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サラ金被害者をなくすための総合的とりくみ

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サラ金被害の問題は、長年問題視されながら、被害をなくすための本格的なとりくみはないがしろにされてきました。今こそ、サラ金被害者をなくすための実効性のある、総合的なとりくみが必要です。以下、いくつかの提案を紹介します。

野放しになっているサラ金CM、宣伝の適正な規制

 国民生活センターの調査でも、サラ金から借りるきっかけは、テレビCMや新聞、インターネットの広告が非常に大きな割合を占めています。現行法にも誇大広告については禁止する規定がありますが、実際には徹底されていません。こうしたもとで、借り手の立場に立った情報は不足しており、サラ金被害が深刻化する大きな要因となっています。サラ金CM,宣伝の適正な規制は、サラ金被害を「入り口」で食い止めるためにも急務です。

 2006年3月、日本共産党の大門参院議員の質問に対する答弁で、与謝野金融大臣(当時)が、サラ金のCMについて「不愉快」と明言しました。この直後、サラ金7社は、連名で「テレビCMに関する新たな自主的対応について」という文書を発表しました。その中身は、午前7時から午前9時、午後5時から午後10時までは原則としてサラ金CMを行わないこと、午後10時から午前0時までは、1放送エリア1社あたり月間100本を上限とすることなどの自主的対応を決定しました。しかし、これは時限的な措置(当初は三ヶ月程度。その後批判を受けて延長)であり、今後継続されるかどうかは不明です。しかも、その他の時間帯(若者の視聴が多い深夜帯など)では、依然としてサラ金CMが垂れ流されています。インターネットでの宣伝・広告などは事実上野放しです。ある外資系のサラ金は、インターネット上で「仮審査」を行っていますが、「わずか60秒で審査します」を売り物にしており、「審査が柔軟で甘い」ことがネット上でも「評判」になっています。日本のサラ金CMの特徴は、「●●万円まで借りられます!」、「●●万円までご利用可能です」など、“利用可能”であることのみを強調し、お金を借りることについての警告、利子の危険性などについての警告はほとんどみられません。

 欧米では、「いくらの利息を支払わなければならないか」「総額いくらの負担になるのか」などを宣伝の中できちんと明示しなければなりません。サラ金会社が、借りる人の支払能力を文書で証明しなければならない場合すらあります。

 日本でも、業界任せにせず、サラ金の宣伝・広告について、実効性あるルールを早急につくるべきです。駅前などの公共空間や公共施設でのサラ金看板の規制、テレビCMについて時間帯を問わず内容、本数を規制する、インターネットでのサラ金CMについての厳格なガイドラインの作成、すべての広告にカウンセリング先や相談窓口を必ず明示させるなど、実効性あるルールを整備すべきです。

 この点で、2006年12月、マスコミが「金融庁がサラ金の屋外看板を大幅に制限する方向で検討」(日経)と報じたことは注目に値します。一年後をめどに、ビルの屋上などの大型広告看板を禁止する方向で検討しており、テレビCMでも規制を強化する方向で検討しているとのことです。貸金業法改正のときと同じく、サラ金業界からの強力な圧力が予想されますが、実現に向けた世論と運動が必要です。

無人契約機(ATM)やインターネットでの貸出に関する適正な規制

 駅前などにある無人のサラ金契約機(ATM)は、全国で40万台近くにのぼります。大手5社では、貸出の98.2%、返済の85.8%がATMを経由しています。無人契約機は、サラ金会社にとって主力ツールなのです。しかも、無人契約機(ATM)の場合、年収や勤務状況などの重要事項でさえ基本的に「自己申告制」です。これでは実質的な審査は不可能です。ひどい場合は、氏名や年齢、電話番号だけで「審査」をパスしてしまうケースもあります。無人契約機

 無人契約機やインターネットによる貸出契約で重要事項をしっかり説明するためには、単なる書面の交付や書面での説明ではなく、助言に近い義務を課す必要があります。この点で、日米の金融業界は、貸金業規制法第17条、第18条で求められている貸付時や返済時に交付する書面記載内容について、電子的交付で済むようにしようとするなど、規制の形骸化をねらっています。

 しかし、無人契約機やインターネットでの貸付契約書類について電子的交付が認められれば、借り手は、どのような金利、返済条件での貸付契約なのか、毎回の弁済が、元金・利息等のどこに充当されるのかについてきちんと認識しないまま、利息制限法で定める上限利息(20%)を超えて支払う危険がいっそう高まります。2000年、いわゆる「IT書面一括法」が成立する際に、貸金業関係については、契約を巡るトラブルが多発しているという理由で、国会でもこうした懸念が表明され、電子書面化の対象から除外されたという経緯もあります。日米の金融業界のたくらみを許さず、むしろ無人契約機、インターネットでの貸付契約について、実効性のあるルールを策定すべきです。

