日本共産党

いっせい地方選挙にのぞむ各分野の政策

2007年1月19日  日本共産党

【7】防災、安心安全のまちづくりをすすめます

 政府・中央防災会議の専門調査会は、首都直下型地震が発生した場合、最悪のケースで建物の約85万棟が全壊または消失し、死者は1万2千人に達するとの被害想定を発表しています(04年12月)。災害による被害をいかに最小限に食い止め、災害が発生した場合、生活や営業の再建を一刻も早く支援する制度を確立していくことが求められています。日本共産党は、学校や住宅などへの耐震診断・補強、事前の防災対策、被災者支援制度の拡充など、災害対策を強化します。

 現行の被災者生活再建支援法は、支給対象となる経費が解体、撤去費用等に限られ、住宅の建設、補修費用は対象外となるなど、大きな問題点があります。一方、鳥取県(地震対策)、福井県(豪雨災害対策)などで、国の基準を超えた独自の支援策を設ける自治体も生まれています。

 福井県の制度は、04年の豪雨災害に対し住宅の補修、新築、改修に対し、全壊世帯に400万円、半壊世帯に200万円などの個人補償をおこなうものです。国に対し、被災者生活再建支援法の改正を求めるとともに、自治体独自の支援策の拡充を求めます。

 阪神大震災以降、自治体や住民団体のなかで防災マニュアルの作成がすすんでいます。ボランティア組織や障害者、高齢者団体、自治会などと協力して高齢者や障害者など援助を必要とする人たちにたいする防災マニュアルの作成と障害者や高齢者向けの防災マップの作成、要援護者にたいする具体的な援助体制の確立など、条件整備をすすめます。

 住民向けの「防災講座」、「防災講演会」などを開催し、住民の防災意識の高揚をはかり、学校教育のなかで防災教育を重視します。また、災害対策用の浄水器など防災器具の確保、ハザードマップの公表、防災器具置き場の設置など、自治体の防災対策の促進をはかります。自主防災組織の結成への援助など住民の自主的な防災活動を支援します。

 消防職員など、国が示した「消防力の基準」を満たしていない自治体が少なくありません。消防職員の増員や消防水利の整備など、消防力の強化をはかります。住民の声を取り入れ、地域防災計画の見直しをはかります。

 震災が発生しても被害を最小限にくい止めるために、学校などの公共施設、住宅への耐震診断と耐震補強への助成は不可欠です。とりわけ、耐震診断への補助制度の導入を全くしていない市町村は6県に及び、同じく改修補助のないのは16道県もあり、その背景に自治体の財政難があるといわれています(「毎日」07・1・4付)。

 すべての自治体で公共施設や住宅などへの耐震診断と耐震改修の助成を実施させ、政府にそのための財政援助を求めます。

 全国のねばり強い運動の力によって、昨年、新しいバリアフリー法(バリアフリー新法)が制定されました。「誰もが自由かつ安全に移動・利用することは基本的権利である」という考え方にたち、事業者まかせではなく、国と自治体が責任をもって計画的に実施することが必要です。

 公共施設はもちろんのこと、多数が利用する施設、歩道、地方の駅や利用者数の少ない駅などのバリアフリー化をすすめます。法基準の見直し、計画づくり、実施には、利用者、住民、NPOなどの参加と協働を広げます。地域公共交通の維持とともに、バリアフリー化がすすんでも移動困難な人のための輸送手段(個別的代替輸送・スペシャルトランスポートサービス)の確保をはかります。

 子どもが犠牲になる犯罪事件が相次ぎ、保護者の不安が増大しています。各地で「キッズ守り隊」などのボランティア組織を自治体が支援、奨励する動きが広がっています。日光市では通学バスを開始しました。自治体として、子どもの通学路、地域の安全を確保するとりくみをさらに拡充します。

 凶悪犯罪が相次ぐ中で、治安に対する住民の不安がひろがっています。身の回りで、空き巣やひったくりもあとをたちません。日本共産党は、警察のいちばんの仕事は市民生活の安全を確保することという見地にたって、警備公安に偏重した現在の警察の体質・体制を改革します。また、警察官に週休2日制が導入された際、必要な人員増がされなかったため空き交番が増えています。日本共産党は、警察官を市民生活の安全の分野に適正に配置し、足りない場合は最小限必要な警察官を増員することにより、空き交番を即時に解消します。


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