日本共産党

21世紀の明日に向かって、党本部ビルが新しくなります

日本共産党本部ビル建設本格着工へ準備着々

上田副委員長・総合建設委員会責任者に聞く


 日本共産党中央委員会が発表した党本部ビル建て替え計画は、党内外から関心と注目を集め、建設募金のよびかけにも大きな反響が寄せられています。すでに、着工準備のための各部局の移動や予備的工事もすすんでいます。計画発表以降の経過や現在の段階について、上田耕一郎副委員長・総合建設委員会責任者に聞きました。

いよいよ着工6月から

 ―――あらためて、いまなぜ党本部の全面建て替えなのかをお聞きしたいと思います。

党本部の建て替えは初めて

 上田 党本部ビル建て替え計画の発表は昨年七月十三日でしたから、八カ月余りたちました。九月三日には新聞記者への説明会をひらき、新党本部ビルの模型や完成予想図なども発表したので、大きな反響がありました。その後、近隣住民との話し合いも終え、施工業者も決まって(本紙三月五日付既報)、六月からいよいよ本格的に建築が始まります。建設計画遂行へ、いくつかの山を越してきましたが、いよいよこれからが本番ですから、大変緊張しているところです。

 党本部の全面建て替えは初めてですが、計画を立てたのは実は二度目なんです。一九六〇年にあかつき印刷に高速輪転機を導入するのとあわせて、それまで木造二階建てだった党本部を建て替えようということになり、六一年六月に建設計画を発表しました。総面積一万千六百平方メートル、地上七階地下二階、中央党学校をふくめて総工費四億円という計画で、募金も始めました。ところが、安保闘争など大きな政治情勢の変化もあって、計画は中断となりました。計画を変更して、一億円近く集まっていた募金で党本部の本館の一部と中央党学校を建てたんです。

阪神淡路大震災の「警鐘」をうけて

 その後、党本部の活動はどんどん発展したので、次々に建て増ししていきました。そのために、いまの党本部は八つの棟からなっており、しばしば「迷路」(笑い)といわれる状態です。八五年には「ASビル」が建ち、そこにあかつき印刷、赤旗編集局が入っています。これは面積八千七百三十八平方メートル、地上八階地下四階です。

 そういう経過のなかで、九五年一月に阪神淡路大震災がおきました。党本部でも急きょ、一級建築士で構造問題の専門家の清瀬永さんたち専門家のチーム、阪神大震災も体験された一級建築士の増田紘さんにお願いして、耐震診断をやっていただきました。その結果、党本部の一号館、これは中央委員会を開く会議室のある場所ですが、それに二号館、五号館等は震度7、つまり阪神大震災ぐらいの地震がおきると「倒壊の危険性あり」という判定がでました。補強策では耐震という課題にこたえられないという結論でした。

 そこで常任幹部会として九八年三月に全面建て替えを決めて、総合建設委員会を任命して仕事がスタートしました。十一月には五つの基本方針を決め、九九年六月の第四回中央委員会総会に報告し、承認されました。

代々木の党本部は貴重な財産

 党本部は、戦後、この代々木につくられました。そこで「代々木」が日本共産党の代名詞としてマスコミに使われているほどです。戦争中、ここにあった溶接学校が軍に接収され、敗戦になって政治犯が釈放された時期、当時の持ち主だった方から提供をうけて、ここに日本共産党本部が初めておかれたんです。そのころは、木造二階建てでした。土地は大蔵省のものでしたが、その後党が払い下げを受けました。

 いまは二千四百八十平方メートルで、当初の三倍近くなっています。建物は、八棟全部合わせて一万一千平方メートルです。ここは新宿に近く、非常に便利な場所です。こういうところに二千四百八十平方メートルの土地を党が所有しているということは、日本の党と民主運動にとっても大変貴重な財産で、それをどう有効に使うかは党の国民にたいする大きな責任の一つだと思います。

発展する党のイメージをデザイン

 ―――新しい党本部ビルは、どんな建物になるのでしょうか。

 上田 すでに発表したような建物の形になっていますが、設計主任は、一級建築士で地域建築空間研究所所長の小林良雄さんに担当していただきました。千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館の設計にも参加された、経験豊かな方です。

