日本共産党

2004年4月4日「しんぶん赤旗」

主張

 国立大法人発足

 政府は予算削減と介入やめよ


 全国に八十九ある国立大学が、一日からいっせいに、国立大学法人となりました。戦後つくられた大学制度が根本的にかわります。国立大学がどうなるのか、大きな注目を集めています。

授業料値上げへの懸念

 もともと国立大学法人制度は、国の直轄をやめることで国の財政負担を弱めながら、文部科学大臣が各大学の教育・研究の目標を決めるなど国の統制を強めるしくみをもっています。そうした制度のもとでも、大学関係者のねばりづよい努力によって、大学が「学術の中心」にふさわしく、国民にひらかれた高等教育機関として発展することが、期待されています。

 しかし、政府が国立大学法人への予算を毎年削減するルールを決めたことは、大学の発展を大きく阻害するものです。〇五年度の削減額は九十二億円と見込まれ、その後も毎年約九十億円ずつ減らされ、五年後には最大で約四百五十億円の削減が予想されています。これは、中小の国立大学十校分への交付額に匹敵するもので、存立が危ぶまれる大学がうまれかねません。このようなルールは撤回し、高等教育予算を増額すべきです。

 文科省は授業料の標準額を五十二万八百円と定め、各大学で十%の値上げを認めるとしています。そのため、二〇〇五年度から授業料が上がるのではないかとの不安が、学生の間でひろがっています。とくに、懸念されているのは、学部間格差が導入され、医学部の授業料が引き上げられることです。法曹養成のために今年度から発足した法科大学院の授業料は、国立大学法人の場合で八十万四千円という高額になりました。

 「法人化で授業料が高くなることは絶対に避けなくてはいけない」――。法人発足の根拠となる国立大学法人法の国会審議での文科大臣答弁です。政府は、教育の機会均等を保障するためにも、授業料の抑制につとめなければなりません。

 新しい制度のもとで、大学は、文科大臣が決めた目標にもとづいて教育研究をおこない、その達成度によって国から交付金をうけることになります。政府は「規制改革・民間開放推進三か年計画」で、その達成度評価に数値基準を導入し、それにもとづいて大学の改廃・統合を行うよう閣議決定しました。

 そもそも教育研究は数値ではかるものではありません。行政的視点から数値基準を導入すれば、大学がになう学問の長期的な視野にたった多様な発展をつぶしてしまいます。「学問の自由」を脅かしかねない数値基準での評価は認められません。

 大学の自主的運営を保障する点で、国立大学法人を運営する役員会や経営協議会に、遠山前文科大臣や工藤元高等教育局長など大量の文科省出身官僚がT天下りUしていることは重大です。国会で日本共産党の石井郁子衆院議員が追及したように「文科省の監視役」を置くようなもので、「官学の癒着」になります。このようなT天下りUは禁止すべきです。

新たなとりくみを期待

 各大学では、学生への教育や創造的な研究の充実、地域貢献など、さまざまな改革がとりくまれています。国民のための大学として発展するために大切なのは、教育研究の当事者である教職員、学生、院生が主体的に参加する大学運営です。国民の多様な意見をうけとめることも必要です。そのための大学関係者の新たなとりくみが期待されます。


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