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日本共産党

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赤旗

2004参院選政策 各分野の政策

8、被災者への援を充実させ、災害の備えを優先した国づくりをめざす

2004年6月2日


 災害を未然に防止し被害を最小限に食い止めるのは、政治の重大な課題です。被災者の住宅再建にかかわる支援制度が 創設されましたが、肝心の住宅本体の改修・建築費用は対象外です。政府は「私有財産(個人の住宅)に支援できない」といいますが法的に禁止の根拠はありま せん。実際、鳥取県では、地震で被災した住宅再建への個人補償を行っており、政府がやる気になればすぐに実現できます。日本共産党は、住宅の耐震補強や再 建支援、観測監視体制や事前の防災対策、発災時の救援体制、被災者支援を柱にした災害対策を強化していきます。

「地震防災対策」を総点検し、耐震性を強化する

阪神・淡路大震災を教訓に、事実上、東海地震や首都圏など特定地域中心に考えられてきた地震防災対策を、全国で強化していくことが必要です。

各都道府県が地震防災対策として進めている5カ年計画の施設整備計画が地域の実情にあっているかどうか点検すると ともに、とくに避難所として計画されている学校の体育館などの耐震化を急ぐため、国の財政支援を強化します。個人住宅や宅地・よう壁・塀などの耐震補強工 事はまったなしです。技術面や財政面をふくめ国の支援を強化します。

開発優先から防災重視、住民参加のまちづくりに転換する

 まちづくりそのものを、開発優先から、防災を重視した住民参加型に転換します。開発や土地利用の変更にあたって、 災害に対してどのような影響があるかを事前にチェックする防災アセスを導入します。この間起きた九州や北海道の水害では、森林の荒廃が大量の流木をひきお こし、被害を増幅しています。間伐や風倒木撤去の徹底、作業用林道の回復措置など、国有林をはじめ、国土保全に役立つ山づくりをすすめます。また、治水・ 砂防ダムのあり方を見直すとともに、がけ崩れ対策や老朽化したため池の補修などを急ぎます。

消防力を強化し、測候所の廃止・無人化を見直す

 災害発生時に現場でただちに救援活動ができるのは、地域にあって地域の防災状況をもっとも把握している消防機関で す。地域での救援活動に必要な消防力の強化を図ります。測候所は無人化や廃止による合理化一辺倒でなく、専門的知識をもった地域の“防災センター”として の役割を果たせるようにすべきです。避難勧告・指示の発動に際して専門家をふくむ支援体制の強化や機器の整備など、住民が安全に避難できるための情報伝達 体制の整備をすすめます。

被災者への支援を「復興意欲」をもてる水準に引き上げる

 災害発生後、被災者の住まいと生活を一刻も早く再建することは、地域経済の再建や地域の復興自体をいち早く可能に する道です。ことし改正された被災者生活再建支援法は、損壊住宅の撤去費用の一定部分を支援するなど個人補償に一歩踏み込んだものですが、支給の条件がき びしくそもそも実態にそぐわないなどの問題があり、見直しが必要です。

 日本共産党はすでに、国の責任で被災者の最低限の生活基盤回復をおこない、すべての被災者の自立(再建)を支援す ることを目的として、被災者生活再建支援法の改正案(「くらし復興支援立法案」)を提案しています。(1)当面の生活の維持への支援とともに、住まいの再 建を支援対象とし、被災者の災害復興の意欲を奮い起こす(災害対策基本法97条)という観点にふさわしい金額を勘案しつつ、1千万円を上限に支給す る、(2)生活の基盤をなす中小業者の事業等の再建も支援対象とする、(3)三宅島噴火災害のような長期の避難生活という事態にも対応できるようにする、 (4)被災者の自立にとって大きな障害となっている既存ローンの負担を軽減する、(5)従来の支援策を見直すきっかけとなり、現に支援が求められている阪 神・淡路大震災被災者をはじめ、この間に発生した災害被災者に対しても支援措置を講じる──などを柱にした被災者支援の改善をはかります。

経営を維持できる農業災害対策を充実する

 災害による農林漁業被害に対する支援策も大切です。早期復旧や農漁業経営を維持していくためにも、つなぎ融資の実施や被災者の負担を軽減するために必要な国などの支援を強めます。共済制度の早期支払いの実施や、果樹など加入しやすい制度に改善します。


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