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日本共産党

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赤旗


全国都道府県委員長・地区委員長会議
志位委員長の報告

2019年1月15日

 

 全国からお集まりの同志のみなさん、インターネット中継をご覧の全国のみなさん、おはようございます。

 都道府県委員長と地区委員長のみなさんの日夜を分かたぬ奮闘に、私はまず、心からの敬意と連帯のあいさつを送ります。

 私は、常任幹部会を代表して、会議への報告を行います。

 都道府県委員長と地区委員長が一堂に会する会議は、2007年以来、12年ぶりとなります。この会議の目的は次の2点としたいと思います。

 第一は、目前に迫った統一地方選挙、引き続く参議院選挙――歴史的な連続選挙での勝利にむけた意思統一を行うことであります。

 第二に、第27回党大会決定で開催を確認した「『支部が主役』の党づくりを学びあう『組織活動の全国交流会』」としてもこの会議を位置づけ、成功させたいと思います。政党間の最も激しいたたかいが行われる選挙戦のなかでこそ、法則的な党活動を前進させるよう、中央と地方がお互いに学びあう会議にしていきたいと思います。

 報告は、党大会決定、5中総決定、「党旗びらき」のあいさつ、「しんぶん赤旗」の新春インタビューなどを前提として、重点的に行います。

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一、統一地方選挙と参議院選挙の歴史的意義

 まず統一地方選挙と参議院選挙の歴史的意義についてのべます。

新しい軍国主義とファシズムへの歴史逆行を許してはならない

 今年の連続選挙は、日本の命運を分けるたたかいになります。

 安倍政権の強権政治、ウソと隠蔽(いんぺい)の政治がいよいよ極まっています。国会を愚弄(ぐろう)する強行採決が常態化し、沖縄に対する常軌を逸した強権政治が続いています。公文書の改ざん、データのねつ造、統計の偽装など、ウソと隠蔽の政治が横行しています。これは安倍政権の強さの表れでは決してありません。強権とウソでしかこの国を統治できない。それはこの政権の破たんの証明にほかなりません。

 同時に、この暴走を許すなら、日本の政治と社会に取り返しのつかない災いをもたらすことになることを強く警告しなくてはなりません。

 安倍首相の最大の野望は、憲法9条を改定し、日本を「戦争する国」へと改造することにあります。それは、新しい軍国主義とファシズムへの国家改造の野望にほかなりません。歴史逆行のこの暴走を絶対に許してはなりません。

日本の命運がかかった一大政治戦――“安倍政治サヨナラ選挙”に

 強権とウソの政治を支えているものは何か。それは、安倍・自公政権が、衆参ともに3分の2以上を占めるという、国会での「数の力」によってのみ支えられています。主権者・国民の審判で、「3分の2」体制を崩し、さらに少数に追い落とし、日本に民主政治を取り戻すことがまさに急務となっています。

 参議院選挙は、野党にとってチャンスの選挙になります。全国32の1人区での「本気の共闘」が実現すれば、力関係の大変動を起こすことは可能です。わが党は共闘を実現し、勝利をかちとるために、とことん力をつくす決意であります。同時に、「比例を軸」に日本共産党の躍進をかちとることが、大変動を起こすもう一つのカギになります。

 全国の同志のみなさん。日本の命運がかかったこの一大政治戦を、元気いっぱいたたかいぬき、“安倍政治サヨナラ選挙”にしていこうではありませんか。市民と野党の共闘の勝利、日本共産党の躍進で、安倍政権を退陣に追い込み、野党連合政権にむけた第一歩を踏み出す選挙にしていこうではありませんか。

 参議院選挙に先立って行われる統一地方選挙は、「住民福祉の機関」という自治体本来の役割を取り戻すとともに、安倍・自公政権に地方から審判を下す選挙になります。日本共産党の前進・躍進は、それぞれの自治体で福祉と暮らしを守るかけがえないよりどころを大きくするとともに、参議院選挙での共産党躍進にとって決定的に重要となります。それはまた参院選での共闘を成功させる最大の力ともなります。

 歴史的な連続選挙での勝利にむけ、心一つに大奮闘する決意を、まずみんなで固めあいたいと思います。

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二、国政の熱い焦点と、日本共産党の立場  

 次に国政の熱い焦点と、日本共産党の立場について、報告します。

 私は、「党旗びらき」のあいさつで、2019年のたたかいの四つの争点を提起しました。積極的に受け止められ、全国どこでも新たなたたかいに踏み出しています。

 四つの争点のどれをとっても、安倍政治は、深刻な矛盾が噴き出し、破たんに陥っていることが特徴であります。矛盾と破たんの焦点をしっかりとつかみ、攻めに攻める論戦とたたかいにとりくむことを訴えたいと思います。

消費税10%への大増税――「異議あり」の声が広がり「火だるま」状態に

 第一は、消費税10%への大増税を中止し、暮らし第一で経済をたてなおす改革を求めるたたかいです。

 いまの特徴は、消費税に賛成という人も含め、「今度の10%増税には異議あり」という声が大きく広がり、増税がいわば「火だるま」状態になっていることにあります。

 「こんな経済情勢で増税を強行していいのか」という危惧、批判が広がっています。5年前の8%への消費税増税を契機にした深刻な消費不況、昨年12月に発表された7~9月期のGDPの大幅な落ち込み、「米中貿易戦争」をはじめ世界経済を覆う暗雲など、日本経済は深刻な危機に直面しています。

 日本銀行が9日発表した「生活意識に関するアンケート」(昨年12月調査)では、1年後の景気が今よりも「悪くなる」と答えた人の割合は39・8%となり、「良くなる」の7・8%を大きく引き離し、安倍政権になって最悪となりました。多くの経営者から、今年の景気見通しについて、お天気にたとえて、「激しく曇り」「台風」「ひょう」「逆風」などの悲観的な見方が広がっています。

 こうしたもとで、「増税は必要」という立場の学者や経済人からも「いま増税を強行すれば日本経済を破壊する」との警告の声が次々にあがっています。

 にもかかわらず安倍首相は、年頭所感で「景気回復の温かい風が全国津々浦々に届き始めた」とのべました。いったいこの日本のどこに「温かい風」が吹いているというのでしょうか。安倍首相の頭の中にだけ吹いているとしか言いようがありません。日本経済の実態とも、多くの国民の実感ともまったくかけ離れた驚きの経済認識というほかないではありませんか。これ一つをとっても、安倍首相に日本経済のかじ取りを担う資格なし、といわなければなりません。

 さらに、安倍政権の消費税増税に対する「景気対策」なるものが、異常で奇々怪々なものとなったことへの強い批判が広がっています。とくに「ポイント還元」は、複数税率とセットになることで、買う商品、買う場所、買い方によって、税率が5段階にもなり、混乱、負担、不公平をもたらすとして怨嗟(えんさ)の的となっており、日本スーパーマーケット協会など3団体が見直しを求める異例の意見書を政府に提出しました。複数税率にともなう「インボイス」導入に、日本商工会議所など中小企業団体がこぞって反対しています。

