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2000年6月7日
日本共産党幹部会委員長 不破 哲三
日本共産党の不破哲三委員長が七日の記者会見で発表した「少年法改定問題について 成人年齢を『十八歳以上』に引き下げ 選挙権と一体の解決を提唱する」の全文はつぎのとおりです。
凶悪な少年犯罪が連続的に起こり、深刻な社会問題になっているなかで、少年法改定をめぐって、多くの議論が起こっており、「少年」の年齢規定をどうするかが、重要な問題点の一つとして提起されています。
現在の少年法は、十八歳から二十歳未満の若者を法律上は「少年」として扱い、よほどの場合以外は、原則として刑事責任を問わないことにしています。少年法でのこの年齢規定と、少年犯罪の凶悪化をふくむ社会的な現実とのあいだに、重大な矛盾が生まれてきていることは、否定できない事実です。
日本共産党は、この問題は、少年法の枠内だけで解決されるべきものではなく、今日の日本の社会で、何歳の年齢の青年を、社会を構成する「成人」として扱うかにかかわる問題だと考えます。そして、年齢二十歳以上を「成人」とする現在の規定を全体としてあらため、「成人」年齢の基準を十八歳に引き下げて、年齢十八歳以上のすべての青年を「成人」とし、日本の社会を構成する社会人としての権利と義務を明確にすることを、提唱します。
このことは、具体的には、(一)「十八歳選挙権」を実施すること、(二)少年法の適用年齢を現行の「二十歳未満」から「十八歳未満」に引き下げること、を内容とします。
選挙権の問題では、現在の世界では、「十八歳選挙権」が大勢になっています。国立国会図書館調査局の資料によれば、調査した百六十八カ国のうち、百四十六カ国が「十八歳選挙権」またはそれ以下の年齢での選挙権を実施しています。二十歳または二十一歳の選挙権という国は、わずかに二十一カ国しかありません。そしてサミットに参加している諸国は、すべて「十八歳選挙権」です。
日本共産党は、長年にわたって「十八歳選挙権」の実施を求め続けてきました。いまや、この問題は、日本の社会的現実からいっても、避けることのできない問題となっています。
日本の現在の法体系でも、十八歳から二十歳未満の青年は、労働法や納税義務などでは、事実上の成人として、社会的な義務を負わされています。義務の面でそういう扱いをしながら、政治上の権利を保障しないというのは、青年にたいする社会の対応として、明らかに一貫性を欠くものです。
少年法にかかわって問題になっている矛盾も、十八歳以上二十歳未満の青年を「少年」として扱うことから起きている矛盾です。
そのためにも、日本共産党は、「十八歳選挙権」の実施を急ぐことを、強く求めるものです。
少年法の改定についていえば、「成人」の年齢規定をあらため、少年法の適用年齢を「二十歳未満」から「十八歳未満」に引き下げることで、年齢的な矛盾の適正な解決に、道が開かれることになります。社会人としての政治的権利を保障される以上、一人ひとりの青年が、自分の行為にたいして、刑事責任をふくむ社会的責任を負うのは、当然のことになるからです。
少年法には、適用年齢の問題のほかにも、犯罪被害者の救済対策、犯罪をおかした少年にたいする対処、再び事件をおこさせないための対策など、多くの問題点が提起されています。私たちは、それらすべての問題点について、真剣かつ慎重な検討をすすめたいと考えています。
少年犯罪の防止の問題は、教育の抜本的な改革と不可分のものです。
日本共産党は、子どもの世界の今日の異常な状況を、社会と政治の総力で解決するために、(一)学校教育を、受験本位の詰め込み教育から、人間づくりを中心にした教育(知育、徳育・情操教育、体育)に切り替え、そのなかで社会を構成する市民としての市民道徳の教育を重視すること、(二)おとなの世界が各分野で道義の確立につとめ、とくに政治の分野、経済の分野が最大の責任をはたすべきこと、(三)暴力とポルノなど有害な情報から子どもをまもる社会的な自主的ルールを確立すること、の三つの改革を提唱してきました。今後ともその努力をひきつづき強めるとともに、親御さんたち、学校など教育関係者、地域のみなさんなど、子どもの世界の健全な発展をはかるための広範な共同の努力を期待したいと思います。
さらに、「成人」規定の変更にともなって、学校教育のあり方にも、大きく再検討すべき点が、当然、出てきます。普通の場合には、誕生日をむかえた高校三年生は、成人として選挙権をえることになるわけで、そういう世代の青年の教育と成長の場として、とくに高校教育には、新たな視野と角度からの検討が求められてきます。
新しい世紀を目前にして、十八歳以上の青年に選挙権を保障すると同時に、社会を構成する「成人」として、一人前の法的・社会的な責任を果たすことを求めるこの改革は、日本の未来にとって、重要な意義をもつと考えます。私は、この改革が、国際水準からの日本の政治の年来の立ち遅れを克服するとともに、若い世代のあいだに、二十一世紀の日本をきずいてゆく主役としての新しい流れをおこす力となることを、期待するものです。
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