2003年1月11日(土)「しんぶん赤旗」

東京で広がる認証保育所

うたい文句は
“ゼロ歳児から”“13時間保育”


 「産休明けから預けたい」「残業している間も預かってほしい」―働く女性のニーズに応えた“新しいスタイルの保育所”と東京都が鳴り物入りですすめている「認証保育所」が急速な広がりを見せています。駅前型の認証保育所は企業参入が特徴です。

駅前型は企業参入が特徴

 認証保育所は、「ゼロ歳児から預かる」、午前七時ごろから午後八時までの「十三時間保育」などがうたい文句。二〇〇一年八月に都の独自施策として発足、わずか一年半ほどで百二十カ所(一日現在)に増えました。そのうち民間事業者が設置主体の駅前型(A型)が六十七カ所。個人運営の小規模型(B型)が五十三カ所です。合計で約三千四百人の定員数のうち、二千三百人が駅前型です。

 駅前型に子どもを預けている二十歳代の女性は、「駅に近くて仕事の行き帰りに寄れて便利です。夜まであずかってくれる」といいます。

 認証保育所は、両親の所得を基準に保育料を決める認可保育所と違い、所得にかかわりなく施設と個別契約を交わします。

 保育料を聞くと、「公立より割高じゃないかしら?」とベビーカーをおしながら答えました。

表

施設狭く、庭ない園も
日本共産党都議団が調査

 日本共産党都議団は昨年夏、駅前型の認証保育所(園)四十一カ所を訪問し実態を聞きました。

 保育料は、認可保育所の二倍から三倍でした。杉並区では認可の平均保育料は、二万三百円です。ところが認証は、安くても四万三千円。十二万円というところもありました(一日十一時間、週六日預けた場合)。認証保育所は月二百二十時間利用して上限が八万円(三歳未満児)と決められていますが、入所(園)費や延長保育の追加料金が必要だったりします。

 施設の狭さも目立ちます。施設がある建物の47・5%が業務ビル、鉄道の高架下などというところもあります。園庭がなかったり、駐車場を仕切って使ったり、公園で遊ばせたりしています。

 保育士の労働条件は正規職員で年収二百万円前後。認可では職員は資格を必要としていますが、認証は、四割が無資格者でよく、パートの時給は八百円から千円程度でした。

 千六百三カ所ある都下の認可保育所は約六割が公立で株式会社は三鷹市の公設民営を入れても四カ所。ところが、認証は駅前型の六割にあたる四十一カ所が株式会社です。昨年十二月にはサラ金大手のアコムが100%出資する子会社がJR福生駅前に認証保育所を開所し、さらに施設を増やすと報道されています。

 都福祉局の中山政昭・子育て推進課長は、「継続して保育ができる企業ならどんなところでも認証しない理由はない」といいきります。

認可基準緩和狙う

党都議暴露

 昨年十二月都議会で、代表質問にたった日本共産党の曽根はじめ議員が、福祉局の内部資料を暴露しました。曽根議員は文書を示して、「認証保育所をてこに認可保育所の世界を崩す」「国の新たな保育所システムが認証保育所モデルへと転換していくことを目指す」などと、「認可の設置基準を緩和し、民間企業の参入をはかる」ねらいをあからさまにしていると指摘。「認可保育所の保育料値上げ」をも誘導しようとしていると厳しく批判しました。

 「都のねらいは、低い認証基準にシフトさせ、都の保育水準全体を引き下げていくことです」と山吹京子・福祉保育労東京地本副執行委員長は指摘します。「不況や長時間労働で親のゆとりもなく子育ても大変難しい。保育を営利企業に任せるのではなく、都民の多様な要求に積極的に応えられるよう認可保育所を充実すべきです」といいます。

 東京都保育問題協議会の大野秀子事務局長も、「ゼロ歳児保育や長時間保育は認可ですべきです。待機児の解消は、認可保育所の増設や拡充を行政が本格的にバックアップすればできます」と話しています。

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