 まさに10%増税は「火だるま」状態です。連続選挙で安倍自公政権を大敗に追い込めば、10%を止める道が開かれます。「10月からの10%は中止せよ」の一点で大同団結し、世論と運動を広げに広げようではありませんか。「増税するならまず大企業と富裕層から」――日本共産党が提唱している「消費税に頼らない別の道」を大いに語ろうではありませんか。

「戦争する国づくり」を許さない――大軍拡、安倍9条改憲の矛盾と致命的弱点

 第二は、「戦争をする国づくり」を許さないたたかいです。

 異常な大軍拡の是非が国政の大争点になっています。「専守防衛」という建前すら投げ捨てた空母や長距離巡航ミサイルの導入。トランプ大統領言いなりでの「浪費的爆買い」。あまりの道理のなさに自衛隊関係者からも批判の声が広がっています。

 安倍内閣は、トランプ大統領の言うままに、ステルス戦闘機・F35を147機も大量購入する方針を決めましたが、これにかかる経費は、政府が公表した資料で計算しても運用の費用も含め総額6・2兆円にもなり、どこまで膨らむかわかりません。大軍拡への暴走が、国民の暮らしを押しつぶそうとしています。「軍事費を削って、福祉と暮らしに使え」を合言葉に、論戦とたたかいにとりくもうではありませんか。

 昨年の国会で、憲法審査会を動かして改憲の発議をしようという安倍首相の野望を、水際で撃退したことは大きな成果でした。しかし、首相は、今年も年頭から改憲への執念を語っています。安倍首相による憲法9条改定の野望を許さないたたかいは、引き続き国政の最大の争点となっています。

 安倍首相の改憲策動の最大の矛盾は、首相が自ら改憲の旗振りをすること自体が、憲法99条の憲法尊重・擁護義務に反し、立憲主義に反する暴挙となっているということにあります。首相が旗を振れば憲法違反になる、首相が旗を振らなければ進まない、ここに致命的な矛盾があります。朝日新聞は10日付の社説で、昨年の憲法をめぐる動きを振り返って、「憲法に縛られる側の権力者が自ら改憲の旗を振るという『上からの改憲』が、いかに無理筋であるかを証明した」とのべました。憲法と立憲主義に反する「無理筋」を進めようとしていることに、首相の策動の最大の矛盾があり、致命的な弱点があるのであります。

 この矛盾・弱点を徹底的に突き、「憲法をないがしろにする首相に、憲法を変える資格なし」という立場で結束してたたかおうではありませんか。そのなかで「海外での無制限の武力行使」という9条改憲の真の狙いを広く明らかにしていきたいと思います。草の根からのたたかいと連続選挙での審判で、今年を、安倍9条改憲を安倍政権もろとも葬り去る年にしていこうではありませんか。

沖縄への連帯のたたかいの発展を――追い詰められているのは安倍政権の側

 第三は、沖縄への連帯のたたかいをさらに発展させることです。

 辺野古新基地建設をめぐるたたかいで大切なことは、大局でみて、追い詰められているのは安倍政権の側だということに深い確信をもつことです。

 何よりも昨年9月の県知事選挙で玉城デニー知事の圧勝をかちとったことは、今後のたたかいの巨大な土台をつくるものとなりました。

 安倍政権は、無法な土砂投入を開始しましたが、政府の側には工事をやりとげる展望はまったくありません。大浦湾側にはマヨネーズ状の超軟弱地盤などが存在し、防衛省の担当者も「護岸工事を着手できる見込みがない」と認めています。

 土砂投入を契機に、沖縄県民の怒りが沸騰し、県民の怒りがあふれるように全国に、世界に広がっています。アメリカのホワイトハウスに寄せられた辺野古埋め立て中止を求める署名は、タレントのローラさんや、イギリスのロックバンド「クイーン」のブライアン・メイさんなど、国内外の著名人が協力を呼びかけたことも話題となり、この1カ月で、またたくまに10万をこえ、20万をこえました。民主主義も地方自治も自然環境も破壊して恥じるところのない安倍政治の異常さが、世界からも指弾されているのであります。

 安倍首相が、1月6日に放映されたNHK党首インタビューで、「土砂投入に当たって、あそこのサンゴは移植している」とすぐにわかるウソを平然とのべたことに強い批判が集中しています。沖縄県民が怒りを募らせているのは、民意を無視した暴挙を行いながら、安倍首相が「県民の皆さまの心に寄り添う」と繰り返していることです。何という厚顔無恥でしょうか。この問題でも、安倍首相を一刻も早く辞めさせることが、問題解決への道であります。

 2月24日に行われる県民投票を、妨害をはねのけて大成功させようではありませんか。4月21日の衆院沖縄3区補選で必ず勝利をかちとりましょう。米軍基地問題は全国の自治体でも切実な問題となっています。全国で連帯のたたかいをさらに大きく発展させることを心から呼びかけるものであります。

「原発ゼロの日本」を――国際的にも国内的にも原発はビジネスとして成り立たない

 第四は、「原発ゼロの日本」をめざすたたかいを発展させることです。

 安倍政権の原発推進政策が大破たんに陥っています。安倍首相が「成長戦略」の目玉に位置づけトップセールスを展開してきた「原発輸出」が総崩れに陥ったのはその象徴であります。それは、「安全対策」のためのコスト急騰などで、原発はもはやビジネスとしても成り立たなくなったことを劇的に示すものとなりました。

 国内ではどうか。昨年の臨時国会で行われた原子力損害賠償法の改定で、事故の賠償に備えて義務づけられた民間保険会社などによる保険金額が、原発ごとに最大1200億円に据え置いたままとされたことが大きな問題となっています。東京電力福島第1原発事故の約8・6兆円におよぶ賠償額の深刻さを反映した増額が行われなかったのです。なぜか。民間保険会社が「増額を引き受けるのは困難」と拒否したためであります。すなわち、民間では原発事故のリスクを負いきれない。手におえない。国民に負担を付け回しするしかない。このこと自体が、原発の「ビジネス失格」を示すものではありませんか。

 国際的にも、国内的にも、もはやビジネスとしても成り立たなくなった原発に、なおも「コストが安い」とウソをついてしがみつくのか。このことが厳しく問われています。この期におよんで原発にしがみつく安倍自公政権に連続選挙で厳しい審判を下し、「原発ゼロの日本」、「再生エネルギーへの大転換」を実現しようではありませんか。

破綻の根本に自民党政治の二つのゆがみ――党綱領の立場が大きな生命力を発揮

 四つの争点のどれをとっても安倍政治は大破たんに陥っています。

 破たんの根本には、「異常なアメリカ言いなり」「財界・大企業中心」という二つのゆがみをもった自民党政治が、深刻な行き詰まりに直面しているという大問題が横たわっています。このゆがみを根本からただし、「国民が主人公」の日本への改革をめざす日本共産党の綱領が、大きな生命力を発揮しています。