耐震と安全を第一に

 わが党は、第二十一回党大会で、「二十一世紀の早い時期に民主連合政府を」ということを国民に約束しました。九六年総選挙以来、党は選挙でも躍進に次ぐ躍進をはたしており、今年の総選挙でも必ず大躍進をということで、いま全党が奮闘しています。そういう二十一世紀の日本共産党の役割にふさわしい、また七十七年の党の歴史と伝統にふさわしい建物にということで、設計者の方々にも考えていただきました。

 十一階建ての一期棟、これは軒高が四十五メートル、てっぺんまで数えると五十一メートルです。それと八階建ての二期棟との二つの建物になります。設計主任の小林さんは、ここちよい街並みを形づくる三階建ての基壇の上に、大地に根ざした党の不屈さというイメージをもりこんだ大会議場のある八階建てと、発展しつづける党のシンボルともいえる十一階建てが立体的に並び、縦方向と水平方向とのデザインがあいまって、国民に開かれた明朗さとダイナミズムを表現するような、そういう気持ちでデザインされたということです。

 私たちが決めた基本方針が五つあります。

 まず第一は、耐震性など安全性を重視するということです。純鉄骨構造という十分な耐震構造を採用しています。もちろん、防火設備や避難路なども万全です。広さは一万四千平方メートルで、どうも自民党の本部より広いようで(笑い)、日本の政党の中で一番広い党本部ということになるかもしれません。

国民に開かれた明快な建物として

 第二に、国民に開かれた建物ということです。玄関は、広い明治通り側と、代々木駅からの商店街通り側と、両方にあります。商店街の通りに面しては、いまの通りから三メートル下げて建物を建てるようにしており、通行しやすく、また党本部に入りやすくしてあります。街路樹も感じのいいものを植え、親しみやすい構造にします。一階に入るとエントランス・ホールになっていて、展示コーナー、ビデオ視聴コーナー、打ち合わせコーナーなど、みなさんに使っていただけるようになっています。一階には、マスコミへの対応など党の広報にかかわる広報部があり、いろいろに使える多目的ホールもあります。二階には代々木診療所があり、地域の人にも利用していただけるようにしています。三階から五階は五百人収容の大会議室になっています。大会議室の内部は二階になっています。間仕切りや舞台は可動性で、中・小の会議にも使えるようになっています。党大会は千人以上ですから無理ですが、全国の地区委員長会議(三百二十九地区)ぐらいまではここで開くことができます。

 第三には、融通性にとみ、単純、明快な構成の建物ということです。いまの「迷路」のような構造とはまるで違った(笑い)、大変カラッとした、できるだけ間仕切りの少ない建物になります。ここで勤務する人約五百人が仕事できる党本部という計画で、一人あたりの執務面積は九・五平方メートルです。いまの建物より約三割広いのですが、主に共用部分が広くなっています。各階は、ロの字型の回り廊下に階段とエレベーターが付いていて、お互いの連絡などが敏速にできるような設計です。階段、エレベーター、トイレなど各種設備をサービスコアとして集約し、建物全体を貫いているという効率的設計です。

簡素で経済性を考えて

 第四は、簡素で経済性を考慮した建物ということです。働くものの党の日本共産党ですから、開放的で近代的なオフィスをめざしていますけれども、豪華さやぜいたくさとは縁がありませんので、簡素で耐久性に富み、汚れにくい、掃除もしやすいという建物です。外装は、磁器質のタイルを打ち込んだコンクリート・パネルを使います。色は検討中ですが、明るく清潔な色にと考えています。内装も機能性を重視した簡素な仕上がりにします。机やイスなどの備品は、新規に買い替えるのでなく、現在使っているものを使うようにします。

環境を大事に人間にやさしく

 第五は、環境と障害者、高齢者の方々に配慮した建物ということです。緑や街路樹を備え、もちろんバリアフリーで、車いすの方が使用できるトイレ等々もよく考えてあります。また、いまダイオキシン問題が大きな問題になっていますが、党本部の場合はすでにダイオキシンが出ないよう焼却をせず、紙類はシュレッダーで粉砕してリサイクルしてトイレットペーパーにして使っています。

