保険料免除などをすすめます。

 不妊患者の経済的負担の軽減をはかります。高額な費用がかかる特定不妊治療費の助成は不十分です。助成額の増額、所得制限の緩和をはかります。健康保険の適用範囲の拡大をめざします。不妊専門相談センターの整備・拡充をはかり、カウンセリング体制の強化をすすめます。

産科医不足を解決します

 都市でも地方でも産科医のいない地域が急増、「お産難民」といわれた事態はいまも改善されておらず、産婦人科医不足はいまも深刻です。歴代政権による「医療費削減」の名による医師数の抑制、診療報酬の抑制・削減、不採算を理由にした国公立病院の産科の切り捨てなどが原因です。「医療費削減」路線を転換し、国の責任で計画的な打開策をこうじることが必要です。

 医師の養成数を抜本的に増やし、国の責任で産科医の育成・研修などをすすめます。地域の産院・産科病院への公的支援を強め、産科・小児科・救急医療などにかかわる診療報酬を引き上げます。国公立病院における産科切り捨てをやめ、周産期医療をまもる拠点として支援します。産科医の過酷な労働条件の改善をすすめます。女性産婦人科医の妊娠中の当直免除、産休・育休中の身分保障や代替要員の確保、職場内保育所の設置、職場復帰に向けた研修な、仕事と家庭の両立支援をすすめます。重要な役割をはたしている助産師・助産院への手厚い公的支援をすすめます。助産師の養成数を増やし、「院内助産所」の設置など医師と助産師の連携を国の責任で推進します。

検診、健康診断の充実など女性の健康への独自の取り組みをつよめます

 乳がん・子宮頸がん検診の受診率はともに24・3%、OECD(経済協力開発機構)34カ国のなかで最低レベルです。早期発見で治癒率は向上します。国の予算をふやし、乳がん・子宮がん検診の自己負担の軽減・無料化をはかり、検診受診率の向上をはかります。ウィルス感染を主な原因とする子宮頸がんの予防のため若年者へのヒトパピローマウィルス(HPV)ワクチン接種と一体で予防、早期発見をすすめます。ワクチンの安全性の確保・向上を進めます。

 長時間の残業や深夜労働による過労・ストレスで体調を崩す女性が増え、精神疾患の労災認定も急増しています。生理休暇取得率は1・6%まで低下し、月経障害や不妊に悩む女性も少なくありません。男女ともに長時間労働を規制し、生理休暇なども気兼ねなく取得できるよう、企業への指導を強化します。企業の定期健診に女性関連項目を加えます。働く女性の長時間労働、深夜労働の実態・健康影響調査をすすめます。

 女性の体、性差を考慮した医療、教育の充実をはかります。女性専用外来の開設をさらに促進します。若年層を対象にした妊娠・出産の機能を持つ女性の体についての教育、性教育、性感染症予防教育をすすめます。骨粗しょう症や甲状腺障害など女性に多い疾病の予防・健診の充実をはかります。

女性が老後を安心して生きることができる公平な年金をめざします

 多くの女性が低額年金、無年金の状態におかれています。単身女性の64%が貧困層といわれる高齢期の生活実態には、女性の地位の低さがそのまま影響しています。女性の厚生年金加入者の1人あたりの平均年収は305万円、男性465万円の6割です(2011年度)。男女賃金格差、パート労働者と正規労働者の均等待遇、業者女性などの働き分を正当に評価する税制などへの改善をはかります。パート労働者の社会保険加入の権利を保障します。保険加入期間25年の10年への改善は、仕事と家庭の両立が困難で退職においこまれることが多いは女性にとって、より切実な願いです。消費税増税とセットの実施はやめさせ、すぐに実現させます。厚生年金の遺族年金を女性が働き納めた保険料が受給額に反映できるよう改善をはかることなど、女性がどんな生き方を選択しても公平に受給できる年金制度の方向を検討します。

 日本共産党は、無金者、低年金の改善をはかるための2段階の年金改革を提案しています。そのなかで女性の無年金も解消し、低年金の底上げをはかります。改革の第1段階では、受給額の2分の1を国の税財源で負担する現行の基礎年金のしくみを、受給者全員に定額(現行の基礎年金満額の2分の1にあたる月3万3000円)国庫負担するしくみにかえます。いま月4万円の年金を受給している人の受給額は月5万3000円になり、低年金の底上げをはかれます。改革の第2段階で、全額国庫負担による最低保障年金制度を確立し、保険料納付にかかわりなく月5万円の最低保障額を支給し、そのうえで、支払った保険料に応じた給付を上乗せする制度をスタートさせます。国民年金で40年間、保険料を納めた人は、月8万3000円の年金を受給できるようになり、厚生年金も、給付水準の低い人から底上げがされていきます。「最低保障年金制度」の実現に足を踏みだせば、女性の低年金や無年金、サラリーマン世帯の専業主婦の「第3号被保険者問題」など年金制度がかかえる矛盾を抜本的に解決する道が開けます。

 