 そしてこの綱領の立場があるから、日本共産党はどんな問題でも、ブレずに対決を貫き、解決の展望を示すことができるのであります。

 全国の同志のみなさん。直面する問題で一致点にもとづく共同のたたかいを発展させる先頭に立ちながら、党綱領の示す日本改革の展望を大いに語り広げ、党の積極的支持者を大いに増やし、連続選挙での日本共産党の躍進をかちとろうではありませんか。

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三、二つの外交問題――日本共産党の先駆性が際立つ

 次に、この間、大きな焦点となっている二つの外交問題について報告します。

日ロ領土問題――戦後処理の不公正にメスを入れる立場でこそ道が開かれる

 一つは、日ロ領土問題についてです。

 安倍首相は、昨年11月、ロシアのプーチン大統領との会談で、「日ソ共同宣言を基礎に平和条約交渉を加速させる」ことで合意するとともに、自らの任期中に日ロ領土問題に「終止符を打つ」と繰り返しています。期限をくぎって「終止符を打つ」としているのです。安倍首相は、交渉にのぞむ方針をそれ以上説明していませんが、安倍首相の方針は明らかです。

 日ロ領土交渉に関わってきた元外務省高官は、「安倍首相の方針を歯舞、色丹の『2島先行返還』と見るむきがあるが『2島先行』ではない、『2島で決着』が首相の方針だ」と指摘しています。その通りだと思います。歯舞・色丹の2島返還だけで平和条約を締結して領土問題を終わりにしてしまい、国後・択捉などそれ以上の領土要求を放棄する。安倍首相の方針は、そういうものにならざるをえません。

 これは、歴代自民党政府の方針すら自己否定し、ロシア側の主張に全面屈服するものです。領土は安倍首相の私物ではありません。このような“売国外交”は絶対に許されるものではありません。

 安倍首相は「70年間、領土問題が動かなかった」ことを強調しますが、日本政府は、国際的道理に立った領土交渉を、戦後ただの一回もやっていません。

 日ロ領土問題の根本には、1945年のヤルタ協定で、ソ連のスターリンの求めに応じて米英ソが「千島列島の引き渡し」を取り決め、それに拘束されて51年のサンフランシスコ平和条約で日本政府が千島列島を放棄したという問題があります。これは「領土不拡大」という第2次世界大戦の戦後処理の大原則に背く不公正な取り決めでした。日本共産党が主張しているように、この不公正にメスを入れ、全千島の返還を正面から求める道理ある立場に立ってこそ、解決の道は開かれるのであります。

 そのことは、いまプーチン大統領が「南クリルは、第2次世界大戦の結果、ロシア連邦に帰属しているのであり、そのことをまず認めるべきだ」と日本に迫っているもとで、いよいよ重要になっていることを、強調しておきたいと思います。

北東アジアの平和構築、朝鮮半島からの徴用工問題について

 いま一つは、北東アジアの平和構築の問題についてであります。

 昨年行われた史上初の米朝首脳会談、3回にわたる南北首脳会談によって、朝鮮半島では戦争の危険が遠のき、平和への大転換が起こりました。

 この間の米朝交渉には停滞も見られますが、年末・年始の動きで、米朝双方から第2回米朝首脳会談による事態打開の意思が示されたこと、南北双方から首脳間の往来を頻繁に行い平和プロセスを進展させる意思が示されたことは注目されます。米朝、南北が、困難をのりこえ、歴史的合意を具体化・履行することを強く求めます。

 こうした新しい情勢の進展のもと、日本共産党の「北東アジア平和協力構想」は、この「構想」を提唱した第26回党大会から5年をへて、その今日的意義がいっそう浮き彫りになっています。そのさい、わが党の「構想」でものべたように、北東アジアに真の平和と友好の関係を築くためには、日本が過去の歴史問題に誠実な態度をとることが不可欠の土台となることを強調しなくてはなりません。

 こうした立場から、わが党は、朝鮮半島からの徴用工問題について、第一に、この問題の本質は、植民地支配と結びついた人権侵害ということにあり、植民地支配への反省にたって被害者の名誉と尊厳が回復されるよう日韓がともに努力することが重要であること。第二に、そのさい、被害者個人の請求権が消滅していないという点では日韓両国政府は一致しており、この一致点を大切にして、前向きな解決が得られるよう日韓の冷静な話し合いが大切であることを表明してきました。

 私は、この立場を、昨年12月14日、日韓議員連盟の一員として韓国・青瓦台(大統領府)で文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談したさいにも表明しましたが、そこでの話し合いを通じても、この方向にこそ解決にむけた道理ある道があることが明らかになったということを報告しておきたいと思います。

 日本共産党は、過去の侵略戦争と植民地支配に命がけで反対を貫いた唯一の政党であります。そして本当の愛国者とは、自国の誤った歴史に正面から向き合い、その教訓を未来に生かすことのできる者だということが、私たちの確信であります。そうした立場に立って、アジア諸国との本当の友好の関係を築くために、引き続き知恵と力をつくす決意を表明するものです。

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四、連続選挙をいかにたたかうか――「二つの構えを一体的に貫く」

 次に、12年ぶりの連続選挙――統一地方選挙と参議院選挙をどういう構えでたたかうかについて報告します。

 私は、「党旗びらき」で、5中総決定で確認した「二つの構えを一体的に貫く」ことを肝に銘じて奮闘することを訴えましたが、そのことの重要性を重ねて強調しておきたいと思います。

統一地方選挙――「きびしさ」を直視しつつ「チャンス」を攻勢的かつ手堅く生かす

 第一は、目前に迫った統一地方選挙という関門をまず突破する――ここで日本共産党の前進・躍進をかちとることを前面にすえ、勝利にむけてやるべきことをやりぬくことであります。そのさい、次の二つの面を握ってたたかいます。

 一つは、現有議席の確保自体が容易ならざる課題だということです。4年前の統一地方選挙は、2014年12月の総選挙でわが党が606万票、21議席に大躍進した直後のたたかいでした。今回は、17年10月の総選挙で獲得した440万票をベースにして850万票の目標に向けてどれだけ伸ばせるかのたたかいとなります。現有議席も既得の陣地ではないことを肝に銘じてたたかいたいと思います。現有議席を絶対確保すること、新たな空白議会をつくらないこと――この二つを最優先にすえるとともに、新たな議席増に攻勢的かつ手堅く挑戦する、こういう構えでたたかいにのぞみます。

 いま一つは、前進・躍進のチャンスはあるということです。安倍政治に対するもっとも強烈な対決者として、市民と野党の共闘の一貫した推進者として、“ブレない党”に対する期待が広がっています。「オール与党」議会のもとでの共産党地方議員団のかけがえのない役割がきわだっています。県議空白を克服した議会では空気が一変しています。「党旗びらき」で紹介したように、総選挙後の中間地方選挙で、わが党は議席占有率を伸ばす健闘の結果を出しています。たたかいいかんで、わが党の「のびしろ」は全国どこでも存在します。