 新しい水道水処理設備の採用により配水管はさびないで、これを使うと水質もかなり改善され、貯水の再利用も高くなるというものです。

 以上が基本方針ですが、国民に開かれた日本共産党らしい、二十一世紀に躍進する党の本拠として、もっとも力を発揮できるような建物になるだろうと期待しています。

党内外の方がたの協力と英知を集めて

 ―――総合建設委員会として重視されていることや、苦心されてきたことは、どんなことでしょうか。

 上田 いざ仕事を始めてみますと、いろんな問題にぶつかりました。しかし、ここまで順調に進んできたのは、設計・建築・構造・機械・電気など各界の有能な専門家の方々、党内外の多くの方々の協力と英知を結集してきたことが大きかったと思います。先ほどふれた設計主任の小林さんのほかに、構造の清瀬さん、まちづくり研究所の黒崎羊二さん、ASビルを設計していただいた工藤重勝さん、機械設備工事の設計担当の松田徳太郎さん、電気設備工事の設計担当の小川津久雄さん、みんなの建築設計社の高橋偉之さん、小松兵造さん(小松建築設計事務所)、千代崎一夫さん(住まいとまちづくりコープ)など、たくさんの方々にご協力をいただいています。

地域の方々と心のかよう話し合い

 まず、地域住民の方々との話し合いと協力が非常に大事な問題でした。日影の問題は北側がJRですのであまり大きな問題はありませんでしたが、環境問題、工事被害、商店の営業にたいする影響などが大きな問題でした。私たちは、地域住民や商店の方々との話し合いを大いに重視してすすめてきました。近隣の約四百軒を全部手分けして訪問して、説明会へ案内し、何回も説明会を開きました。みなさん大変協力的で、「いい党本部ができるのを期待しています」ということでした。もちろんいろんな意見や要望がでて、それについては誠実に対応しています。

 商店街からの要望は、ここをトラックが通るのではこの不況の時期に営業に影響が大きい、だから工期を短縮してほしい、トラックを通さないでほしいということでした。それで私たちも、トラックが何台通るかなどをあらためて計算しなおし、検討の結果、当初の三期の計画を二期に変更し、工事期間を四年に短縮する、商店街の通りは工事に使わないということを決断しました。これには、商店街の方々もびっくりして(笑い)、「さすが共産党だ」と、大変喜んでいただけました。党としても期間が短縮されるわけですから、これはよかったと思っています。私たちは、今度のような計画の変更があっても、中央委員会の活動は絶対に中断させないという方針をつらぬいています。

広く公募、公正な選定を

 二番目の大きな問題は、業者の選定です。業者選定には四つの方法があるようですが、党中央は「指名見積もり合わせ方式」を採用しました。これは、広く公募して、何人かの業者を選んで、見積もりを出してもらって、最終的に決めるというやり方です。

 工事は、「分離発注」といいまして、建築、電気設備、機械設備の三つの工事に分けてそれぞれ一つの企業に請け負ってもらう方式です。「しんぶん赤旗」とともに、業界紙に公募の広告を出して、九月二十日に締め切りました。その結果、建築工事は十九社、電気設備工事十九社、機械設備工事二十二社の応募がありました。私たちは、業者選考委員会をつくり、先ほどのべた専門家の方々といっしょに検討し、建築、電気設備、機械設備の各工事について、それぞれ五社に絞ったんです。その作業は大変なものでした。工事費、施工技術力、施工計画の問題等々、総合的にいくつかの基準で検討し、各一社を選びました。建築工事は戸田建設、電気設備工事は弘電社、機械設備工事は大気社で、三月九日に契約を結びました。

戸田建設「百年史」から

 基本建築の戸田建設は、創業から百十九年の歴史をもつ、総合建設企業としては中堅の会社で、慶応義塾大学の図書館、早稲田大学大隈講堂、学士会館、NHK放送センターなどを建設した実績があり、党本部の工事の特徴にも応じうる経験や技術力があると思っています。私も『戸田建設百年史』を読んでみたのですが、戦後GHQによって日本建設工業会が解散されたあと、新しく全国建設業協会を設立することになった。会長をだれにするかをめぐって、政治と結合しなきゃと考えた人たちは、当時の芦田均首相と親交のある土木関係の菅原通済氏を会長に推した。他方、一政党との癒着に反対する人たちは、戸田建設の二代目社長の戸田利兵衛氏を推した。戸田利兵衛氏は、業界はいたずらに国政の権力者や特定の政界の庇護(ひご)を受けるべきでないというのが、日ごろからの持論だったというのです。その旗を絶対ひかないもんで、結局二人とも辞退して、安藤清太郎という人が初代会長になったそうです。政党との癒着に反対する社史があるというのは、なかなかいい伝統だなと感じました。