5、男女平等、民主主義を、法的にも社会的にもつらぬき、女性の人権を尊重する社会をつくります

民法を改正し、差別規定をなくします

 民法に、夫婦同姓を強制する制度や女性のみの再婚禁止期間、男女別の婚姻最低年齢、婚外子への相続差別など、男女平等と人権に反する遅れた制度が残されています。法制審議会答申から17年も歴代政権が放置してきた結果です。09年夏、国連女性差別撤廃委員会で、民法改正がまったくすすんでいないことへの厳しい批判と早急な改善勧告が出されてからも、民主党政権も、安倍自公政権もまったく改正をしようとしていません。憲法と国連女性差別撤廃条約の精神にそって、一日も早い民法改正の実現をはかります。

離婚した父や母などと子の面会交流、養育費の分担のとりきめについては、2011年の民法改正で、「子の利益を最も優先して考慮しなければならない」と位置づけられ、努力義務としてもりこまれたことは一歩前進です。面会交流をすすめるための公的サポートなどを強化します。

 国際離婚にともなう、一方の親による子の国外への連れだしにかかわる問題の解決のためのハーグ条約の加盟が承認され、加盟後の国内手続き法案も可決の見通しです。ひきつづき、子どもの利益にたった解決とDV被害者の懸念にこたえる運用と必要な整備改善に力をつくします。

セクシャルハラスメントの防止をはかります

セクハラは女性労働者の人権と働く権利を傷つける重大な行為です。雇用均等室によせられたセクシュアルハラスメントの相談数は9981件(2012年度)、女性労働者からの相談のなかの6割余、全相談件数の約半数を占めており、依然として減らないばかりか、退職や体調不良に追い込まれるなど深刻なケースが少なくありません。

セクハラのない職場にするために、男女雇用機会均等法によって防止義務を課されている事業主が対策を徹底するよう、行政の指導・援助を強めます。改善命令をだせる独立した機関を設置し、被害者の保護・相談窓口を拡充します。被害の相談・申し出をおこなった労働者への解雇や不利益取り扱いをやめさせ、プライバシーを守ります。セクハラをうむ土壌となっている女性差別や性別役割意識、女性蔑視の風潮や、パワハラが横行する労働者使い捨てをやめさせ、あらゆる場面で男女平等をつらぬき、人間らしい働き方のルールをつくり、女性・労働者の権利を守ります。

DV被害の防止、被害者の保護と支援を充実させます

 全国の配偶者暴力相談支援センターに寄せられるDV相談は、毎年過去最高を更新し2011年度は8万2099件にのぼっています。被害者の救済と保護の拡充、自立支援の充実、暴力を防止するための施策の強化はますます重要な課題となっています。

 国の予算を増やし、相談体制のいっそうの充実、関係諸機関との連携協力・ネットワークづくりと切れ目のない支援をすすめます。配偶者暴力相談支援センターの増設と施設条件の改善、24時間相談体制の確立、保護命令期間の延長、民間シェルターへの委託費の増額と運営費への財政的支援を強めます。被害者が自立の準備をするためのステップハウスへの助成、公営住宅への優先入居や自立に要する費用援助をするとともに、被害女性や子どもの心身のケアの拡充、専門スタッフの養成など総合的な支援をはかります。DV被害者への適切な対応がはかられるよう警察内での教育を徹底します。女性からの暴力もふえています。男女ともに加害者更生をはかるための調査研究と対策強化、学校などでの予防教育の強化をはかります。暴力を許さない社会的合意をつくります。

性暴力から女性や子どもを守ります

 性暴力から女性や子どもを守ります。国と自治体の責任で24時間対応のワンストップ相談支援センターの増設、被害者に配慮した相談体制、必要な医療などが受けられる支援、二次被害防止のため専門家の養成・研修、心身の回復に効果的な支援などをつよめます。性交同意最低年齢の引き上げ、被害者の告訴なしでも訴追できるようにする、近親姦の規定を設ける、強姦罪の要件の見直しなど、刑法の規定を強めます。加害者更生プログラムの研究・対策をすすめます。

 人身売買被害者の保護・人権擁護の体制を拡充します。雑誌やインターネット、メディアなどには性を商品化するような写真、記事、動画などが氾濫しています。女性を蔑視し、人格をふみにじる文化的退廃を許さず、人権尊重の世論と運動をひろげます。

日本軍「慰安婦」問題の解決をはかります 

日本軍「慰安婦」問題は、日本がおこした侵略戦争のさなか、植民地にしていた台湾、朝鮮、軍事侵略していた中国などで女性たちを強制的に集め、性行為を強要した非人道的行為です。当時の国際法規からみても違法行為です。

元日本軍「慰安婦」の被害者のなかには亡くなった方も多く、高齢です。この解決は、緊急の課題です。解決のためには、日本政府が、違法な犯罪行為について謝罪と賠償をおこなうことが不可欠です。政府に「慰安婦」問題の真の解決と、国による謝罪・賠償、教科書への記載をおこなうことをもとめていきます。国会の責任として、これを促す「戦時性的強制被害者問題の解決の促進に関する法律」の成立のために力をつくします。