 全国の同志のみなさん。「きびしさ」を直視しつつ、「チャンス」を攻勢的かつ手堅く生かす――こうした立場を揺るがず貫いて、統一地方選挙での前進・躍進を何としてもかちとろうではありませんか。

「比例を軸」に参院選躍進を一貫して追求――四つの「試金石」で自己検討を

 第二は、「参議院選挙は統一地方選挙が終わってから」という「段階論」に絶対に陥ることなく、「比例を軸」にすえた参院選での躍進を一貫して追求することです。

 私は、5中総の結語で、「『段階論』に陥らず、『比例が軸』にすわっているかどうかは、ただ言葉のうえで『比例を軸』ということを繰り返すだけではなく、実際の活動で試される」として、次の4点をいわば「試金石」として、たえず自己点検しながら選挙戦にとりくむことを訴えました。そのことにあらためて注意を向けていただきたいと思います。

 一つは、「すべての支部・グループ、党機関で、得票目標を『850万票、15%以上』で一本化し、それを達成することをあらゆる党活動の軸にすえ、日常的・意識的な追求がなされているか」。各党が統一地方選挙を参院選の前哨戦に位置づけ、両者を一体に激しいとりくみを展開しているときに、わが党が、統一地方選挙を参議院選挙の比例の得票目標とは別の低い目標でたたかうというとりくみに陥っては、両方の選挙で勝利をのがすことになります。本気で「一本化」してたたかうことが重要であります。

 二つは、「宣伝、対話・支持拡大、『集い』などの中身が、日本共産党の綱領・歴史・理念などを丸ごと知っていただき、積極的支持者――『日本共産党だから支持する』という支持者を増やす活動になっているか」。積極的支持者を増やす活動を強めることは、前回総選挙のとりくみから引き出した重要な教訓であることを、銘記して頑張りたいと思います。

 三つは、「参議院選挙を『前回時比3割増以上』の党勢でたたかうという目標を、本気の目標にすえて、正面から挑戦しているか」。

 四つは、「選挙活動が、狭く統一地方選挙をたたかう党組織を中心とした活動でなく、すべての党組織の活動になっているか」。

 これらの諸点を「試金石」として、たえず自らの活動の自己点検を行い、「比例を軸」にすえた参院選での躍進を一貫して追求してこそ、連続選挙での勝利をつかむことができます。このことをしっかり握って、奮闘する決意を固めあいたいと思います。

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五、統一地方選挙の政治論戦について  

 次に統一地方選挙の政治論戦について報告します。

 統一地方選挙の政治論戦では、国政論での党の値打ちを大きく語ることと一体に、地方政治における党の値打ちを押し出すことが重要になります。近く「政策アピール」を発表する予定ですが、いくつかの留意点をのべておきたいと思います。

国言いなりに福祉と暮らしを切り捨てるか、暮らしを守る「防波堤」になるか

 第一は、地方政治における政治的争点の中心点についてであります。

 全国の自治体が置かれている状態を見ますと、一方で、国が主導して、「住民福祉の機関」としての自治体の役割を破壊する悪政が押し付けられ、あらゆる分野で深刻な矛盾が噴き出しています。

 国民健康保険の制度は、昨年4月から「都道府県単位化」に移行しましたが、国は、これを契機に一般会計から国保会計への繰り入れの解消を求め、多くの市町村で国保料(税)値上げが大問題になっています。

 介護保険では、保険料の値上げ、要支援1、2の方の保険外し、利用料の引き上げ、介護施設の不足など、「保険あって介護なし」の矛盾がいよいよ広がっています。

 子育てでは、「待機児ゼロ」は2020年度末まで3年間も目標達成を先送りし、「受け皿」拡大は基準緩和・詰め込み型が中心で、求められる認可保育所の建設が足りず、自治体の公的保育への責任放棄も起こり、「保育の質の低下」が重大な問題になっています。学童保育でも、資格をもつ指導員を2人以上から1人でも可能にする基準の引き下げを実施しようとしており、不安を広げています。

 住民に身近で必要な公共施設――学校・保育所・公立病院・公営住宅などの統廃合・縮小、上下水道の広域化・民営化が計画されていることも重大であります。

 他方で、大都市を中心にした、環状道路や国際戦略港湾、国際拠点空港の整備をはじめ、不要不急の大型開発・大規模事業が行われ、カジノ誘致合戦が過熱しています。企業誘致のための巨額の補助金バラマキも続けられています。

 地方自治体が、国言いなりに福祉と暮らしを切り捨てるのか、それとも住民の暮らしを守る「防波堤」になるのか。ここに統一地方選挙の最大の争点があります。

 「住民福祉の機関」としての自治体本来の役割を取り戻すために献身的に奮闘している日本共産党地方議員団の存在意義がきわだっていることに確信をもって、「この党をさらに大きく」と訴えていこうではありませんか。

要求実現の財源問題――自治体の基金=「ため込み金」の活用も重視して

 第二は、要求実現のための財源問題についてであります。

 不要不急の大型事業や企業誘致のバラマキなど無駄遣いをやめれば、大きな財源が出てくることは、これまでも訴えてきたことであります。

 くわえて、近年、自治体の貯金である基金――「ため込み金」が増えています。2017年度の「ため込み金」は全国で23・8兆円と、07年度の13・9兆円から1・76倍にもなりました。このうち使い道が自由な財政調整基金だけでも7・5兆円で、10年前の4・2兆円の1・77倍になっています。基金について、総務省も「優先的に取り組むべき事業への活用を図る」ことを求めています。多くの自治体では、この基金を適切に活用すれば、住民要求は十分に実現できます。政策論戦を進めるさいに、このことも重視していただきたいと思います。

政党対決の構図――なぜ「自民・公明対日本共産党」という対決構図を打ち出すか

 第三は、政党対決の構図の打ち出しについてであります。

 5中総では、対決構図の基本を「自民・公明対日本共産党」にすえ、党の政策・実績・役割を押し出すことを提起しました。なぜこの対決構図を押し出すか。5中総の結語で討論を総括して詳しく解明しています。その内容を踏まえて、私は、次の3点を強調しておきたいと思います。

 一つは、地方政治では多くの自治体でわが党をのぞく「オール与党」となっていますが、国政では、わが党は自治体では「オール与党」のなかにある国政野党とも共闘を追求しています。そういう状況のなかで、自民・公明と同列において国政野党を批判したら、共闘を真剣に追求するわが党の立場が誤解されることになりかねません。

