|
|
ときの政権の座にいる自民党議員がNHKの番組に放送前に介入し、改変させた事件が大きな政治問題に浮上しています。 NHKの番組「戦争をどう裁くか(2)問われる戦時性暴力」(2001年1月30日放送)に、安倍晋三幹事長代理(当時・内閣官房副長官)、中川昭一経済産業相が事前に介入し、番組の内容が大きく変更されたと告発されています。 いったいなにがおこり、なにが問題なのでしょうか。 ■■番組はどう改ざんされたか■■
放送日の前日、安倍官房副長官と面会したNHK幹部はスタジオへ取って返し、作り直しを指示。編集作業は深夜に及び、44分ものだったのが43分になって完成しました。さらに放送日当日の夕方、幹部から再度「カット」の指示が出て、編集は夜10時の放送まぎわまで続きました。放送されたのは40分のものでした。何が消され、何が加えられたのか。実際に放送された番組と、44分版の修正台本を比較し、番組改変のありさまを見ました。(「しんぶん赤旗」05年1月16日付)
■■隠せない介入の事実――安倍氏の弁解を検証■■「圧力をかけていない」「公正・中立にといっただけ」――。自民党の安倍晋三幹事長代理が、NHKの「従軍慰安婦」番組改ざん問題で、あれこれ弁明しています。介入を明白に認めた当初の発言を変えるなど否定に躍起。しかし、この間の経過や安倍氏自身の発言をみても、圧力・介入の事実は隠しようがありません。
■■なにが問題か■■放送法に反する介入、憲法に反する検閲憲法21条は、言論・表現・報道の自由を保障し、検閲を禁止しています。また放送法第3条は、放送内容についての外部からの介入を禁止しています。政権・与党の政治家が、テレビ番組の内容について、事前に放送中止や、内容の変更を求めるということは、憲法や放送法に反する民主主義破壊の行為です。 こうした行為をおこなった政治家と、その圧力に屈して番組の改ざんをおこなったNHK関係者は、それぞれがその責任をきびしく問われなければなりません。 安倍氏は当時内閣官房副長官、中川氏は現職の閣僚です。一政治家による放送内容への政治介入問題にとどまらず、政府の要職にあるものの政治介入として、小泉内閣の責任が問われる問題です。 「慰安婦」問題で歴史そのものの改ざんをねらう安倍氏は放送前日に、NHKの放送総局長に会い「意見」をいったことを認めつつ、番組が「ひどい内容」と攻撃してみずからの行為の正当化を図っています。「読売」「産経」の社説も制作現場や番組に矛先を向け、安倍氏の発言の後押しをしています。安倍氏やこれらのメディアが問題にしているのは、歴史の事実として従軍慰安婦問題をとりあげ、旧日本軍の関与や昭和天皇の戦争責任を明らかにすることそのものです。 政府は1993年に発表した見解でも、従軍慰安婦問題での旧日本軍の関与を認め、国際的に「お詫(わ)びと反省の気持ち」を明らかにしています。それを否定するような番組の改ざんは、まさに歴史そのものを改ざんしようとするものです。「日本は過去の歴史の隠ぺいを中断し、今回の事件を自己反省のきっかけとすべきだ」(韓国・ソウル新聞1月13日付)、「日本で政治家が、慰安婦模擬裁判に関する報道でNHKに圧力」(マレーシア・華字紙星州日報14日付)など、アジア各国から批判の声があがるのは当然です。 |
各界、世界から批判の声
|
|