各分野の政策(2004年)

参議院選挙にのぞむ日本共産党の各分野の政策

11、競争と管理の教育から、子どもの発達と成長を中心にすえた教育に

2004年6月2日


 いじめや不登校、学級崩壊など、学校教育の現状はひきつづき深刻です。この要因はさまざまですが、その根底には、いきすぎた競争と管理による教育のゆがみがあります。

 小泉内閣は、義務教育の水準を維持するための義務教育国庫負担金制度の廃止をねらうなど、教育にたいする国の責任をおおきく後退させようとしています。

 日本共産党は、この方向に歯止めをかけ、教育基本法と子どもの権利条約を生かし、子どもの現状にかみあい、子どもの発達と成長を中心にすえる、教育の抜本改革をすすめます。

すべての子どもの基礎的学力を保障し、人間形成を助ける学校に

 学んで楽しい学校に……すべての子どもに基礎学力を保障することは、学校教育の重要な責務です。ところが、文部科 学省は、学習指導要領を「とにかく内容を3割減らせ」といっそう系統性を失わせ、「このまま教えても基礎学力がつくかどうか心配」という中身にしてしまい ました。学習指導要領をただちに見直し、学習における基礎・基本の内容についての国民的な合意形成の場を設けます。非合理的な教育内容の押し付け、「習熟 度別学習」や評価方法の機械的押し付けをやめ、学校の判断で、子どもたちにあった学習ができるようにします。

 子どもの人間形成を助ける学校に……人のいのちを大切にするなどの市民道徳の形成には、学校生活のあらゆる場面 で、子どもが人間として大切にされることが何より大切です。そのため、教育基本法や子どもの権利条約の精神を学校に生かします。「心のノート」など特定の 道徳観の押しつけに反対します。

 教職員の力量の発揮と向上を重視する……長時間労働や管理統制の強まりのもとで、6割の教員が「教師をやめたくな るほど忙しいと感じる」とするなど、教員の困難は放置できない状況です。教員が専門家としての力量を発揮・向上できる環境を整備します。勤務、研修、問題 をかかえた教員の改善などの公正なルールを確立します。教員の目を子どもでなく管理職に向けさせる行政による一方的で恣意的な教員評価に反対します。

政治の仕事の中心を条件整備にきりかえ、遅れた教育条件を欧米並みに引き上げる

 教育に対する政治の第一の責任は条件整備です。ところが、日本の国・地方の教育予算の水準は欧米に比べて7割の低さです。そのため、欧米では 1学級30人以下なのに日本は40人学級、ヨーロッパでは幼稚園から大学まで無料の国が多いのに日本は法外な父母負担、などとなっています。日本共産党は 次のように、教育条件の本格的な向上にとりくみます。

 「30人学級」、私学助成増額など教育条件の整備……国の責任で「30人学級」にふみだします。私学助成の削減をやめさせ、2 分の1助成の早期実現など拡充の方向にきりかえます。公立学校施設費を増額し、耐震化などをすすめます。安全でおいしい学校給食のための条件整備をすすめ ます。学校図書館への専任の人の配置、図書費増額など図書館の拡充をすすめ、指定管理者制度による民間委託に反対します。子どもの教育や住民のコミュニ ティーを無視した、学校の一方的統廃合に反対します。夜間中学を国の責任で増設します。

 教育費の私費負担を軽くする……長引く不況の中、「家計が苦しく泣く泣く高校中退」など実態は深刻 です。私費負担軽減へ教育扶助・就学援助の国庫負担を実態にみあうよう引き上げます。また給食費や修学旅行などの父母負担の軽減措置をとります。高校や大 学の学費の値上げを抑えます。家計急変などの場合の、授業料免除や教育資金の無利子貸し付けなどの制度を拡充します。

 障害児教育など「特別支援教育」の拡充……障害児教育の予算をふやし、比較的重い障害の子ども、LD(学習障害)などの「軽度発達障害」の子どもら、双方への教育を手厚くします。障害児学級の廃止などを許さず、障害児学校、普通学校の条件整備を進めます。

 生活圏内に子ども・青年の居場所を……学校完全5日制のもとで「地域に子どもたちの安全な居場所がほしい」という要求が切実になってきました。自然空間、児童館、中高生のたまり場、障害のある子どもの居場所をつくります。

国の教育への不当な介入をやめさせ、父母、子ども、教職員、住民が中心の教育改革にきりかえる

 自民党政治は、教育にお金をださずに、「改革」と称して教育の中身に口をだすことばかり熱中してきました。その結果、教育はよくなるどころか 様々な矛盾がうまれています。文部科学省の研究所員の調査では、九十数パーセントの校長や教員が「政府の教育改革は現場の実態とかみあっていない」と回答 しています。日本共産党は、父母、子ども、教職員、住民が中心の「地域発、学校発の教育改革」にきりかえます。こうしたなかで、基礎的な学力の保障や市民 的道徳の教育、競争と管理の教育の改革などをすすめます。

 学校運営への父母、子ども、教職員、住民の参加をすすめる……子ども、父母、教職員、住民の学校参加のしくみをつくり、みんな の力で学校をよくしていけるようにします。学校評議員制度、「地域運営学校」は、その立場から見直し、改善します。「学区自由化」は、地域での子どもの成 長を困難にし、学校統廃合などをひきおこしています。「学区自由化」の押しつけに反対します。

 教育委員会を、住民に開かれた、民主的な機関にする……不合理な教育方法や評価方法の押しつけ、現 場無視の「特色ある学校づくり」など教育委員会の「指導・命令」が、学校や教員のやる気をうばい、かえって教育の質を低下させている場合が増えています。 不当な学校介入を是正し、委員の民主的な選出、会議の公開、住民や学校現場の意思を反映させるしくみなど、教育委員会の改革をすすめます。

 「君が代・日の丸」の押し付けを許さない国民的合意を……国旗・国歌は、国が公的な場で「国の象 徴」として公式に用いることはできても、国民への強制は許されないというのが、民主主義のルールです。しかし、政府は「教育は別」として学校だけ強制をし てきました。東京では、「子どもが歌わなかったら教員を処分する」ところまで強制がエスカレートしています。民主主義と教育をこわす、強制をやめさせま す。

教育基本法の改悪に反対して、基本法を教育に生かす方向にきりかえる

 政府・自民党は、今日の教育の荒廃の原因を教育基本法におしつけ、その改悪の策動を強めています。しかし、これに は根拠も道理もありません。反対に、政府・自民党が長年にわたって、「人格の完成」を教育の目的とする、国家権力による「不当な支配」を許さないなどの、 教育基本法に明記された理念と原則を踏みにじってきたことが、教育の荒廃をつくりだしたのではないでしょうか。日本共産党は、教育基本法改悪のたくらみを やめさせ、基本法を教育に生かすようにします。「日本の戦争は正しかった」と子どもに教える、憲法の精神を踏みにじる教科書の押しつけに反対します。

 (c)日本共産党中央委員会