 二つは、有権者は、統一地方選挙で、地方政治の問題だけでなく、国政の問題を含めて政党選択を行うでしょう。そうしたもとで、「国政でも、地方政治でも、自民・公明の政治ときっぱり対決を貫いているのは日本共産党です」として、わが党の値打ちを押し出すことを基本にたたかうことが、すっきりした、説得力ある訴えとなり、参議院選挙の訴えにも無理なく発展させることができます。

 三つは、ただし、「オール与党」の実態について、情報提供のような適切な形で、有権者に伝えることは必要であります。また、攻撃に対しては節度を持って反撃することは当然であります。

 これらの諸点を正確にとらえてたたかいたいと思います。

 大阪では、維新政治への審判も問われます。維新は、国政で、安倍政治の補完勢力としての姿をあらわにしています。大阪では、住民投票によって否決された大阪市つぶしの「大阪都構想」にしがみつき、自治破壊、福祉破壊、カジノ誘致、異常な管理・競争教育など、“異質の悪政”を押し付けています。「日本共産党躍進で、安倍政権退場、維新政治の転換を」と訴え、躍進を期して奮闘している大阪の党組織への連帯を心から訴えたいと思います。

日本共産党地方議員(団)の値打ち・実績に誇りをもち、広く訴えよう

 第四は、日本共産党地方議員(団)の抜群の値打ちを大いに押し出してたたかうことであります。

 日本共産党は、78%を超える自治体に2762人(昨年末)の議員をもち、自民、公明についで第3党です。全国の草の根で、支部とともに、日夜、住民要求の実現のために献身するネットワークを築いていることは、わが党の誇りであります。

 わが党の女性議員は、ちょうど1000人で第1党であります。都道府県議では148人中80人、54・1%が女性です。党綱領に「男女の平等、同権をあらゆる分野で擁護し、保障する」ことを明記した党ならではの姿が、ここに現れているということを強調したいと思います。なお、自民党地方議員の中での女性比率はわずかに5・4%、都道府県議では3・1%です。こうした政党に「女性の活躍」をいう資格があるのかが、厳しく問われていることも、言っておきたいと思います。

 党議員団の実績を、さまざまな角度から光らせ、有権者に伝えていくことが重要であります。わが党議員団は、全国どこでも住民の声を議会に届け、住民とともに政治を動かす素晴らしい働きをしています。行政と議会を住民の立場でチェックする監視役としてなくてはならない存在となっています。安倍暴走政治に草の根から立ち向かう共同を、地方政治においても真剣に追求しています。「共産党の地方議員がいるといないとでは大違い」という角度から、空白克服の意味もわかりやすく伝えていきたいと思います。

 日本共産党は、地方政治においても、住民要求にこたえた確固とした政策的立場をもち、政党対決の構図でも自公ときっぱり対決する揺るがぬ存在感をもち、全国どこでも住民とともに政治を動かす大きな実績をあげています。都道府県委員長、地区委員長のみなさんが、わが党議員団の値打ちに、ほれこみ、その豊かな値打ちをあますところなく住民に伝える先頭に立っていただくことを、私は、心から訴えるものです。私たちも同じ立場で、ともに奮闘する決意であります。

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六、「統一地方選挙必勝作戦」をやり抜こう

 次に、「統一地方選挙必勝作戦」について報告します。

1~2月に勝利に必要な土台をつくり、本番に向けて広げに広げよう

 今回の統一地方選挙は、歴史的な参議院選挙の前哨戦としても特別の意義をもちます。それゆえに、他党も自民党が候補者の大量擁立をはかるなど、党派間のたたかいはかつてなく激烈なものとなっています。一昨年の総選挙では3分の1を超える人が期日前投票を行うなど、告示日以降は毎日が投票日となります。それらを考慮しますと、早い段階――とくにこの1月、2月に勝利に必要な土台をつくりあげ、本番に向けて広げに広げることが、統一地方選挙勝利のために絶対に必要となります。

 そこで、「党旗びらき」で、「統一地方選挙必勝作戦」として、前半戦の告示日のおよそ1カ月前――3月1日までに、全党が次の二つの課題をやりきることを訴えました。

 第一は、3月1日を「投票日」にみたてて、選挙戦の勝利に必要な草の根での宣伝・組織活動をやりきることです。すべての支部が得票目標を決め、その実現をめざし、要求にこたえた活動、声の宣伝やポスターなど大量宣伝、「集い」に大いにとりくみながら、支持拡大目標をやりきりましょう。すべての支部で後援会員を拡大し、単位後援会を確立し、ともにたたかう体制をつくりましょう。

 第二は、党勢拡大では、参議院選挙を「前回比3割増」の党勢を築いてたたかうことを展望し、その中間目標として、すべての都道府県、地区委員会、支部が、3月1日までに、党員、「しんぶん赤旗」日刊紙読者、日曜版読者で、前回参院選時を回復・突破することです。統一地方選挙をたたかう党組織は、前回統一地方選時を回復・突破することを目標に奮闘し、全党をリードする役割を果たしましょう。

率直な議論をぶつけあい、打って出るなかで確信をつかみ、掛け値なしにやりきろう

 「統一地方選挙必勝作戦」は、全党に衝撃的にかつ積極的に受け止められ、いっせいにとりくみがスタートしています。

 ある県からは、県の常任委員会・地区委員長合同会議で、「はたしてできるか」などの意見も出されたが、大議論のすえ、「できる、できないでなく、勝つために必要な作戦だ」、「自民党はもう2回も回ってきているのに、わが党が直前にならないと力が入らないというのではいけない」、「全支部に依拠してやりぬこう」となり、元気に足を踏み出しているという報告が寄せられました。そうした本音の議論を大いにやりながら、「必勝作戦」をやりぬきたいと思います。

 「必勝作戦」をやりきるのは大仕事ですが、勝利のためにはどうしても必要不可欠な作戦であります。みんなで荷を分かてば、やりきる道が必ず開かれます。率直な議論をぶつけあって決意を固め、打って出るなかで、やりきる確信と展望をつかみ、勝利へのこの最初の関門を掛け値なしに突破することを、心から訴えるものであります。

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七、いかにして勝利の道を切り開くか――地区委員長アンケートから学んだこと

 次に、いかにして勝利の道を切り開くかについて、私たちが、地区委員長のみなさんのアンケートから学んだ内容を、のべたいと思います。

選挙戦のなかでこそ、法則的な党活動の探求・発展を

 連続選挙に全支部、全党員が立ち上がっていくうえで、支部を直接指導・援助する地区委員会とその長の果たす役割は決定的に重要です。政党間の最も激しいたたかいが行われる選挙戦のなかでこそ、法則的な党活動を探求・発展させることが大切です。

 そうした立場から、地区委員長のみなさんに、「生まれているすぐれた経験・教訓」「打開できずに困っている問題」の2点で、アンケートをお願いしました。全国315のすべての地区委員長からアンケートへの回答が寄せられました。アンケートでは、困難に直面して苦闘する姿が率直にのべられるとともに、困難を打開するカギがどこにあるかを教えてくれる豊かな内容が報告されています。

