2007年1月20日(土)「しんぶん赤旗」 

子ども医療費/広がる無料化/東京

小学生以上22区、中学は20区

都民と共産党共同


〈東京のページ〉

 都民の運動と日本共産党との共同が議会や行政を動かし、子どもの医療費無料制度を拡充する自治体が大きく広がっています。

 23区では、無料の対象を就学前から小学生以上に拡大したり、拡大する計画をもっているのは千代田区(*)を除く22区に広がり、そのうち20区が中学校3年生まで助成対象を拡大。所得制限なしで通院・入院(食事代を含む)のすべてを助成対象にする完全無料化(計画も含む)は港、台東、北、世田谷、中央、新宿、目黒、渋谷、練馬の9区です。(表参照)

 (*千代田区も1/25、10月から中学生まで無料化拡大方針を表明=1/26付「しんぶん赤旗」、これで23区全区で小学生以上に拡大しました。)

 

小・中学生に対する医療費助成の実施・計画状況
自治体 対象 助成内容 実施(予定)時期
通院 入院 入院食事代
中央区 中3まで 06年4月(通院は07年度)
中3まで 05年4月
新宿 中3まで 07年10月
文京 中3まで   07年10月
台東 中3まで 05年4月
墨田 中3まで     06年4月
中3まで   07年10月(小3までは1月実施)
江東 中3まで     06年4月
小3まで   07年1月
品川 小6まで 05年1月
目黒 小6まで   06年1月
中3まで 07年4月
大田 小3まで 05年4月
小4〜中3   05年4月
世田谷 中3まで 06年12月
渋谷 中3まで 06年4月(通院は07年度中に予定)
中野 小6まで     05年10月
中3まで   07年10月
杉並 中3まで   07年4月
豊島 小6まで      06年4月
中3まで   07年10月
中3まで 06年4月
荒川 中3まで   07年4月
板橋 小6まで   05年10月(通院は07年度中に予定)
練馬 小6まで   06年4月
中3まで 07年4月
足立 小3まで     06年4月
中3まで     07年4月
葛飾 中3まで   05年4月(通院は07年4月)
江戸川 中3まで   06年4月
小6まで 07年10月
奥多摩町 小6まで   06年4月
日の出町 中3まで   07年4月
利島村 中3まで   07年4月
御蔵島村 中3まで 07年4月
(いずれの自治体も所得制限なしか、なくす予定。2007年1月19日現在)

 市町村では日の出町、御蔵島村、利島村が中学3年生までの無料化を計画しているものの、ほかは就学前までを対象にした無料化にとどまっており、所得制限をなくすことが課題になっています。また26市では狛江市が先駆けて所得制限をなくし、就学前までのすべての子どもの無料化を実現しましたが、いまでは同様の自治体は10市に広がっています。

 東京都は、就学前の乳幼児を対象にした医療費無料化(所得制限あり)に加え、来年度の予算原案に10月から中学3年生までの医療費自己負担分の3分の1を補助(所得制限あり)する財源を盛り込みました。不十分なものですが、貴重な一歩前進です。

 日本共産党は、区市町村議会でも、都議会でも住民要求に基づき粘り強く質問し、条例を提案するなど、子どもの医療費無料化を拡充するうえで大きな力を発揮しています。

杉並、中央/条例提案を力に中3まで

 4月から中学生まで入院・通院とも医療費を無料(所得制限なし)にする杉並区では、日本共産党区議団が行ったアンケートに「子どもが小学校に入り、医療費が大変」「もっと子どもに未来を託すための予算を立てて」など、切実な声が寄せられました。

 共産党区議団は、2005年2月の議会で小学6年生まで医療費を無料にする議案を提案しましたが、自民、公明、民主、生活者ネットの各党などが反対し、否決されました。

 しかし、06年の9月議会で共産党が条例案を再提案すると表明するなか、自民、公明、民主など4会派も区長に医療費助成の拡充を申し入れるに至り、区長も共産党提案の条例審議の際に「小学生は無料化、中学生も何らかの軽減を考える」とのべ、拡充に踏み出す意向を表明。12月議会に区が条例改正案を提案し、可決・成立に結実しました。

 新年度に中学生まで通院・入院とも所得制限なしで補助する方針を明らかにしている中央区でも、共産党区議団の奮闘が区議会と区を動かしました。

 共産党区議団が提案した同様の条例改正案(04年11月)や予算修正案(05年度)は自民、公明などの与党の反対で否決されました。

 しかし、世論に押された区は06年度予算案に入院費のみ、中学生まで助成対象を拡大する財源を盛り込みました。

 これに対し共産党区議団は、通院費も助成する予算修正案を提出。自民、公明などが反対し、否決されたものの、その後も共産党区議団が粘り強く助成拡大を求めるなかで、自民、公明など与党4会派も助成拡大を含む要望書を区長に提出するに至り、実現につながったのです。

都議会/拡充すすめる共産党

陳情に背を向ける自、公、民、ネット

 都議会で日本共産党は、乳幼児医療費助成の所得制限撤廃に加え、04年9月議会以来、中学3年生までの拡大をくり返し提案。06年9月議会では、中学3年生までの医療費無料化と所得制限をなくす条例案を行革110番、自治市民、市民の党の3会派と共同提案しましたが、自民、公明、民主は反対し、否決されました。

 しかし都議会での共産党などの質問に都福祉保健局長が対象年齢の拡大について「具体的な検討に着手している」と答弁。12月に都が発表した07年度予算原案には、中3まで自己負担分の三分の一を補助するという不十分なものではありましたが、10月から実施する財源が盛り込まれることにつながりました。

 06年11月の都議会厚生委員会で新日本婦人の会東京都本部が提出した中3までの対象年齢拡大と所得制限撤廃を求める陳情に共産党は賛成しましたが、自民、公明、民主、生活者ネットは反対し、不採択となりました。

 東京の子どもの医療費無料化を求める運動は、1968年に始まり、政党としては日本共産党が初めて議会で提案し、88年3月以降、89年まで4回にわたって都議会で条例を提案。自民党は「断固反対」、公明党も「単なるスタンドプレー」と非難し、否決し続けましたが、都民の運動と世論の広がりのなかで、自民、公明両党も反対の態度を変えざるをえず、94年1月から3歳未満の乳幼児の医療費無料化がついに実現しました。

 当時の鈴木俊一都知事は「3つの無料化(乳幼児医療費、ひとり親家庭の医療費、白内障眼内レンズ手術費)は共産党がいいだしたんだね。あまり僕は賛成じゃないんだけど、結局(共産党と)同じ(意見)になってしまう」(92年2月)と語っていました。

 その後も無料化の拡充を求める運動は続き、97年の都議選で共産党都議団が第2党に躍進した翌年から4歳未満に、01年10月からは就学前までに対象が拡大されました。

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