2005年1月19日「しんぶん赤旗」

「ジェンダー・フリー」への攻撃 なぜ?


〈問い〉 東京都では教育委員会が、「ジェンダー・フリー」という用語は使用しない、ということを決めました。こうしたことはなぜ、おきているのか。どう考えたらいいのでしょうか。(東京・一読者)

〈答え〉 「ジェンダー・フリー」とは、「男らしさ」や「女らしさ」など社会的文化的につくられた性差(ジェンダー)にしばられないという意味です。日本では、この用語は、95年ごろから使われ、東京女性財団が「ジェンダー・フリー教育」という形で使ったのが初めてだといわれています。

 都教委は昨年8月、この用語が「男らしさ」「女らしさ」をすべて否定するという意味で使われることは、都のめざす男女平等教育と違うとわい曲して、今後は「使用しない」という見解を発表、都立学校長に「誤った考え方としての『ジェンダー・フリー』に基づく男女混合名簿を作成することがあってはならない」と通知しました。混合名簿は、都教委自身が推進し、都の男女平等参画の「行動計画」(02年1月)でも「導入の推進」と決めていたものです。

 男女共同参画社会基本法(99年施行)にもとづき、地方自治体で条例や計画策定がすすむなかで、性別役割分担の固定化など戦前の家族観や男尊女卑の思想をもちこむ動きが生まれてきました。国会では、自民党や民主党議員が、厚生労働省所管団体の発行した性教育冊子などをとりあげ、政府の男女共同参画施策には「ジェンダー・フリー」の考え方が影響して「行き過ぎがあるのではないか」と非難。『正論』や「産経」など一部マスメディアや「新しい歴史教科書をつくる会」、右派改憲団体「日本会議」などが憲法・教育基本法改悪をねらう動きと一体となり、「ジェンダー・フリー」攻撃をキャンペーンしてきました。このなかで内閣府も、この用語を、今後自治体の条例制定には「敢えて…使用しない方が良い」という「考え方」を発表(昨年4月)。都教委の通知もこの政府の見解を論拠の一つにしています。 (久)

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