2004年1月14日「しんぶん赤旗」

問われる

日本の“子どもの権利”

条約批准から10年 (中)

国連勧告に背を向けた

「第2回政府報告」

 国連審査は、政府が提出した「報告」をもとに二十八日、行われます。今回二回目となる審査では、一九九八年に指摘され「勧告」された課題に政府はどういう措置をとったのか、日本の子どもの権利は実現してきたのかが問われます。

子どもの実態を無視

 「政府報告」は、「高度に競争的な教育制度」は、「面接や推薦入試の実施」「十五歳人口が減少」し「受験競争は緩和されつつある」という驚くべきものです。「学区の廃止」や「高校入学定員削減」などで競争がつよまり、「内申書に響くぞ」といわれ、いい子を演じようと苦しむ子どもの実態を無視しています。

 「暴力及びポルノから子どもを守るための措置」の「勧告」には、「出会い系サイト」規制法を成立させ、子どもは保護する対象であるという「条約」に反して、処罰の対象にしました。

 さらに、「年少少年による凶悪重大事件が多発」を理由に少年法を改悪し、刑罰適用年齢を十六歳から十四歳に引き下げるなど、処罰的対応を強化しました。

 昨年七月、長崎で幼児殺害事件が起きた際、罪を犯した少年に「尊厳の回復、価値観の獲得」など、「条約」にもとづいて対応すべきという日本共産党の質問に、青少年担当の鴻池大臣(当時)は「承服しかねる」と「条約」否定の答弁さえおこなったのです。

 また「勧告」は、「条約」にもとづく包括的政策を発展させるための政策調整機関や独立した実施監視機構の設置をもとめました。子どもの権利の問題にとりくんできたNGO(非政府組織)は、「どの省庁も責任をもった対応をしない。たらい回しにされる」と訴えつづけ、日本共産党も国会でとりあげてきました。しかし、「政府報告」は「当該施策を新たに政府部内に創設する予定はない」との態度をつづけています。

 今回の「政府報告」内容は、子どもを権利行使の主体として尊重し、「子どもの最善の利益」を保障しようという具体的施策に欠け、「勧告」に背をむけ、第一回報告からも後退、逆行したものとなっています。

草の根の運動が…

 こうしたなかで「勧告」を受け止め、子どもの権利を保障する施策を前進させようという実践が国民のなかですすめられてきました。

 児童虐待に対応する施策の拡充と「児童虐待防止法」見直しをもとめる運動、「青少年と放送に関する委員会」発足と放送文化向上のとりくみ、家庭や学校でのメディア・リテラシー教育、少人数学級実現、学校施設改善など、草の根の運動が子どもの権利条約を根付かせ広げつつあります。

 (日本共産党女性委員会 事務局 大田みどり)(つづく)

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