各分野政策(2013年)

2013年参議院選挙各分野政策

35、文化

芸術・文化の活動を支え、文化が豊かに発展する社会をめざします

20136


 人々に生きる力を与える芸術・文化は社会進歩に不可欠です。

 文化を自由に創造し、享受することは国民の権利であり、その条件を整えるのは国の責務です。ところが、国民の多くが文化に親しむ機会から遠ざけられています。最大の問題は、長時間過密労働や低賃金がもたらしている「時間」と「費用」の問題です。同時に、芸術芸能団体も困難に直面しています。消費税の引き上げはますます文化に接する機会を国民から奪い、芸術・文化活動への大打撃となります。消費税増税ストップに力を尽くします。

 広範な芸術団体が取り組んだ文化予算増額の署名を受け、2012年9月の国会で史上初めて文化予算増額の請願が採択されました。文化に親しめるよう国民のふところを温めるとともに文化予算を抜本的に増やし、芸術・文化活動を支えます。文化を担当する国の専門機関の位置づけをヨーロッパ並みに高めます。

 

芸術団体と活動への助成削減を許さず、文化予算を増やします

 日本の国家予算に占める文化予算の比率は、フランスや韓国の8分の1程度です。しかも、芸術団体への助成は、自民党政権の2003年以来、毎年削減され、芸術団体助成の中心である重点支援は最高時の半分以下にまで落ち込んでいます。

 国民が芸術・文化を楽しめるようにするためにも、芸術・芸能団体の活動が活発になることが不可欠であり、芸術団体の助成の中心である重点支援が増えるかどうかが文化予算充実の試金石です。

 芸術団体(舞台芸術)への重点支援は、わずか28億円であり、これを最高時に戻すには39億円増ですみます。1機150億円のF35戦闘機など浪費の一部を削るだけでも、増額は可能です。日本共産党は、目先の効率優先の助成縮減をやめさせ、抜本的に拡充します。

 芸術団体への助成方式は、一部が改善されましたが、いまだ無理な自己負担を前提にしたものが多数残されています。これを全面的に改善し、芸術団体が専門性を発揮し、持続的に発展していけるよう助成制度の発展をはかります。けいこ場や公演・展示会場費への補助をはじめ、幅広い団体が気軽に活用できる助成制度の確立や、助成への応募を年複数回にするなど利用の改善をはかります。助成金の一部「前払い」制度を本格的に実施し、すみやかな支払いを実現します。寄付税制の充実など、税制支援をすすめます。

 心豊かな成長のためにも、子どもたちが芸術・文化に参加できる条件を整えることが重要になっています。学校での芸術鑑賞教室は、すべての子どもに芸術鑑賞の機会を保障する大切なとりくみですが、実際には、芸術鑑賞教室が激減しています。日本共産党は、すべての子どもが年1回以上、芸術鑑賞ができるよう条件整備をすすめます。国としてすべての芸術鑑賞教室を視野に入れた支援制度を確立し、学校と芸術団体の自主的な努力を応援します。文化団体が全国の草の根ですすめているとりくみを、交通費・宿泊費や会場費の援助などで応援する制度を確立します。

 諸外国では、表現の自由を守るという配慮から、財政的な責任は国がもちつつ、専門家が中心となった独立した機関が助成を行っています。文化庁の助成は応募要綱などが行政の裁量で決められ、芸術団体の意見がそこに十分反映されていません。すべての助成を専門家による審査・採択にゆだねるよう改善します。

 

震災復興への文化の役割を重視し、地域の芸能・文化の保存と育成をはかります

 東日本大震災は、芸術・文化にも甚大な被害をもたらしました。震災直後から多くの専門家がボランティアとして被災文化財の保存・修復に力を発揮してきましたが、道半ばで今後の課題となっています。福島や三陸沿岸部などでは閉鎖したまま再開できない文化会館・文化施設が数多くあります。民俗芸能をはじめ芸術・芸能団体のなかでは、長年かけて受け継がれ、そろえてきた資材が流出するなど甚大な被害が生まれています。

 こうした活動への補助は一部となっており、要望には足りない状況があります。文化財保存も国指定文化財以外は、地方自治体や民間の寄付頼みとなっています。こうした事態を改め、国が被災地の文化活動への支援、文化財保存のために財政的にも積極的に支援します。

