政策

29.参議院改革・政治的民主主義

参議院の「一票の格差」を抜本是正し、民主主義が花ひらく社会をめざします

2010年6月19日 日本共産党

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 参議院の「一票の格差」を抜本的に是正します......09年9月、最高裁は、選挙区間の格差が最大4・86倍だった07年参院選挙をめぐる「一票の格差」訴訟で、「投票価値の平等の観点から大きな不平等があった」とし、国会が速やかに「適切な検討」をおこなうよう求めました。さらに、格差の大幅な縮小を図るためには「現行の選挙制度の仕組み自体の見直しが必要」と指摘しています。これは、憲法で保障された「選挙権の平等」からみて当然です。日本共産党は、2013年の選挙までに、民意を正確に反映させるためにも現行の選挙制度を見直し、「一票の格差」を抜本是正することが必要と考えます。

その際、参院の現行総定数(242人)削減に反対し、民意を正確に反映する比例代表制度を守ります。参院議員数は他国の第二院と比較しても、人口に対する議員比率からみても多すぎるということはありません。定数削減は、主権者である国民の声を国政に反映しにくくするものです。現行の全国一区の比例代表制は、実際の選挙でも得票率と獲得議席比率はほぼ同じです。比例代表制は、主権者である国民の意思と選択を議席の上に正確に反映させることのできる民主的な制度です。

民意が参議院の審議と運営に正しく反映されるためには、少数会派の意見が尊重されることが必要です。ところが、参院では、10人未満の会派を議会の交渉団体として認めず、議院運営委員が割り当てられていません。本会議質問も著しく制限する議会運営が続けられています。

日本共産党は、ただちに、以下の内容で改善をもとめてゆきます。

(1)10人未満会派にも、議院運営委員会の委員を割り当てること。

(2)重要法案などについては、小会派にも本会議質問の機会をふやすとともに、十分な質問時間を確保すること。

国会議員定数削減に反対し、国民主権にふさわしい民主的な選挙制度をめざします......09年8月の総選挙について、「1票の格差」があるとして、全国10カ所の高裁(1支部を含む)で提訴され、そのうち現在まで4つの高裁で「違憲」、3つの高裁で「違憲状態」との判決が下されました。衆参各選挙での格差是正にとりくむ課題は、基本的人権と民主主義の観点から、党派を超えた焦眉の課題となっているといわなければなりません。

 同時に、日本共産党は、衆院の選挙制度について、民意を乱暴にゆがめる小選挙区制をただちに廃止し、全国11のブロック別比例代表で選出できるようにすることを提案します。また、各党との協議の中で、かつての中選挙区制に戻すことについても検討に値すると考えます。

 ところが、自民・民主両党はもちろん、最近次つぎと誕生した新党は、「国会議員定数削減」を競い合っています。

国会議員定数についての各党の参院選にむけた主張

民主党

衆院比例定数を80削減、参院定数は40削減

自民党

国会議員定数を3年後に1割、6年後に3割削減

公明党

衆参それぞれ選挙制度を変えて、定数を削減

みんなの党

衆院180削減、参院142削減

新党改革

国会議員の定数を半減させる

たちあがれ日本

衆院80、参院42削減

日本創新党

国会議員や地方議員の定数を半減

 定数削減が強行された場合を2009年総選挙の結果にあてはめると、民主党と自民党の「2大政党」を中心とした勢力で95%前後の議席を独占してしまいます。そうなれば消費税増税反対、辺野古への米軍新基地押しつけ反対、憲法9条を守れなどの国民多数の声が国会から締め出され、暮らしや平和を破壊する政治が思うままにすすめられてしまいます。定数削減の真の狙いは、ここにあります。日本共産党は、国会議員定数の削減に反対し、主権者国民の意思を反映できる議員数を確保するよう主張します。

 衆参の国会議員は、80年代には、それぞれ512(衆院)、252(参院)の定数がありました。ところが、この20年のあいだに衆参ともに定数が削減され、現在では、衆院480(最高時からマイナス32議席)、参院242議席(同10議席)となっています。ただ定数が削減されただけでなく、前述のように選挙制度そのものが民意をゆがめる制度とされたために、国民の声が国会に届きにくくなりました。

 もともと日本の国会議員定数は、人口比で比較すれば、世界でも最下位の部類に属します。人口1000万人以上の国で、二院制がある国は、世界で41カ国となりますが、人口10万人あたりの国会議員数は、日本は下から9番目の33位です。G7(主要7カ国)で比較した場合でも、州議会が独立国家なみの権限をもつ連邦国家のアメリカをのぞけば、日本が最下位(人口10万人あたり0.38人)です。(イタリア1.07人、イギリス1.06人、フランス0.93人、ドイツ0.74人)

