2001年3月2日〜4月27日まで「しんぶん赤旗」に連載

どうなる!どうする?
1100万人のマンションライフ

(9)「住宅は福祉」と位置づけ

日本共産党の取り組み

 日本共産党衆院議員/瀬古由起子さんに聞く

  日本共産党は一九八〇年代からマンション問題に取り組み、地域での相談活動や、国会や自治体でもマンション関連の制度の充実をはかる活動をしてきました。マンション政策や今後の課題について日本共産党の瀬古由起子衆議院議員(国土交通委員会委員)に聞きました。

 ――日本共産党のマンション政策の特徴はなんですか。

 瀬古 日本共産党は、「住宅は福祉」と位置付け、「住民は主人公」の立場から、企業の横暴から居住者を守ること、マンション居住を都市の新しいコミュニティーとして、積極的に育成すること――を基本においてきました。

 この立場からマンション問題の主役である、居住者や管理組合のみなさんとご一緒に運動してきました。

 日本共産党の立党の精神である、住民の苦難を解決する立場から、なにものもタブー視しないで、大企業、行政にたいし粘り強く交渉し、解決のために住民とともに立ちあがってきました。国会議員団、四千数百人の地方議員、支部や団地・マンション宣伝組織者などのネットワークの力を発揮して、さまざまな問題の解決に力を尽くしてきています。

 他党に先駆け八〇年代から地域で相談活動に取り組み、居住者の方々と力を合わせてマンション問題にあたってきました。

 変電室、共同ガス管については、国会でもたびたび取り上げ、国会・地方議員らと住民が粘り強く、電力・ガス会社と交渉し、住民負担の軽減をかちとるなど大きな成果をあげました。瑕疵(かし)担保責任期間が過ぎた雨漏り、結露などの問題も、建設会社、販売会社などの責任を追及し、解決して喜ばれました。

 これは、企業献金とは無縁の日本共産党だからこそできることです。

 消費者を保護

 ――マンション問題でとくに強調していることはなんでしょうか。

 瀬古 まず、消費者保護ということです。

 分譲マンションの販売では、デベロッパーや販売会社などのプロに対抗するには情報も知識も少ない居住者の立場に立った、供給制度や管理への支援態勢が必要だということです。

 今日までの分譲マンションの販売では、国も行政もデベロッパーや大手販売会社の販売競争にまかせ、私有財産ということで、消費者保護の施策が抜けていました。

 勤労者にとってマンションの購入は、一生に一度の大きな買い物で、多くは何十年ものローンにしばられるわけですから、消費者保護は欠かせません。計画・建築・分譲のそれぞれの段階で、行政の適切な指導と検査があれば、かなりのトラブルが解決します。

 さらに、マンションライフを豊かにするには、供給の仕方、管理、維持、大規模修繕、建て替えまでを視野に入れた、マンションの総合的な施策が必要です。

 この秋から施行のマンション管理適正化法はその一歩です。その中にはあいまいな点や懸念も寄せられていて、不十分な点があるので同法の見直しをはじめ、区分所有法、宅地建物取引業法、建築基準法などの関連法の見直しも必要です。

 建て替えが大問題

 ――築三十年以上のマンションの建て替えが大きな問題になっていますね。

 瀬古 今後は築三十年以上の建物が増えることから、建て替え問題がクローズアップされてきました。国土交通省が「マンション建て替え指針」の検討に入り、公明党も「マンション建替え促進法」の制定を提唱しています。業界団体の需要予測も三十年程度での建て替えを前提にしていることを考えると、これにはゼネコンや開発会社の都市再開発志向が背景にあるのでしょう。

 しかし、鉄筋コンクリート構造は少なくとも七十〜八十年は持つといわれています。マンションの長寿化を政策の基本にすえ、適正な維持管理と補修・リフォーム、バリアフリー化で五十〜六十年と建物を長持ちさせ、コンクリート塊で環境を破壊させないことも合わせて考えていかなければなりません。そのための行政の支援も必要です。

 これからも、必要な施策を居住者や管理組合のみなさんと一緒に、国や行政に働きかけていきたいと考えています。

(マンション問題取材班)

(おわり)


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