2001年8月11日「しんぶん赤旗」

参院選の結果と「日本改革」の展望

志位委員長の記念講演


写真選挙戦の総括の基本は何か

 「参院選の結果と『日本改革』の展望」のテーマで講演した志位和夫委員長は、今回の参院選全体の総括は党内外の人々の意見を広く受けとめて、次の中央委員会総会で行いたいと述べつつ、「選挙戦の総括をする政治的な基本」として、今回のように「小泉旋風」といわれるような「旋風」が吹き荒れたもとでの選挙戦では、「『旋風』にどう立ち向かい、後で試されたときに政治的な検証にたえうる――歴史の検証にたえうるようなたたかいをしたかどうかが、いちばん大切ではないか」と語りかけました。そして、選挙戦で唯一、小泉政治に正面から対決して自民党政治を大もとから変える提案を経済、外交ともに堂々と訴えぬいた日本共産党の政治的訴えは、「今後の政治の展開のなかで、必ず生きて力を発揮します」と強調しました。

 志位氏は、選挙戦のなかで始まりだした小泉政治の破たんぶりにふれたうえで、日本共産党の選挙戦での政治的訴えが今後の日本の政治でもつ意義について、「経済の改革」「財政の改革」「外交の改革」の三つの角度から詳しく解明しました。

経済の改革にかかわって

 「経済の改革」をめぐっては、「不良債権の早期最終処理」の名のもとに国策で中小企業をつぶす政治でなく、「景気をよくしてこそ不良債権問題の解決の道が開ける」と訴えましたが、不況がいっそう深刻化するもとで悲痛な声が党に寄せられるようになっていると指摘しました。

 また、経済産業省の産業構造審議会のリポートで「家計消費の活性化が経済浮揚の鍵(かぎ)」との認識を示し、米連邦準備制度理事会(FRB)の元幹部も「需要を喚起」し消費税減税を提案していることを紹介すると、会場にどよめきと拍手がおきました。

 志位氏は、需要を伸ばすためには家計消費の拡大が不可欠であり、そのもっとも効果的な方法が消費税減税であることが経済危機の深刻化で、立場の違いを超えて共通の認識にならざるをえなくなっていること、「家計を応援して経済をたてなおそう」という日本共産党の訴えは、当面の緊急策だけでなく、大企業中心の経済政策から国民生活中心の経済政策への「大きな政策転換の裏付け」をもった提案であることを明らかにしました。

財政の改革にかかわって

 「財政の改革」で志位氏は、「国民の暮らしをよくすることと財政再建を両立してとりくむ道を探求するのか、国民の暮らしを犠牲にして『財政再建』かの二つの道の選択が問われた」とふり返り、国民の暮らしを犠牲にする小泉政権の「財政再建」の道は、十日に閣議決定された来年度予算の概算要求基準で「危ぐした通りの展開になっている」と指摘しました。

 このなかで、一兆円程度の自然増が見込まれる社会保障関係費の伸びを三千億円程度削減しようとしているが、そのしわ寄せは医療分野に集中せざるをえないと告発。九七年におしつけられた二兆円の医療費負担も国費削減は三千億円余であったことを紹介しながら、三千億円もの社会保障費抑制は大きな制度改悪ぬきにはできないこと、今年秋から来年度初頭にかけて医療制度の大改悪が具体化されようとしている切迫した事態になっていると警告。「国民の命と健康を守るために、『医療の大改悪を許すな』という国民的大運動をおこそうではありませんか」とよびかけ、参加者は大きな拍手でこたえました。

 また志位氏は、日本共産党が訴えた「『公共事業に年間五十兆円、社会保障に年間二十兆円』という逆立ち財政の転換」の提案は、「相手にとっては、一番痛いところをついた提案だけに、いろいろなごまかしもやった」と指摘。小泉首相や自民党などが公共事業の五十兆円を「十兆円」と少なく見せたり、「公共事業を半分に減らしたら雇用も半分になる」とごまかしたことに、事実を示して反論しました。

外交の改革にかかわって

 さらに「外交の改革」で、“アメリカいいなり外交”と“侵略戦争への無反省”をただすことは「いまの熱い問題」と強調。

 靖国神社参拝や歴史をゆがめる教科書問題ですすんでいる事態は、「日本の政治と社会のなかに、かつての侵略戦争を『大東亜戦争』とよんで“正義のたたかい”と描きだし、植民地支配を合理化して描きだす、歴史の事実を百八十度ゆがめる潮流が台頭し、この流れに政府が事実上お墨付きを与え、また首相みずから同じ立場に身をおく」ものと告発。内外で批判が集中している靖国神社公式参拝の中止、歴史をゆがめる教科書の検定合格措置の取り消しを強く求めました。

いま立っている政治的到達点と展望を考える

 さらに志位氏は、「いま私たちが立っている政治的到達点と展望はどういうものでしょうか」と問いかけ、この十年間の政治の流れのなかで明らかにしました。

 九三年の総選挙では、一時的に政権の担い手をかえ、自民党政治の延命をはかる「非自民」作戦がとられました。「非自民」政権に参加した諸党は衰退・崩壊の道をたどったのにたいし、日本共産党は唯一の野党としてスジを貫く立場が評価され、その後の躍進につながったと指摘しました。そのうえで、今回の「小泉旋風」は「非自民」のときより「もっと捨て身の、追い詰められた作戦」であり、それだけに破たんしたときの激動はより大きいと強調。「日本共産党が正面から『旋風』に立ち向かってきたことの値打ちが、必ず広く明らかになるときがくる」と、歴史のダイナミズムのなかで選挙結果をとらえる大切さを強調すると、大きな拍手がわきおこりました。

どんな政治的突風がふいても前進できる量質ともに強大な党を

 最後に志位氏は、どんな政治的突風が吹いても、それにたちむかって前進できる質・量ともに強大な党をつくる重要性を力説。「七十九年の党の歴史のなかには、山もあり谷もあります。しかし歴史の道程は、大局的には正義と道理にたつものが、さまざまなジグザグをへながらも、最後には勝利者になることを教えています」と党のたたかいを大きくふり返り、「七十九年の党の歴史、わが党の路線に自信と確信をもって、次のたたかいでは必ず勝利者になるためにがんばりぬこうではありませんか」とよびかけ、割れるような拍手に包まれました。


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