けいざい?配偶者控除は必要ない?
見直すべきは他に
熊 てぇへんだ、てぇへんだ。
ご隠居 どうした。血相かえて。
熊 長屋のカミさんたちがカンカンだ。
ご隠居 おやおや。おまえ、また何かやらかしたかい。
熊 おいらじゃねぇや。なんか、「私たちは、ぶらぶらなんかしてないわよ」とか、「寄生虫じゃないわよ」とか。
ご隠居 「寄生虫」? それは、「寄生妻」のことじゃねぇのか。
熊 なんだ、それは。
暴言にカンカン
ご隠居 「パラサイト・ワイフ」とかいってな、政府税制調査会の議論のなかで出てきて、大問題になった。
熊 だれに寄生しているっていうんだ。
ご隠居 働く夫にといいてぇんだろうな。「働かないで家でごろごろしている主婦が子どもを産まない」とか、「お金を持ってぶらぶらしている」とか。「そういう人は淘汰(とうた)してもらわないといけない」とまでいっていたな。
熊 そりゃまた、いいたい放題だな。なんで、そんな話になったんだ。
ご隠居 配偶者控除をなくすかどうかというのが、テーマだったわけだ。
熊 なんだ、そのなんとか控除というのは。
ご隠居 配偶者というのは夫からみた妻、妻からみた夫のこと。夫が働いていて、妻の年収が百三万円以下の場合は、夫の所得税が一定額安くなる。
熊 専業主婦は「ぶらぶらしている」んだから、そんな控除は必要ないというわけだな。
ご隠居 もともと配偶者控除というのは、生計費非課税、つまり、生きていくための最低限の費用には税金をかけないという考えからきている。専業主婦というのは収入がないか、少ないから、その分は考慮しましょうということだ。
熊 もう考慮する必要はないということかい。
ご隠居 政府税調の石会長はこんなこともいっていた。専業主婦がいれば「手伝いのパートを呼ばないでいい。税制でことさら優遇する必要ない」。
熊 おいおい、専業主婦をお手伝いさんがわりだというのかい。だいたい、おいらたちの長屋で、お手伝いさんを雇える余裕があるとでも思っているのかい。
ご隠居 専業主婦も、家事、子育て、介護と忙しい。少しでも家計の足しにと、パートに出ることも多い。
熊 少しでも安いものをと、広告のチラシを手にあちこちの店を回る専業主婦の苦労も知らないで、とカミさんたち、そりゃあもうカンカンだ。
ご隠居 実は、政府税調だけじゃなくて、自民、公明の小泉与党も民主党もよってたかって、いろんな控除を見直せといっている。
熊 例のサラリーマン増税ってやつか。
ご隠居 対象はサラリーマンだけじゃないがな。
増税派に審判を
熊 ちょっと待っとくれよ。見直すなら、もっと肝心なものがあるんじゃねぇのかい。
ご隠居 いいこというじゃねぇか。一人リストラするたびに企業が百万円の減税になる(「産業再生」法)なんというのは、とんでもねぇ話だ。
熊 大もうけをしている大企業にもっと減税しろ(法人課税の引き下げ)なんてのも、話があべこべじゃねぇのかい。
ご隠居 まったくだ。税金を納める能力に応じて負担をするっていうのが、税の原則ってぇもんだ。それを、空前の大もうけをしている大企業の負担はもっと軽く、生活が苦しい庶民にはもっと負担を重くっていうんだからな。所得の低い人ほど負担が重い消費税の税率をもっと上げようなんていうのは、税の原則の破壊もいいところだ。
熊 ここはだまっちゃいられねぇな。
ご隠居 総選挙で、庶民増税派に審判をといいてぇのかい。
熊 おっ、ご隠居さんもわかってるじゃねぇか。