「むだの削減」というなら政党助成金の全廃を......定数削減を主張する政党は、その理由について、(1)国会議員も"痛み"を分かち合う必要がある、(2)ムダを削減するため――などと主張しています。しかし、これらは道理も根拠もないどころか、国民主権の原理からみても有害な議論でしかありません。真剣に"痛み"を分かち合い"ムダを削減する"というのであれば、なによりも年間320億円にもたっする政党助成金をきっぱり廃止することこそ求められています。かりに全額廃止することになれば、その影響は、現在の国会議員の6割に相当する450人を削減した分に相当します。

 政党助成制度は、もともと「政治とカネ」の黒い関係が次つぎと暴露されるもとで、「企業・団体献金の禁止」とセットで1994年に導入されたものでした。ところが、「政治とカネ」の黒い疑惑は、政権交代後も途切れることなく国政の大問題となりつづけてきました。片方の手で国民の税金である政党助成金をうけとりながら、もう一方の手で企業・団体献金を受けとり、さらに闇のカネまで手にしていることが明らかになっているのです。いまこそ、政党助成金を全廃するとともに、企業・団体献金の全面的な禁止が必要です。日本共産党は、政党助成金も企業・団体献金も廃止や禁止を主張しているだけでなく、それをうけとらないことをみずから実行しています。心ある政党なら、こうした行動は、いますぐにでも実行できるはずです。

 政党助成金制度が導入されて15年がたち、この間に各党が受け取った金額は、自民党2364億円、民主党1381億円、公明党375億円、社民党323億円にもなります(2010年予定額を含む)。この制度は、"企業・団体献金をなくす代わりに"などという口実で設けられたものですが、この約束は反故にされつづけ、いまや"企業・団体献金も、政党助成金も"のありさまです。

民主党の収入の8割、自民党の収入の6割が政党助成金でまかなわれています。自民党も民主党も「官から民へ」などといいますが、自分たちこそ税金を食いものにする"国営政党""官営政党"です。日本共産党は、国民の税金から政党が活動資金を分け取りすることは、その党を支持していない国民にも有無をいわせず"献金"を強制するものであり、「思想・信条の自由」や「政党支持の自由」に反する憲法違反の制度であると厳しく指摘し、受け取りを拒否してきました。政党助成金制度はきっぱり廃止します。

 一方で、永田町のなかでは、ひきつづき「世襲」が問題になっています。少なくない自民党や民主党の議員が「世襲」議員です。しかも、政治資金団体を世襲しても、税金をおさめる必要はいっさいありません。これも、多額の相続税を負担している国民からみれば政治家の異常な特権の1つというべきものです。日本共産党は、政治家の世襲に反対するとともに、最低限、政治資金団体の世襲については、世間並みかそれ以上の相続税を課すことを要求します。

公選法改正など、選挙活動の自由拡大を求めます......日本の公職選挙法は、「べからず選挙法」といわれるように、さまざまな規制が設けられています。これは政治的民主主義や国民の参政権の保障という点でも、重大な問題です。国政選挙に立候補する場合、供託金は比例代表で600万円、選挙区で300万円必要です。1回の選挙に立候補するのに、これだけの資金を融通できる一般国民がどれだけいるでしょうか。諸外国の供託金は、隣の韓国が180万円、欧米諸国は、ほとんど10万円前後です。日本共産党は供託金を大幅に引き下げることを求めます。

 また、戸別訪問の禁止をはじめ、選挙期間中のビラ、ポスターの配布規制、インターネットを使った選挙活動規制など「禁止・規制法」としての性格をもっている公職選挙法を改め、主権者である国民が気軽に多面的に選挙に参加できる制度に変えることを要求します。

 世界の8割以上の国で実施されている18歳選挙権の実現をめざします。

議会制民主主義の形がい化につながる「国会改革論」に反対します......民主党などは、「政治家同士の議論をおこなうために」などという口実のもとに、「国会改革」を強行しようとしています。その内容は、(1)内閣法制局長官をはじめとする官僚の国会答弁をいっさい禁止し、(2)国会審議とは別に行政官僚などの「意見聴取会」を設定する――などというものです。

 こうした議論は、国会の機能を否定し、議会制民主主義を形がい化するものでしかありません。第1に、予算の策定や法律の制定、条約の承認などとともに、行政を監督するという国会の権能を事実上、否定することになるということです。国の行政が法律にもとづいて中立・公正に運営されているかどうか、執行状況に問題点がないかなどは、国会審議を通じて国民の前に明らかにされます。行政監督権を立法作業から切り離してしまえば、法律そのものの制定にも重大な支障をきたすことになりかねません。

 第2に、なによりも重大なのは、法制局長官を国会答弁にたたせないことによって、国連などの「国際機関」や「国際社会」の要請があれば、日本の自衛隊も武力行使に参加できるという民主党流の解釈改憲を現実のものにしようという思惑があります。

 「国会改革」というなら、いま早急に必要なのは、衆参いずれかの院で10議席以上なければ党首討論ができないというような、少数政党を不当に国会審議の場から排除したり、発言の機会を少なくしたりしている規定を抜本的にあらためることです。

 (c)日本共産党中央委員会