1999年12月14日「しんぶん赤旗」より

日本共産党提案の貸金業規制法改正案

 日本共産党国会議員団は、商工ローンによる深刻な被害をなくすことを目的に貸金業規制法改正案を12月7日衆院に提出していました。その目的と内容を紹介します。なお同案は、9日の衆院本会議で採決され、自民、自由、公明、民主、社民各党の反対で否決されました。貸金業規制法案では、自自公案が13日の参院本会議で可決成立しています。

 1、目的と意義

 自殺者が相次ぐなどの商工ローンによる深刻な被害をなくすことが、喫緊の課題であることはいうまでもありません。また、サラ金・クレジットなどによる多重債務問題もひきつづき重大です。長引く不況と銀行の貸し渋りを追い風にした日栄、商工ファンドなどの貸金業者が、出資法の上限金利に迫る高金利、借り手の資力を無視した過剰貸付、詐欺的手法での根保証契約、さらには暴力的な回収により、中小・零細企業をはじめ多くの国民を食い物にしていることは明らかです。このような状況を踏まえ、出資法、利息制限法、ならびに貸金業規制法の改正による徹底した規制強化をおこない、被害の根絶に資することを目的として本法律案を提出しました。

 2、日本共産党提出の法律案の内容

 (1)高金利の引き下げ

 出資法の上限金利を利息制限法並みの一五%から二〇%に統一し、悪徳商工ローンがはびこる原因となっているいわゆるグレーゾーンをなくすこととしています。

 (2)過剰貸付の禁止

 本人および保証人の返済能力を超えた過剰貸付については、無効とするとともに、過剰貸付をおこなった貸金業者にたいして業務停止などの行政罰を科すこととしています。

 (3)クーリング・オフの新設

 本人および保証人が、契約を結んだ後でも、八日以内ならそれを破棄できるクーリング・オフの制度を創設します。

 (4)保証人の取消権の新設

 貸金業者が保証契約に際し、重要事項を告げず、または不実のことを告げたときは、保証契約を取り消すことができることとしています。

 (5)根保証契約の事実上の禁止

 主債務者が新たに債務を追加するつど、根保証人にたいし文書で知らせ説明するだけでなく、その債務保証について根保証人に拒否権を与えます。これは、根保証契約を事実上禁止する効果を持つものです。さらに、根保証契約は一年間に限定することとしています。

 (6)罰則の強化

 不当な取り立てにたいする罰則を強化します。

 (7)貸金業者にたいする監督の強化

 現在、監督機関に付与されていない是正命令を出せる権限を与えるとともに、だれでも違反事実を告発でき、監督機関はそれを調査し適切な措置をとる義務を負うことにしています。


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