「党は家族であり、ふるさとです」

 ―――昨年九月に建設募金がよびかけられましたが、その後、募金のとりくみはいかがですか。

 上田 すでに発表していますように、建設予算は総額八十五億円です。そのうち、第一次目標として、二〇〇一年までの二年間の募金運動で二十五億円集めることにしています。寄付については、一万円以上の寄付に応じてくださった方のお名前は、カプセルにいれてビルの基底部に保存する計画です。もちろん、金額の大小を問わずおいくらでも受け付けます。なお、政治資金規正法にもとづいて、一万円をこえる寄付は、所得税の課税優遇措置を受けられます。また、建設協力借入金は十万円以上で、これは無利子で、五年後または十年後返済ということです。

 寄付、借入金あわせて三月三十一日現在で九億三千万円集まっており、予約が一億円以上ありますので、合計して約十億円となりました。始めてから約半年で目標二十五億円のうち十億円ということです。募金は順調にすすんでいるといっていいと思いますが、本格的にはこれからです。

 建設募金で寄せられた声があります。「党本部に何度かおじゃましましたが、なんとわかりにくい建物かとかねがね思っていました。今回建てなおすことを知ってほっとしました。現在がん患者で年金生活のゆえ、たいしたことはできませんが」ということで、募金に応じてくださった方、「同時代をともに歩いてきた者の一人として応分の寄付をしたい」という方、「今年九十三歳の私ですが、お送りいたします」と俳句をつけて寄付を送ってくださった方、「夫は十三年前に亡くなりましたが、党への気持ちを生かしたいので、基底には夫の名前を入れてほしい」という方々などです。群馬、岡山などの党支部からは、詳しいとりくみのリポートもとどきました。

 昨年十一月十六日付の本紙で紹介したのですが、群馬県草津町にあるハンセン病の療養所、栗生楽泉園の党支部からは、合計二百数十万円の募金を送っていただきました。支部長の谺(こだま)雄二さんは「党は家族であり、ふるさとです」ということで、支部全体でとりくんだと語っています。けっして豊かとはいえない自分たちの貯金のなかから大口の寄付をしてくださって、これは私どもも大変感動しました。

 第一次目標の二十五億円のうちいまのところ十億円ですけれども、ぜひ目標を達成できるように、党の内外の方々のいっそうのご協力を心からお願いします。

21世紀の輝かしい拠点となるように

 いま、小渕内閣のさまざまな無責任な態度に、多くの国民の怒りがひろがっています。越智金融担当相の金融機関への”手心”発言、警察・公安委員会や自衛隊の相次ぐ不祥事、核持ち込みの重大問題にたいするひとごとのような答弁など、まったく責任を感じない、また危機感も持ってないひどい態度です。政府予算は成立させられましたが、小渕首相が「世界一の借金王」と名乗って、財政破たんになんの手も打たないで平然としているような、日本の政治をこのままにしておくことはできないということは、まじめな日本国民の共通した率直な気持ちだと思うんです。そういう気持ちにこたえて、日本共産党は総選挙での躍進、二十一世紀での国政革新にむかって、たたかい続けていきます。

 ますます重要になる日本共産党の国民的役割にこたえうるような、党の拠点であるだけでなく、日本の革新勢力全体の拠点ともなる新しい党本部をここに完成するという、歴史的大事業をみごとになしとげるために、私たちも努力しますし、ぜひ多くのみなさん方のいっそうのご協力を重ねてお願いしたいと思います。


建設募金にご協力ください

 〇建設募金は、日本共産党中央委員会、または都道府県委員会、地区委員会で受け付けています。建設募金の電話によるお申し込みや、お問い合わせは、下記のフリーダイヤルにお願いします。

 〇郵便振替を利用される場合は、党本部建設募金用の郵便振替用紙を使い、その通信欄に必要事項を記入し、下記の口座に送って下さい。

 〇銀行振込を利用される場合は、下記の口座に振り込むとともに、党本部建設募金用の送金連絡はがき(切手はいりません)に必要事項を記入して投かんして下さい。

 〇なお、党本部建設募金用の郵便振替用紙や送金連絡はがきは、上記のフリーダイヤルに電話をいただくか、都道府県、地区委員会でお求めください。

 

2000年4月3日「しんぶん赤旗」



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