2001年6月1日「しんぶん赤旗」で発表

第19回参議院選挙にあたっての日本共産党の各分野の政策

 「第19回参議院選挙にあたっての日本共産党の各分野の政策」は次の通りです。これは日本共産党第2回中央委員会総会(2001年5月29日)で重点政策とあわせて発表することが確認されたものです。


社会保障

国民に信頼される社会保障制度をめざす

 底知れぬ将来不安が国民を自己防衛にかりたて、これがまた今日の不況を長期化させる原因の一つになっています。社会保障は、国民の暮らしの共通の土台であり、これを信頼できる制度に改善・充実させることは、暮らしをまもるうえでも、経済をたてなおすうえでも緊急で不可欠の課題です。

介護保険の恒久的な低所得者対策を国の制度として確立する

 介護保険実施から一年、利用料や保険料負担が重いために、低所得者が必要なサービスを受けられない事態が頻発しています。それは利用限度額にたいするサービスの利用率が、全国的に四割にとどまっていることでもあきらかです。マスコミの調査によっても、市町村の七割は、給付実績が当初予算を下まわり、「自己負担を気にして利用が抑制された」ことを、最大の要因としてあげています。十月からお年よりの保険料満額徴収がはじまれば、低所得者は、さらに必要なサービスを切り縮めざるをえなくなります。

 住民税非課税者の保険料・利用料は免除・軽減する恒久的な措置を、地方自治体に広げるとともに、国の制度として確立することは、最小限の課題です。

 保険外の自立支援対策を含め、サービス提供や介護基盤整備など、地方自治体が本来の役割を発揮することがますます重要となっており、そのための国による財政支援を強めます。

医療大改悪をやめ、だれもが安心できる医療保険制度をつくる

 自民党や公明党は、医療保険制度の「抜本改革」と称して、二〇〇二年度にも国民負担の引き上げと給付の削減を内容とする医療大改悪をたくらんでいます。とくに、健保本人負担の二割から三割への引き上げや、「高齢者医療保険制度」を創設し、介護保険にならって、すべてのお年よりから保険料をとりたてようとしていることは大問題です。

 今年一月からのお年よりの窓口負担増は、すでに深刻な受診抑制をひきおこしています。これを中止するとともに、医療大改悪をやめさせるため、(1)老人医療費に占める国庫負担の割合が、一九八三年の老人保健法制定時の四四・九%から三一・九%(二〇〇一年度予算)に下がっていますが、これを計画的にもとにもどします。(2)「新薬」承認審査や薬価決定のあり方にメスを入れ、薬価を適正な価格に引き下げます。(3)国・自治体をあげて、開業医、医療機関の協力のもと、病気の早期発見・治療とともに、予防・公衆衛生や福祉施策に力を入れ、住民の健康づくりのための施策を推進します。そのため国の予算を増額します。以上の方策をすすめることによって、お年よりと現役労働者の負担を軽減し、医療機関の経営をまもります。

年金改悪を凍結し、信頼できる公的年金制度を構築する

 昨年三月の年金改悪は、国民の将来不安を一気に増大させました。支給開始年齢の六十五歳への繰りのべ計画や賃金スライドの停止、支給額五%削減などの計画を凍結すべきです。そのためにも、基礎年金への国庫負担を現行の三分の一から、ただちに二分の一に引き上げます。将来的には、財政再建をすすめながら、年金財源を確保して、国庫と大企業の負担による最低保障年金制度を創設し、このうえに掛け金に応じて年金が受け取れる二階建ての年金制度をめざしていきます。

 パート労働者や派遣労働者などの権利をまもり、年金をはじめ各種社会保険の適用をすすめます。無年金障害者の救済策をただちにおこないます。

福祉を拡充し、だれもが安心して過ごせるまちをつくる

 各地で乳幼児医療費の無料化が広がっています。国の施策として、乳幼児医療費の無料化制度を創設し、各自治体の独自施策を上乗せできるようにします。母子家庭の児童扶養手当を拡充します。難病児・者の医療費無料化の復活をはじめ、公費負担医療の充実をはかります。

 障害者プランの充実、欠格条項の早期見直し、雇用の確保などを推進し、障害者の「全面参加と平等」を実現します。バリアフリーのまちづくりをすすめ、障害者も高齢者もだれもが安心して過ごせる地域社会をつくります。そのために国の支援をつよめます。

 長期不況のもとで、全国で三万人を超える人たちがホームレス(野宿生活者)となっており、人道上も、一刻も放置できない状態になっています。ボランティアまかせのような現状をあらため、国と自治体の責任で、住居の確保、生活保護行政の実態にあわせた改善、医療の保障、臨時の公的就労をはじめとした仕事への援助などの対策をすすめます。


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