 私は、感動をもってアンケートをすべて読みました。常任幹部会として大事だと受け止めたこと、学んだことを、順不同で、7点のべます。地区委員長のみなさんから寄せられたアンケートの紹介は報告されたままに行いますが、文体は「です、ます」調で統一させてもらったことを、ご了解いただきたいと思います。ぜひとも討論でさらに深めてほしいと思います。

地区委員長の構えが党組織の全体を励ましている

 第一は、地区委員長の構えが党組織の全体を励ましているということです。

 行政区ごとに大志とロマンある政治目標を決め、自覚的な力を引き出すイニシアチブを発揮することの重要性が報告されています。神奈川・北部地区の堀口望委員長は、「すべての党員が自覚的に目標達成に向かって活動できるよう、政治目標がみずからの目標になるように心がけてきました。座間市は『福祉の座間をとりもどす』、海老名市は『議会のすべての常任委員会に議員を配置する』、相模原市中央区は『比例目標を正面に次の選挙(2023年の選挙)では議席増と県議選をたたかえる党になる』など、行政区ごとに『この地域でどんな党になるのか』が議論され、『特別月間』では前回参院選時比を回復・突破する力となりました」と報告しています。

 高知・高知地区の金子協輔委員長は、「『比例を軸に県都決戦を勝ちぬき、新しい時代を高知から!』をスローガンに、定数15に4人の県議という日本一の政治目標をやりきる意義をみんなのものにしてきました」と報告しています。

 支部と党員を信頼し学べば展望が開けるという経験が寄せられています。神奈川・川崎中部地区の佐川潤委員長は、会議の参加者が少なく沈みがちだった団地支部の支部会議が、支部員の要望にこたえて昼間の会議を開いたことで大きく変化した経験を報告し、次のようにのべています。「支部・党員から学べば展望が開けます。地区委員会の活動は時間がかかっても必ず切り開けます。苦しいときもあるがやりがいは多い。支部・党員の営みすべてが地区委員会の(活力の)源、そう考えるとどの支部・党員も可能性があるだけに展望が開けます。そうした努力のなかで、常任体制は強まり、各選対に複数の常任を配置することができました」

 党の決定に対する真剣な姿勢を貫くことの重要性が報告されています。北海道・旭川地区の石田尚利委員長は、「3中総以降の活動を振り返り、私自身が感じていることは、当たり前ですが、やるべきことは、党大会決定に書いてあるということ。……やはり、二つの選挙で勝利・躍進をかちとるには、言い過ぎかもしれませんが、大会決定を黒くなるまで読み込み、決定を深く理解し、情勢を前向きに打開できる根拠を明確にし、地区内で共通の認識にし、全党員の力を引き出し、現場で実践を積み重ねる努力が大事だと感じています」と語っています。「黒くなるまで読み込み」とは印象的な言葉です。党大会決定の提案者としては、「提案者冥利(みょうり)に尽きる」、うれしい言葉であります。

 これらの報告は、地区委員長の構えが、党組織全体を励まし、自発的なエネルギーを引き出すうえで決定的に重要だということを教えているのではないでしょうか。

党員拡大を根幹にすえ、党員拡大を突破口にして困難を打開している

 第二は、党員拡大を根幹にすえ、党員拡大を突破口にして困難を打開していることです。

 北海道・苫小牧地区の西敏彦委員長は、次の報告を寄せています。「党大会決定を“どこから具体化するのか”の議論を重ね、党員拡大を根幹にすえて一貫して追求することを確認しました。党大会以降『集い』を推進軸に117名の党員を迎えています。特に困難支部を絶対に放置しないことが選挙戦では大事と位置づけ、ここでの党員拡大に力を尽くしてきました。ある支部は支部会議開催も月1回がやっと、人間関係でモメごとが多く、支部長は『もうやっていけないから支部長もやめるし、配達・集金もしない』と訴えてきました。支部存続をどうするかを常任委員会で議論し、『核になる新しい党員を増やす』ことで合意し、地域に繰り返し入りました。そういうなかで、町内会役員、サークル活動のリーダー的存在の女性の入党がきっかけで連続して8名が入党しました。7月の市議補選では、それぞれの結びつきで支持を広げ、これまでの支部の支持拡大を大きく上回る300を確認。今では支部長も“元のさや”に戻り、配達・集金も平常に戻りました」

 同様の報告は、全国各地から寄せられています。

 私は、「党旗びらき」で広島・東部地区の上下支部の経験を紹介しました。昨年の「特別月間」から12月末までに30人の党員を増やし、現勢39人の支部へと躍進し、今年1月3日から待望の日刊紙の配達が始まったという経験であります。

 上下支部のとりくみに対して、全国からたくさんの共感の声が寄せられ、「わが支部でもできる」「足を踏み出そう」という意欲が語られています。「『1人の入党で、つながりは何倍にもなる』との考え方は大切と思う」、「入党した30人のほとんどが読者と聞いて、私の支部にも読者はたくさんいる。もう一度足を運んで読者を訪ねていこうと思った」、「3日から、日刊紙配達体制が整った話は、すべての支部に活力を与える力になると思う」、「全員の誕生日を張り出し、みんなで祝うということに感銘を受けた。わが支部もみんなの心を集めたい」などの共感の声がたくさん寄せられています。

 上下支部では、「必勝作戦」の提起を受けて、支部長の同志が、「1支部平均で、1人の党員、1人の日刊紙読者、5人の日曜版読者ならすぐにやれる」と先頭に立って足を踏み出し、新年に入ってすでに3人の党員、1人の日刊紙読者、6人の日曜版読者を新たに増やしているとのうれしい報告が寄せられていることも、お伝えしておきたいと思います。

 困難を打開する突破口は党員拡大――この立場を選挙戦の中でも太く貫き、党を根幹から強く大きくしながら、歴史的な連続選挙を勝ちぬこうではありませんか。

地区役員の指導力量を高める努力を払っている

 第三は、地区役員の指導力量を高める努力を払っていることです。

 正規の党機関の会議を系統的に行い指導の質を高めている教訓が報告されています。東京・中野地区の亀井清委員長は、「地区委員会総会をかならず毎月、第1日曜日に固定して開催する努力を続けてきました。定例化によって出席率も上がっています。また科学的社会主義の集団学習も続けています。翌月曜日は、2回(午後2時と午後7時から)支部長会議を開催します。こちらも出席率が上がり、方針の徹底が進んでいます」という報告を寄せています。

 地区常任委員会、非常勤も含む地区委員のチームワークの発揮で地区委員が成長し、指導力量を高めている経験が報告されています。石川・金沢地区の南章治委員長は、次のような報告を寄せています。「女性も含めた3人の非常勤常任委員に加わってもらい、地区委員もこれまで経験のない方にもお願いして入ってもらいました。市議・候補者を含め市内4ブロックで指導体制をとり、その責任者を常任委員が担当。東ブロックでは、地区委員で関係地域のすべての支部を分担、新しい地区委員も含め支部指導(1人の地区委員で2~3支部)にあたるようになり、地区委員が成長し、支部に寄り添って活動するスタイルができました。決定の討議・読了が大きく前進し、『特別月間』では8割の支部の成果で地区全体をけん引しました」

