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日本共産党

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赤旗


衆院本会議 志位委員長の代表質問から

母子家庭・一人親家庭の実態 貧困の実態を調査し、打開する抜本的な対策を

2007年1月30日


 日本共産党の志位和夫委員長は1月30日の衆院代表質問で、貧困と格差の問題を正面に掲げ、建設的な提言も示し安倍首相の姿勢をただしました。そのなかで主に母子家庭・一人親家庭、シングルマザーの実態にふれた部分について紹介します。

貧困と格差の広がりについての現状認識を問う

 日本共産党を代表して、安倍総理と関係大臣に質問します。

 まず暮らしの問題です。私が、総理の施政方針演説を聞いて驚いたのは、四十分におよぶ演説のなかに、「貧困」という言葉も、「格差」という言葉も、一言もなかったことです。総理は、国民の多くが不安に感じている貧困と格差の広がりという問題の実態を、どう認識しているのか、まずうかがいたいのはこの問題です。

 この間、NHKテレビが、「ワーキングプア」――働く貧困層についての特集番組を放映しました。どんなに働いても生活保護水準以下の暮らししかできない人たちが広がり、日本の全世帯の十分の一、四百万世帯以上ともいわれています。

 たとえば、母子家庭・一人親家庭は、百四十万世帯をこえて急増し、その約六割が、国際的な貧困水準以下の暮らしです。番組で紹介された二人の小学生の子どもを育てながら働いている三十一歳のお母さんは、昼と夜、二つのパートをかけもちし、仕事を終えて家に帰るのは真夜中の二時、睡眠時間は四時間から五時間という、働きづめの生活をしいられています。このお母さんは、「あと十年がんばれば、自分の体がぼろぼろになっても、子どもたちは巣立つと思う」といいました。総理、シングルマザーが、わが身を犠牲にしなければ子どもが育てられない社会が、まともな社会といえるでしょうか。

 また、国民健康保険料が高すぎて払えず、保険証をとりあげられ、「資格証明書」におきかえられた世帯が急増し、三十二万世帯をこえています。朝日新聞の報道によれば、保険証とりあげで、医者にいくのを我慢した末、手遅れで死亡した痛ましい例が、この数年で少なくとも二十一件にのぼっています。

 「資格証明書」では、病院の窓口で、いったん十割全額の医療費を払わなければなりません。経済的困窮から保険料を払いたくても払えない人に、病院窓口で十割全額負担を求める。総理、国が号令をかけてすすめている保険証とりあげは、経済的に弱い人にも必要な医療を保障するという国民健康保険の目的に、まっこうから反するものだと考えませんか。

 総理に基本認識をうかがいたい。いまや貧困は、国民の一部の問題ではなく、病気、失業、老いなどの身近な出来事がきっかけで、国民だれにもおこりうる問題になっているという認識はありますか。いったん貧困に落ち込んだら、多くの場合はどんなに努力しても、そこから容易には抜け出せない現状となっているという認識はありますか。

 さらに、「ワーキングプア」について、政府は実態の調査さえおこなっていません。これでは「再チャレンジ」といっても、まともな対策はできないのではないでしょうか。政府として、国民すべてに「健康で文化的な生活」を保障した憲法二五条の立場にたって、貧困の実態を調査し、それを打開する抜本的な対策をたてるべきではありませんか。答弁を求めます。

 憲法で保障された基本的人権とのかかわりでも、柳沢厚生労働大臣が、「女性は子どもを産む機械」と発言したことは、きわめて重大です。これは、女性の人間としての人格と尊厳を否定する絶対に許すことのできない最低・最悪の発言です。「厳重注意」でことをすませられるような問題ではありません。わが党は、柳沢大臣の罷免を要求するものです。総理の答弁を求めます。



 

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