 大型公共事業とその関連工事による文化財破壊を許さず、埋蔵文化財をはじめ、文化遺産、歴史的景観および文化的景観の保護をはかります。「陵墓」に指定されている古墳の学術目的での公開と保存をすすめます。

 

「劇場法」を生かし、文化施設への支援を強めます

 劇場・音楽堂は、創造と鑑賞の両面から、芸術の発展になくてはならない場所です。ところが、自民党政治で指定管理者制度が設けられ、多くの文化施設で予算が削減さ れてきました。民間劇場の閉鎖も相次いでいます。

 日本共産党も参加した超党派の議員立法で、劇場・音楽堂を支援する「劇場法」が成立しました。劇場法を生かし、劇場・音楽堂への国の支援を強めます。

 国立美術館・博物館、国立劇場・新国立劇場については、国の施設にふさわしく予算の充実をはかります。国民の身近な文化施設である文化ホールや図書館、美術館・博物館の民営化、民間委託の押しつけをやめさせ、公的支援を充実します。

 芸術・文化活動の拠点として活性化するためには、文化施設の運営への芸術家と市民の参画を促し、舞台技術者や司書、学芸員など専門家の身分を保障し、専門家として力量を発揮できるよう支援します。また、民間の劇場・音楽堂や映画館は、現状では商業施設として扱われ、何らの支援もありません。年間100日以上事業を行っている会館を劇場とみなして固定資産税の軽減を図るなど、積極的な支援を行います。

 まだまだ足りない大小さまざまな表現空間や展示場所、けいこ場といった芸術家・文化団体の活動の条件を整備します。アニメ、マンガ、写真、音楽、美術など、文化各ジャンルの貴重な遺産の収集・保存を支援します。映画フィルムの保存を急ぐとともに、急速にすすむデジタル化に対応し映画作品の保存をすすめます。映画の国立フィルムセンターの人員を拡充し、国立美術館の付属施設から、国が責任をもつ独立した組織へと発展させます。

 

著作者の権利を守ります。文化を支える専門家の地位向上にとりくみます

 日本の芸術・文化の発展のうえで各ジャンルの専門家の役割はきわめて重要です。ところが、その専門家の権利や社会保障がないがしろにされています。こうした状態を改め、著作権者の権利を守ることや、専門家の低収入、社会保障の改善にとりくみます。

 著作権は、表現の自由を守りながら権利者を守る制度として文化の発展に役立ってきました。ところが、映画の著作物はすべて製作会社に権利が移転され、映画監督やスタッフに権利がありません。実演家もいったん固定された映像作品への権利がありません。国際的には視聴覚実演に関する条約が作成されるなど、実演家の権利を認める流れや、映画監督の権利充実をはかろうという流れが強まっています。著作権法を改正し、映画監督やスタッフ、実演家の権利を確立します。

 一部の大企業は、私的録音録画補償金制度への協力義務を非難するだけでなく、実際に放棄してしまいました。こうした横暴を許さず、著作物を利用することで利益を得るメーカーに応分の負担を求め、作家・実演家の利益をまもります。

 年収300万円未満が5割以上という劣悪な状態にある実演家をはじめ、多くの芸術家は、一般の勤労者に比べても低収入です。また、仕事のうえでの怪我であっても労災認定は5.3%にすぎないように、社会保障がほとんどありません。そのため、ユネスコやILOは、芸術家の地位向上をはかることを求め、収入の向上や社会保障制度を実演家の実情に適合させることを求めています。専門家の地位向上を理念として掲げるだけでなく、一般勤労者並みに改善することを目標に施策を実施します。

 演劇・舞踊や映画の国立大学を設立することや海外研修支援の拡充など、専門家の養成における国の責務をはたさせます。

 

憲法を生かし表現の自由を守ります。ダンス規制をやめさせます

 芸術活動は自由であってこそ発展します。憲法は表現の自由を保障しています。ところが、自民党の「改憲案」は、表現・結社の自由について「公益及び公の秩序」に反しないものとしか認めないとしています。憲法の基本的人権の条項をまもり生かして、表現の自由を侵す動きに反対します。

 「風営法」の規制対象からダンスを削除し、「ダンス規制」をやめさせます。

 

 

 (c)日本共産党中央委員会