 「綱領で党をつくる」という立場で、学習を一貫して重視しているとりくみが報告されています。京都南地区の河合秀和委員長は、「地区党学校(地区教室、出前教室、青年教室、分野教室)を27回開催し、のべ170人を超える参加がありました。『一向に政治が変わる展望がもてずにいた。今の話でもう一度頑張りたいと思った』『日本はアメリカの奴隷や、ひどすぎる』などの感想が出されています。年齢、党歴のいかんにかかわらず、党員の心に灯をともすのが党綱領です。さしあたり2~3割の党員の受講をめざして努力しています」という報告を寄せています。

 選挙の中でこそ、地区役員の指導力量を高める努力を行い、「学びつつたたかい、たたかいつつ学ぶ」という立場を貫いてこそ、支部と党員の心に灯をともす指導・援助が強まり、全支部・全党員を自発的・自覚的にたちあがらせることができます。そのための努力を大いに強めようではありませんか。

「楽しく元気の出る支部会議」を軸にした「支部が主役」の活動の探求・開拓

 第四に、「楽しく元気の出る支部会議」を軸にした「支部が主役」の活動の新たな探求・開拓が報告されています。

 「楽しく元気の出る支部会議」への努力は、多くの地区から報告されています。大阪・木津川南地区の能勢みどり委員長からの報告は、迎えた後に多くの党員を成長させられなかった反省に立ち、新たな探求と開拓を語っており、多くの教訓にみちています。次に紹介します。

 「党建設の根幹である党員拡大に積極的にとりくみ、かつてなく入党を働きかける支部が広がりつつあります。勇気を出して『入党よびかけパンフ』を届けるなかで対象者との信頼関係が深まってきています。2月以降、65支部・76%が377人に入党を呼びかけ、そのうち入党者は、29支部・34%、47人となっています。5中総後は候補者が先頭に立って『選挙型の党勢拡大』に挑戦し、訪問活動のなかに党勢拡大の独自追求を位置づけるなかで、入党呼びかけに挑戦する党員・支部がさらに広がり、『選挙のなかでも党員・読者は増やせる』が地区党組織の確信になっています」

 「『楽しく元気の出る支部会議』や全党員参加の支部活動、党勢拡大の持続的前進をかちとるためには、新入党員を迎え支部を活性化させることと一体に支部指導部づくりが決定的であることも分かってきました。現在、地区内には約180人の支部委員がいますが、支部指導部があっても機能していない支部が少なくありません。支部指導部づくりの強化をはかりながら、10人以下の支部でも指導部を複数選出し、30人以上の支部は5人以上を目標に連絡・連帯網を強めていく必要があります」

 新入党員を迎え支部を活性化させることと、支部指導部をしっかりと機能するようにすることを一体にとりくむことで、「楽しく元気の出る支部会議」を軸にした全党員参加の党活動の新たな境地を開いているこの経験は、多くの学ぶべきものがあると思います。

 要求実現のたたかいと、党建設・党勢拡大を一体にすすめる「車の両輪」の活動が、党に新鮮な活力をもたらし、選挙勝利、党勢拡大の大きな力になっていることが、全国各地から報告されています。国政問題とともに地域の問題にとりくみ、要求を実現したことが、党員に喜びと確信をあたえ、見違えるような力を発揮する経験が生まれています。

 広島・西部地区の坂村由紀夫委員長は、次のような報告を寄せています。

 「『車の両輪』の活動を位置づけ、支部が要求実現の活動にとりくんでこそ、自覚的で元気な活動ができると考え努力してきました。……憲法、岩国基地問題では、党員が積極的役割を果たし幅広い人との共同の経験をつくりだしています。地域要求実現のとりくみでは、支部が『保育園民営化反対』や『ごみ有料化反対』『こども医療費無料化』などの運動にとりくんできました。どの運動も党外の人の参加が広がり、若い層を含む幅広い人たちとの結びつきが生まれています。運動の広がり、市民の生の声にふれるなかで、支部や党員が激励され自発的な活動が広がりました。数は少ないが読者も増えました。党大会後、青年2人を含む3人を党に迎えたM支部は、不定期だった支部会議を定例化し、学習を位置づけるなかで結集が広がり、元気に活動しています」

 選挙の中でこそ、「楽しく元気の出る支部会議」を軸に「支部が主役」の活動を発展させるという党大会決定の大方針を全党に定着させ、全支部・全党員の参加する壮大な選挙戦にしていこうではありませんか。

労働者、青年・学生の中での新しい前進の可能性に働きかけている

 第五は、労働者、青年・学生のなかでの新しい前進の可能性に働きかけていることです。

 広大な労働者、青年・学生のなかでの活動を強めることは、「世代的継承」というわが党の未来を見据えた大方針の実践であるとともに、直面する連続選挙で日本共産党躍進をかちとるうえでも重要となっています。

 中央が主催した「2018年職場問題学習・交流講座」を力に、職場支部の活動強化の手がかりをつかんだという報告が、全国各地から寄せられています。職場支部の支部長会議を分野別に開催したことが支部活動の強化につながった経験が報告されています。職場支部を担当する地区委員会議を系統的に行い、支部や労働者がおかれている現状を出し合ってきたことが、教職員支部を担当する同志から「自分はこうした場を待っていた。地区委員のチームワークが大事」と歓迎されているという経験が報告されています。生まれている前進の流れ、発展の芽を大切にし、選挙戦のなかでも絶対に中断せず、大きく育てていくようにしたいと思います。

 若い世代のなかでの活動は、東京から学生のなかでの民青同盟づくりが前進したことが報告されていますが、地方からも、党と民青が空白だったところから出発し、系統的な努力で民青学生班をつくり、学生党支部を再建した次のような経験が報告されました。東北地方のある地区委員長の報告を紹介します。

 「地区党が抱えるあらゆる問題の解決のためには『党員を増やすしかない』と決意し2016年に、機関、議員、支部から同志を集めて『青年学生委員会』を結成。地区委員長を責任者として毎月欠かさず開催してきました。とりわけ地区内にある三つの大学(いずれも民青、党ともに空白)に班と支部を結成することを目指し、あらゆる結びつきをたどって学生との結びつきを広げてきました。2017年8月に3人目の同盟員を迎えて班を再建してからは、『毎週の班会を成功させる』ことに力をつくし、学生の要望や疑問を徹底して聞き、即実践に移し、新歓企画や被災地フィールドワークなど一つひとつのとりくみを成功させてきました。その中で、学生同盟員自身が民青の魅力を実感し、友人を次々に班会に誘い、体験型で民青の魅力を実感して2018年には11名の同盟員を迎えています。民青の活動と自分の生き方を重ね合わせて確信をもった学生同盟員から4名の新入党員を迎え、12年9カ月ぶりに学生支部を再建しました」

