2005年2月12日(土)「しんぶん赤旗」

就学援助制度

政府が補助金削減法案提出

対象基準もきびしく


 

 義務教育費無償を定めた憲法二六条にもとづき、経済的理由で就学困難な小中学生の学用品などを補助する就学援助制度。この制度の後退につながりかねない法案を政府が提出(八日)したため、低所得者の暮らしをさらに圧迫するものと批判の声があがっています。


 就学援助制度は、保護者からの申請をうけ、市町村が項目ごとにその費用を援助します。国は、たとえば学用品では小学生で一人あたり年間一万一千百円(〇四年度)などの限度額を定め、その二分の一を補助しています。これを土台に、独自の上乗せをしている市町村もあります。法案は、「三位一体改革」の一環として出されるもので、補助金の削減額は百三十四億円にのぼり、四月一日からの実施をめざしています。

 補助金の削減とともに、国の補助対象の基準も厳しくしてきました。現行法では、生活保護基準以下の所得で生活している家庭(要保護者)だけでなく、これに「準ずる」家庭(準要保護者)も、国の補助の対象としています。

 法案は、この「準ずる」家庭の規定を削除し、国の補助を要保護者だけに限定しています。これと連動して市町村がみずから定めた補助基準を引き下げることにもなりかねません。

 政府は、これまで国が補助してきた「準ずる」家庭の分は「税源移譲」(所得譲与税)の一部として地方に渡り、それでも不足する自治体には地方交付税で措置するので、財源は確保されると説明しています。

 しかし、「準ずる」家庭への国の責任をなくし、補助金として国からきていた確実な財政保障もなくなることは市町村に大きな影響を及ぼします。「制度が代わった」「財政危機」などの口実で対象者を絞り込むなどの動きも起こりかねません。


就学援助制度の主な補助対象

 学用品費、クラブ活動費(中学)、体育実技用具費、入学準備金(新入学児童生徒学用品費等)、通学用品費、通学費、修学旅行費、校外活動費、給食費、医療費


全児童生徒一割に影響

 全国生活と健康を守る会連合会・辻清二事務局長の話 こんど法律で外そうとしている「準要保護者」ですが、この適用をうけて就学援助を支給されている児童生徒は、全国で一割を超えています。いまのリストラと失業の中で、教育費を何とかしたいとこの制度の適用を受け、たくさんの家庭が助かっています。

 政府は、削減した分を地方交付税などに回すといっていますが、交付税などに回ってきた分は、実際に何に使われるかわかりません。いまでも、国の基準を上回る独自の支給をやめたり、適用基準を引き下げる自治体が広がりつつあります。国庫負担も、本当に必要な額が支給されず、自治体の負担になっているのが実情です。

 憲法二六条は義務教育費無償や教育の機会均等を定めているのに、「三位一体改革」のなかで国の責任を後退させるものです。

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