日本維新の会の橋下徹共同代表が、「慰安婦は必要だった」と、女性を戦争の道具とみなす驚くべき暴言を吐いたことに国内外から大きな批判が集中しています。安倍首相は、この橋下暴言を批判も否定もしようとはしません。もともと旧日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」の見直しをはかることを主張したのも安倍首相です。歴史を改ざんし、歴史に逆らい、「河野談話」の見直しなどをすすめようとする異常な動きは許しません。

 

6、防災対策・被災者支援に女性の意見が反映するしくみをつくり、いかします

 女性のニーズにたった防災対策・被災者支援、復興支援を重要な課題として位置づけ強めます。国連機関も、自然災害のときにも、女性への差別、固定的性別役割から、適切な情報や就業への平等なアクセスの不足、より重くかかる家族的責任など男女に異なる影響を及ぼしていると指摘しています。防災・災害救援・復興にかかわる意思決定機関への平等な参加の機会の確保、女性のニーズと人権に配慮した支援、暴力の防止、就業機会の平等な確保の保証などをかかげた決議も採択されています。

 女性独自のニーズにそった対応をすすめます。防災会議、避難所運営への女性の参加を促進し、女性の意見を反映できるしくみをつくります。

 高齢者、子ども、障害者、病人など特別に支援を必要としている人々とともに妊産婦など女性独自ニーズにそった対応をすすめます。男女別のトイレや更衣室、アレルギー対応の粉ミルクや離乳食、生理用品など女性、妊産婦になくてならない備品・物品の備蓄、出産施設、病院、相談窓口の体制確保などをすすめます。

女性の参画の拡大は、セクハラやDV被害者を生み出さないためにも、災害から住民を守る防災対策のためにも必要です。避難所などの運営にも女性の意見が反映できるようにします。防災にも復興にも女性の力の発揮は欠かせません。中央・地方の防災会議の委員に特別に女性を選任するような措置をとり、看護師、助産師、保健師、ケアマネージャー、ボランティア経験者などをくわえていくようにします。

 

7、政策・意思決定機関への女性の参加の促進など女性が生きいき活躍できる社会にします

女性の高校進学率は男性を上回り、大学・大学院への進学率も高まっています。社会のあらゆる分野で女性の活躍がひろがっています。しかし、政治の分野でも、公的な分野でも、教育、雇用の分野でも、政策・意思決定機関への参加は著しくおくれています。

 女性があらゆる分野で活躍できる社会をつくることは日本の民主主義にとっても、日本の社会の発展にとっても重要です。世界でも異常な女性への差別、非正規労働の実態、働きたくても働きつづけることの困難を解決してこそ、女性が生きいきと力を発揮し、日本社会の発展に貢献することができます。

 女性への差別の是正、非正規労働者と正規労働者の均等待遇、仕事と子育ての両立支援をすすめます。また、国連女性差別撤廃委員会の勧告にあるように、暫定的特別措置も導入した早急な改善が必要です。2020年までにあらゆる分野で指導的地位に占める女性の割合を少なくとも30%にするという政府目標の実現に、政府が直接責任をもっている女性国家公務員の登用はもとより、民間企業、とりわけ男女格差の大きい大企業にこそ、格差の是正を確実にすすめることが必要です。そのために、男女労働者の雇用状況の分析、改善のための目標・計画の作成とその実施と報告を義務づけ、積極的に格差是正に取り組む措置をとり、その実施・報告を義務づけるなど、民間大企業に是正の措置をはかり、企業の社会的責任をはたすようもとめていきます。

 審議会などでの女性の登用については、人口の半数をしめる女性の意見が、公平に反映することができる適切な構成にするために、女性の積極的な選任をはかるとともに、業界や大企業など特定の団体の比重が高く、民間の団体、個人も同じ団体・個人が多いなどの偏りをただし、あらゆる層の意見が反映する人選と運営をもとめます。

女性研究者をとりまく条件も、出産や育児、介護等で継続が難しいこと、昇進差別など、劣悪であり、研究者にしめる女性の割合は14%弱であり、講師、准教授、教授となるにしたがって女性割合が低くなっています。昇進差別やセクハラをなくし、出産・育児における休職・復帰支援策の拡充、大学内保育施設の充実など研究者としての能力を十分に発揮できる環境づくりなどをすすめます。

政治分野への女性の進出度の低さは世界でも異常です。女性議員を増やすうえでも、雇用をはじめ社会全体の男女平等を進めることが必要です。日本共産党は、政党として自主的努力をすすめるとともに、選挙制度の改革をはかります。女性の政治参加の促進にとっても、比例代表制度にすることが重要です。小選挙区制を廃止し、比例代表による選挙制度への改革をすすめます。比例定数削減も、女性の政治参加の促進にいっそう障害をもたらすという点からも絶対反対です。異常に高い供託金も女性の政治参加の促進の障害となっています。改善します。



 

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