 この点でも、金融庁が、無人契約機(ATM)についての規制を強化する方向だと報じられている点は注目に値します。具体的には、金融庁は、郊外のパチンコ店や競馬場の近くへの無人契約機(ATM)の設置を制限することを検討しており、一年後をメドに、『自主規制基準』の作成を業界団体に求めるとしています。

 もちろん、業界の『自主規制基準』では不十分に終わる可能性がありますし、インターネットでの貸出については放置される可能性もあります。今後とも実効性ある無人契約機やインターネットでの貸出に関する規制をつくりあげていく必要があります。

だれもが利用できる身近な相談窓口の整備

 サラ金被害の特徴は、借りる前の段階でも、借りた後の段階でも、借り手に正確な情報が与えられる機会がきわめて少ない点にあります。借金の問題を相談できる場所や組織が身の回りにないため、自分1人、家族だけが抱え込んで被害を深刻化する例があとを絶ちません。サラ金被害をなくすためには、正確な情報を得られる、身近な相談窓口の整備が急務です。

 例えば、ドイツには、全国700ヶ所に「債務者相談所」と呼ばれる組織があり、借り手の相談窓口となっています。また、16の州に一つずつ「消費者センタ−」と呼ばれる組織があり、金融商品以外も含めて消費者の相談にのっています。この組織でも債務整理などサラ金に関する相談を行っています。

 これらの相談所、センターに対しては、ドイツ連邦政府と州政府が財政的支援を行ってサポートしています。例えば、「ドイツ消費者センター」の運営に関する費用は、消費者保護・食糧・農業省を中心に、年間800万ユーロ(約10億円、2001年度)が支給されています。また、それぞれの州の「消費者センター」も、それぞれの州政府の予算によって賄われています。例えば、「ベルリン州消費者センター」は、ベルリン州保健・社会福祉・消費者保護庁から、年間約2億円の補助を受けています。そのうち人件費が1.7億円で、30人の正規スタッフが仕事をしています。

 日本にも類似の組織として、消費生活センターなどの組織があります。また弁護士会や司法書士会、被害者団体などのサラ金相談窓口もあり、それぞれ立派な相談活動を行っています。しかし、一方で、ウラでサラ金業界とつながり、多重債務者を食いものにするような相談活動を行っている悪質な「相談」窓口もありますし、相談する組織によって対応がマチマチになってしまうという問題も指摘されています。そこで、こうした問題を解消するために、借り手の債務状況、家計の状況等をふまえて、適切な相談を一元的に行う体制を早期に整備するべきです。

使いやすい貸付制度、セーフティーネットの充実

 多重債務に陥らないためのセーフティーネットとして、リストラや急病などで急な出費が必要や人や、事業資金などの資金繰りに困った中小業者の人たちに対して、生活設計などを含む金銭・生活設計カウンセリングを前提に、貸付が受けられる制度を充実させることが重要です。

 具体的には、低所得者向け生活保護の充実、生活資金などの緊急小口資金融資制度の拡充、政府系金融機関や信用保証協会などによる低利融資の拡充などが求められます。そして何よりも、民間金融機関が、小規模業者に対しても、適正な金利での貸出を行うという当たり前の責任を果たすべきです。

 公的貸付制度については、現在でも、厚生労働省の「生活福祉資金貸付制度」などが存在しています。この制度は、2004年度で1万7955件、161億円の貸付実績があります。同制度のうち、03年にスタートした「緊急小口資金」の対象者は、市町民税非課税、生活保護基準1.7倍以下の所得の人です。貸出は5万円、利息3%、保証人は不要です。最短で2日で融資が受けられます。04年の実績は4520件、融資残高は4億円です。

 また、自治体のとりくみとしては、自治体提携社会福祉資金貸付制度(労働金庫による協調融資)があります。同制度の対象は、中小企業に一年以上勤務している人で、年収150万円以上(税込み)の人です。保証人は必要ありません。「緊急生活資金」の場合、20万〜30万を金利1.75%で貸出しています。「生活資金」は200万円を限度に金利2.44%で貸しています。「教育資金」は300万円が限度で金利は1.74%です。04年は、新規で4523件、111億円の融資を実行しました。04年4月6日現在で、全国で3万6560件、922億円の残高があります。