 民青も党も空白だった大学に、民青班をつくり党支部をつくった。集団の力で系統的にとりくめば道が開けることを示す、素晴らしい経験ではないでしょうか。

 今度の統一地方選挙は、18歳選挙権が施行されたもとで初めての統一地方選挙となります。統一地方選挙は学生新歓と重なりますが、学生はすべて有権者となります。ですから、選挙と新歓は対立するものではありません。新歓に思い切ってとりくむことが、選挙にも、党づくりにも、大きな力となります。

 若い世代のなかで党はいわば「白紙」の状態であり、マイナス・イメージも他の世代より少ないのが特徴です。若い世代は、平和と民主主義への強い関心と願いをもつとともに、格差と貧困の広がり、学費・奨学金・雇用などの悩みは切実であり、双方向のとりくみで、党への支持が急速に広がる可能性があります。

 選挙のなかでこそ、広大な労働者のなかでのとりくみ、青年・学生のなかでのとりくみを思い切って強め、党の新しい支持を開拓するとともに、「世代的継承」のとりくみを前進させようではありませんか。

体制強化のため、潜在的な力の総結集に本気でとりくんでいる

 第六は、連続選挙をたたかう体制強化のため、潜在的な力の総結集に本気でとりくんでいることであります。

 地区委員長のみなさんが直面している最大の悩みが、選挙をたたかう臨戦態勢の確立の問題であることは、たくさんの報告で共通しています。いかにして県・地区機関の指導体制を維持しながら、統一選対と個別選対の体制確立をはかるか。党のあらゆる潜在的力の結集と、集団の力・チームワークの発揮が求められています。本気のとりくみで困難を打開し、たたかう体制をつくりあげていった次のような経験に学びたいと思います。

 神奈川・湘南地区の岡崎裕委員長は、「『機関の指導体制を維持』という点で、文字通り党のもつあらゆる潜在的な力を総結集するという点で、職場支部と地区直属から60名の党員の名簿をつくり、中断が許されない専門部の補強と統一選対・個別選対の体制確立へ議論し、具体的に要請を開始しています」と報告しています。その後のとりくみで、自治体職場の党員が体制の弱い居住地での後援会役員を引き受けてくれた、大和市の市議選対に教員支部の退職教員が協力してくれた、職場支部の同志が地区機関紙部の実務を引き受けてくれたなどの体制強化が前進しているとのことです。

 千葉・南部地区の篠崎典之委員長は、議員兼務の地区委員長ですが、次のように地区委員会の体制の強化をはかってきた経験を報告しています。

 「『非常勤を含む地区委員会のチームワーク』の発揮へ、生協で組織活動を行ってきた同志が地区の事務局長の役割を発揮し、小さい地区ながら常任委員11人の体制を構築し、集団指導と個人責任が進んできていて、市議と地区委員長の活動も支えてもらっています。機関紙、教育、財政、選挙対策、青年学生など各部の日常活動が独立して機能し、全常任委員が主体的に活動するようになってきました」

 選挙をたたかう体制の確立は、一番の悩みの一つだと思いますが、解決の道は党のあらゆる潜在的な力を結集するしかありません。そして、わが党はいま、職場を退職した力ある同志を、かつてないほどたくさんもっています。党のもつ潜在的な力を総結集すれば、選挙をたたかう体制を立派につくりあげることができることは、進んだ経験が教えていると思います。そうした立場で、困難を打開することを心から訴えるとともに、全国の経験をさらに交流することを呼びかけるものです。

財政的基盤を強めながら、選挙をたたかう努力を強める

 第七は、財政的基盤を強めながら、選挙をたたかう努力を強めることです。

 歴史的な選挙戦をたたかうために財政活動の強化に攻勢的にとりくみたいと思います。地区委員長のみなさんからのアンケートも踏まえ、次の3点を強調します。

 第一に、財政活動の根幹である党費と、地区財政にとっても最大の財源である機関紙誌代の集金を位置づけ、独自に追求できる体制を確立・堅持して奮闘することが決定的に重要です。地区委員長のアンケートでも、「党費納入を高める努力を強め、2年前は60%台から現在は80%台に前進してきました」などの努力が報告されています。

 第二は、募金に思い切って広くとりくむことです。神奈川・川崎北部地区の岡田政彦委員長からは、候補者活動を支える募金1600万円と選挙募金の二つで、2600万円をこえるかつてない募金を集めた経験が報告されています。東京・北多摩東部地区の鈴木文夫委員長からは、特別募金にとりくむなど努力し、専従2人体制から5人体制に前進させている経験が報告されています。募金成功のカギは、募金の目的を明確にすること、大口募金も訴えつつ支部が募金目標をもち達成するための自覚的活動を広げること、党内だけでなく読者・支持者に広く大胆に訴えること――この三つを堅持して奮闘することにあります。

 第三に、選挙作戦に即した積極的な予算を立て、財源を保障し、赤字を出さないことも重要であります。

 企業・団体献金、政党助成金に頼らず、草の根で国民に依拠して財政活動を進める日本共産党の姿に誇りと確信をもち、財政的基盤を強めながら連続選挙をたたかいぬこうではありませんか。

苦労は多いがやりがいも大きい仕事への誇りをもち、連続選挙勝利の先頭に

 以上、7点について、私たちが地区委員長のみなさんのアンケートから学んだ内容を報告しました。この7点のすべてについて一挙に実践することは困難でも、そのなかから一つでも、二つでもヒントをつかみ、直面する連続選挙に勝利するとりくみに生かしていただくことを、私は、願ってやみません。一つでも二つでもヒントをつかみ、新しい突破口を開けば、そこからまた新しい展望が生まれてくるのではないでしょうか。また、この会議での討論を通じて、困難を打開するうえでの経験と教訓をさらに豊かに交流していただくことを心から訴えるものです。

 私は、アンケートを昨年の年末から今年のお正月も繰り返し読みまして、地区委員長のみなさんが、山のような苦労・困難と格闘しながら、不屈に奮闘していることに胸が熱くなりました。

 同時に、神奈川・川崎中部の佐川地区委員長がのべたように、地区委員長の仕事が、「苦しいときもあるがやりがいが多い」仕事であることも、多くのアンケートから実感をもって読み取ることができました。

 全国の同志のみなさん。日本の命運を分ける連続選挙――統一地方選挙と参議院選挙で何としても連続勝利をかちとろうではありませんか。

 都道府県委員長・地区委員長のみなさんが、支部のみなさんと心を通わせ、苦労は多いがやりがいも大きい仕事への誇りをもち、連続選挙勝利の先頭に立って奮闘することを呼びかけるとともに、私たちも心一つにたたかいぬく決意をのべて報告といたします。


 

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