各分野政策(2012年)

2012年総選挙政策各分野政策

24、地方自治

道州制による自治体変質をゆるさず、財源の保障で地域の活性化と地方自治の発展を

2012年11月


 総選挙で、“国と地方のしくみを変えれば、閉塞状況を打破できる”といった主張が横行しています。そのめざすものは、民主党、自民党、公明党、みんなの党、維新の会などが、そろってかかげてきている「道州制」の導入です。

 しかし、この方向は、小泉自公政権時代の構造改革路線で、地方の衰退と疲弊をまねいた大失政を復活させ、おしすすめるものです。道州制をもちだすなかで、「競争」や「自立」が再び強調されていますが、「競争」や「自立」の先に、地域の活性化や住民福祉をになう自治体の発展があるでしょうか。

 道州制の導入は、地方自治の根本をゆるがすことにとどまらない、経済の再生、国民のくらし全体にかかわる、国のあり方、国政のゆくえをめぐる大問題です。

1、道州制導入と市町村大再編に反対し、地方自治を守ります

 道州制は、財界が長年要求してきた、国と地方をあわせた国家制度の大改編です。国の仕事を外交、軍事、通商、司法などに限定し、憲法にうたわれた社会保障や教育など国民の基本的な権利をまもる国の責任は投げ捨てるものです。いまの都道府県をなくして全国を十程度に区分けして「道」「州」をおき、いま約千七百ある市町村を再編し、将来的には三百程度の「基礎自治体」にしようというものです。

 自治体は住民から遠くなり、国は福祉、教育などの責任を放棄して、国から地方への財政支出の削減で、住民施策の水準の確保が危ぶまれます。財界は、広域行政をになう道州に、インフラ整備の大型開発へ、財源を集中させることをもとめています。

 自民党、公明党、みんなの党は、道州制推進のための基本法を早期に制定するとしており、維新の会はこれを積極推進、民主党も道州制賛成の立場です。基本法の内容は、いずれも制定後、5~8年程度で道州制に移行するというものです。

 しかし、最近開かれた全国町村長大会では、道州制議論の再燃に警鐘を乱打し、改めて「反対」の特別決議を採択しました。都道府県知事のなかでも道州制への慎重意見が多数です。道州制を念頭においた、国の出先機関を府県でつくる広域連合に移管する「出先機関改革」には、東日本大震災で国の地方整備局の対応が大きな役割をはたしたことから、全国市長会が強く反対しています。日本世論調査会による道州制への賛否をたずねた一般有権者への世論調査でも、反対54%に対し、賛成は37%です。

 くらしと経済、地方の今後を大きく左右する問題であるにもかかわらず、何の国民的議論もないなかで、自治体関係者や国民の反対をおしての道州制推進は許されません。

 都道府県も市町村も、「住民の福祉の増進を図る」(地方自治法第1条の2)という、自治体としても最も基本的な使命をはたしていくことが大切です。

 日本共産党は、自治体を変質させる道州制導入と市町村大再編に強く反対し、地域のみなさんと共同して、道州制基本法の制定を阻止するために全力をあげます。

 住民自治の発展のために、小規模町村を含む住民に身近な市町村行政を維持・強化します。政令市や合併してできた市など、規模の大きな市では、行政区や旧市町村を自治的な機能をもつ機構にするなど、地域の自治機能の回復と強化をはかります。

 政令市を解体して、府県に大型開発のための財源を吸い上げ、道州制の露払いとする大都市制度(「都構想」)の具体化に反対します。

2、地方交付税など財源を保障し、地域の活性化と福祉、教育の拡充をはかります

 道州制とも関係して、一部の地方交付税廃止論が先導役となって、地方交付税の見直しにかかわる議論が、ふたたびはじまっています。「地方が国に頼らず地域経営を」「国からの自立を」――小泉自公政権の新自由主義が吹き荒れるなかで、盛んに強調されてきた言葉です。

 地方交付税法第1条は、交付税の目的について、財政調整と財源保障の二つの機能をはたすことによって、「地方自治の本旨の実現に資するとともに、地方団体の独立性を強化する」と定めています。交付税制度のなりたちは、どの自治体にも標準的なサービスの財源を保障し、憲法第92条に定められた「地方自治の本旨」の実現の前提をととのえるというものであり、欧米にもない、すぐれたものです。

 この財政調整と財源保障の二つの機能のうち、国の財源保障を廃止するという議論は、日本経団連など財界が主張してきたものです。今日の地方交付税廃止論も、これと共通のもので、国からの「自立」を口実に、限られた財源の範囲での、自治体どうしの間での財政調整制度にしてしまおうというものです。最低限のサービスをおこなう財源すら保障されなくなり、その確保にこと欠く状況になれば、それぞれの自治体の独自の創意と努力を発揮する前提が崩れ、地方の衰退と疲弊がいっそうすすんでしまいます。

 地方交付税を廃止して自治体どうしで行う財政調整制度の財源に消費税をまわそうという、維新の会の主張は、サービス切り捨てのうえに消費税の大増税がふりかかるものです。

 地方の苦境をもたらした、小泉自公政権時代の地方交付税大幅削減や平成の大合併おしつけにたいする強い批判から、この間、きわめて不十分ながら一部の地方財源が復元され、自治体と住民の協力で、なんとか地域の再生をと、必死の努力がつづけられています。こうした地方の努力への支援を強めることこそ政府の責任です。

 日本共産党は、削減された地方交付税の回復をはかるとともに、地域の活性化と住民福祉の増進のために必要な財源を保障します。

 保育所や福祉施設の国の最低基準をなくし地方の条例にゆだねるという方向が、自公政権時代に打ち出されて、民主党政権で具体化がすすめられ、これまでも低い基準のさらなる低下をまねくものと福祉関係者や家族の不安をまねいています。国が責任をもつべき基準を後退させず、子育て、介護、医療、教育などへの国の負担を充実させます。

 公共事業の補助金については、地方の現状と要望をふまえて、運用の制度改善をはかるとともに、急がれる防災事業や自然エネルギーによる発電事業も含め、地域の仕事と活性化にもつながる分野に思い切って取り組めるよう、国の財政支援とその制度を強化します。

 (c)日本共産党中央委員会