2001年12月22日(土)「しんぶん赤旗」
「男女共同参画基本計画」の策定から一年がたったもとで日本共産党国会議員団男女平等推進委員会(石井郁子会長)が「計画」の充実と実効ある施策を求めて十八日、小泉首相にたいしておこなった申し入れの要旨は次の通りです。
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一、働く女性への差別をなくすために
▽男女の賃金・待遇・年金格差、採用等について、国連社会権規約委員会の最終見解での勧告やILOの勧告を真しに受け止め、その是正と解消をはかる。
▽女性パート・派遣労働者の一方的な解雇・雇い止めを規制する。地域最低賃金の引き上げをはかるとともに、パート労働者に労基法など現行法の厳格な適用を行う。パート労働者に育児・介護休業法を適用する。
▽農業・自営業者の家族労働を税制上も正当に評価する措置をとる。
二、働く男女がともに家族責任をはたせる社会にするために
▽乳幼児医療費助成や保育所拡充など参議院の「少子化対策推進決議」の内容をふまえ「基本計画」の充実をはかる。
▽改正「育児・介護休業法」の内容の周知徹底をはかるとともに、取得や請求による不利益取り扱い禁止への指導を強める。休業中の所得保障を六割に引き上げる。また、子どもの看護や授業参観の時にとれる「子ども休暇」の創設など、制度の改善をすすめる。
▽サービス残業をやめさせる厚生労働省の通達を徹底し、時間外労働や休日・深夜労働を男女ともに規制し、労働時間の短縮で人間らしい家族の団らんをとりもどす。
▽女性の生涯を通じての健康・権利(リプロダクティブヘルス・ライツ)を保障するために北京「行動綱領」と二〇〇〇年国連成果文書の示す総合的な対策をつよめる。
▽保育所・学童保育の抜本的な拡充で出産・育児と仕事の両立のできる社会的条件を整える。
▽母子家庭の児童扶養手当の所得制限強化や支給額の減額をやめ、抜本的に拡充する。
三、DV防止法の実効をあげるための措置を
配偶者暴力防止・被害者保護法(DV防止法)の十月施行をふまえて実態調査を行い、地方自治体や専門家・NGOなどが行う暴力の防止と自立支援のとりくみを応援する。
四、早急に民法の改正を
選択的夫婦別姓制度の導入、非嫡出子の相続差別廃止など民法の改正をすみやかに行う。九八年以来、野党共同の民法改正案が国会に提出されているところであり、ただちに法改正に着手する。
五、地方の「基本計画」の推進のために
地方の男女平等施策前進のために、情報の開示をすすめ、地方自治を基本に条例と計画の策定および施策の推進に万全を尽くす。
六、日本の女性の地位を世界の水準に高めるために
▽女子差別撤廃条約選択議定書をただちに批准する。
▽ILOの母性保護条約・パートタイム労働に関する条約(175号条約)などを批准する。
▽日本も批准している女性差別撤廃条約やILO156号条約の内容を真に生かし、「基本計画」の充実をはかる。
▽審議会をはじめ意思決定機関への女性の登用をはかる。早期に審議委員会の「30%」をすすめ、部会、専門委員会などもふくめて女性の登用を「30%」以上にする。
▽これまでの国連の勧告とあわせてハーグで開かれた「女性国際戦犯法廷」の慰安婦強制有罪判決を真しに受け止め、被害者と生存者に心からの謝罪と補償を行い、平和を守り未来に過ちを繰り返さない証をしめす。
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