もちろん、融資の質と量の拡大、融資のスピードアップなどの課題もありますが、今必要なのは、こうした貸付、セーフティーネットを抜本的に拡充することです。

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借り手の生活再建を助ける仕組みの充実

 多重債務に陥ってしまった人を救済するには、自己破産制度や個人版民事再生制度、特定調整制度など、現在ある「債務整理」の仕組みをさらに使い勝手よくすることが重要です。具体的には、これらの制度を使う際の条件緩和、弁護士、裁判費用などの経済的負担軽減などを検討すべきです。さらに、「払いすぎ」分の返還については、現状では訴訟を行わなければならず、裁判という高いハードルがあります。そこで、「払いすぎ」分については、サラ金業者が率先して払い戻すことを促進すると同時に、裁判(訴訟)ではなく、債務者からの「請求」だけで返還が認められるような行政指導を行うべきです。

 また、借り手の生活再建のためには、単に借金がなくなればいいというわけではありません。多重債務に陥った要因の除去、生活スタイルの再建を含めた支援が必要だからです。例えば、アメリカでは、CCCS(Consumer Credit Counseling Service)という組織が、多重債務者に対してカウンセリングや「デット・マネージメント・プラン(DMP)」と呼ばれる生活再建プランをつくって支援を行っています。DMPの概要は、重篤な多重債務者に対して、@債務者の立場で心理ケアと家計見直しの継続的なモニタリングを行う、A債権者との交渉を代行し、金利減免や支払期間延長、回収活動の中止の要請などを行うことです。

 フランスには、各都道府県に一つ、「過剰債務審査委員会」(commission de surendettement)という組織がおかれています。フランス全土で110ヶ所程度存在しています。メンバーは、県の代表者、県出納役、租税当局長(以上3名は常任代理人を選ぶ)、フランス銀行地方代表、各県知事が選任する者2名(1名はフランス金融機関協会および投資企業協会の提案に基づき選出、1名は家族団体及び消費者団体の提案に基づき選出)の6名です。この委員会の事務局を担っているのはフランス銀行(日本の日銀にあたる)で、同行の職員が1,000人程度配置されています。借金を抱えた人は、誰でもこの委員会を利用できます。

 同委員会は、借り手の生活再建のために「和解プラン」を作成します。同プランは、最低生活費の確保が条件とされている点が大きな特徴です。また、和解期間内の家計管理指導や、返済計画の作成、債権者への説得なども行っています。さらに、借り手が委員会に書類申請すると、委員会は受理した本人の氏名を「個人債務返済事故者リスト(FICP)」に掲載します。これは、債務の乗換え(おまとめローンなど)を勧誘する他のサラ金業者から借り手を守るためです。近年、3年の猶予期間を経て借金の免責を認める新制度が導入され、借り手の生活再建のツールが増えたといわれています。借り手の本格的な生活再建のためには、こうしたきめ細かい支援が必要です。

 日本でも同様の組織が生まれています。長野県では、04年7月に「長野県多重債務問題研究会」をスタートさせました。県や市町村の担当者、弁護士会、司法書士会、貸金業界、教育委員会、マスコミなど18の団体が参加し、サラ金被害をめぐる生活相談や債務整理に協力しています。沖縄県の奄美市でも、市民生活係と弁護士が連携してサラ金被害の相談、解決に協力するやり方(奄美方式と呼ばれる)が生まれています。

 こうした国内外の経験を参考にしながら、生活再建委員会や生活再建アドバイザー(仮称)の育成など、借り手の生活再建のための総合的な体制を整備することが求められています。

ヤミ金対策の強化

 今国会で成立する見込みの貸金業法では、ヤミ金組織に対する罰則が強化(最高懲役5年から10年など)されます。

 こうした刑事罰だけでなく、警察、司法当局と連携したとりくみの抜本的な強化が求められます。ヤミ金問題は、ヤミ金被害などの情報を受けた警察と司法当局がどこまで真剣に取り締まるかにかかっています。「借りたあなたが悪い」「忙しいから」などといって追い返される例が、現在でも後をたちません。この点で、大門実紀史参院議員が、警察庁から「(借りた方が悪いなどの対応は)不十分な対応。調査させる」との答弁を得た点は重要です。今後とも、こうした警察と司法当局の対応を根本的に改めることが不可欠です。こうした警察と司法当局の対応を根本的に改めることが不可欠です。

 なお、ヤミ金融が勧誘に使うのは多重債務者の「名簿」です。この「名簿」の売買を厳しく規制することが必要です。すでに、多重債務者の名簿の売買が「出資法違反のほう助罪」として検挙された例も生まれています。警察としては、こうした名簿の取締を抜本的に強化すべきです。さらに、携帯電話に対する規制を強化することも有効です。「ヤミ金融が顧客勧誘につかうのはレンタルした携帯電話。レンタル業者に、貸出先の本人確認を徹底させる条文を盛り込めば、違法行為があればすぐに本人を突き止めることができる」(溝呂木弁護士、『日経新聞』06年11月9日)などの指摘もなされています。


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