
内閣総理大臣 小泉純一郎 殿
「男女共同参画基本計画」の充実と実効ある施策についての申し入れ2002年12月17日 日本共産党国会議員団 昨年12月、日本共産党国会議員団は「男女共同参画基本計画」の充実と実効ある施策を政府に申し入れ、党として国政でも地方でもその実現に全力を尽くしてきました。「芝信用金庫男女昇格差別裁判」、「住友生命ミセス差別裁判」での歴史的な勝利和解という貴重な前進がありました。しかし、今なお多くの職場で女性たちは男女差別是正のために裁判や苦難のたたかいを強いられています。政府と企業は、男女差別是正措置を強くもとめたILOの勧告と「社会権規約委員会」の最終見解を真摯に受けとめるべきです。女性の地位の抜本的改善を図ることは経済大国といわれる日本の国際的責務です。 小泉政権になって1年半がたちました。「構造改革」の名の下で、戦後最悪の失業、倒産、リストラに加えて、福祉切捨ては容赦なく国民生活を直撃し、50年ぶりの母子寡婦福祉法改悪など女性の生活と労働をめぐる状況は一段と厳しさを増しています。私たちは、日本国憲法を生かして平和で真の男女平等が花開く21世紀の日本社会にするために、以下の諸事項についてすみやかな対応を求めます。 記 1 働く女性への差別をなくすために ◇男女の賃金・待遇・年金格差・採用について「国連社会権規約委員会」の最終見解の勧告やILOの勧告を真摯に受けとめ、その是正と解消を図ること。 ◇政府がすすめる労働基準法見直しの「有期雇用の1年から3年への緩和」と、派遣労働法の製造業への解禁は、女性労働者が多くを占めるパート労働や派遣労働など不安定雇用を一層拡大する大改悪であり、直ちにやめること。 ◇女性パート・派遣労働者・母子家庭の一方的な解雇・雇い止めを規制すること。地域最低賃金の引き上げを図るとともにパート労働者に労働時間はもちろん、産休など母性保護と子育ての権利もふくめて「労基法」「育児・介護休業法」など現行法の厳格な適用を行うこと。 ◇自営業者の実態調査が22年ぶりに実現した。農林漁業に従事する女性の実態調査も急ぐとともに、女性企業家と女性従事者への支援を充実させ、家族労働を税制上も正当に評価する措置をとること。 ◇職場におけるセクハラを防止し、被害女性の救済措置に万全をつくすこと。 2 男女がともに家族責任をはたせる社会にするために ◇乳幼児医療費の助成や保育所拡充など参議院の「少子化対策推進決議」の内容をふまえて、「基本計画」の充実をはかること。 ◇出産・育児と仕事が両立できるように安全で子どもの豊かな発達を保障できる保育所・学童保育の抜本的拡充をいそぎ過密保育の解消、待機児童をなくすこと。あわせて、無認可保育所での悲惨な虐待や死亡事故がおきている。無認可保育所の実態把握と抜本的改善をはかること。 ◇改正「育児・介護休業法」の内容の周知徹底をはかるとともに、取得や請求による不利益取り扱い禁止への指導を強めること。休業中の所得保障を6割に引き上げること。 また、子どもの看護や授業参観のときにとれる「子ども休暇」の創設など、制度の改善を進めること。 ◇サービス残業の根絶をはかること。過労死にいたる長時間労働・時間外労働や休日・深夜労働を男女ともに規制し労働時間の短縮をはかること。 ◇5年で最大半分までの手当削減を凍結し、「児童扶養手当」を充実し現行通り高校卒業まで支給すること。「母子家庭」の就労支援を抜本的に強め、夫の養育費は第三者機関による収納方法をとることとし、母子家庭の母の責任にしないこと。 ◇「配偶者特別控除」の廃止をやめること。 3 DV防止法の実効をあげるための措置を ◇DV被害者が配偶者暴力相談支援センターの入所を“満員”を理由に断られるケースがある。助けを求めるすべての被害者を救う24時間の相談、受け入れ体制を早急に確立するとともに、相談窓口の周知徹底を図り、被害者の人権を第一にした保護対策を強化すること。警察、医療機関等関係機関との連携、研修の充実を図ること。 ◇配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律(DV防止法)の見直しにむけては、暴力防止と被害者保護、自立支援をおこなう地方の実態や専門家の意見・NGOの声を反映し支援をつよめること。都道府県段階の施策を市レベルにまでひろげること。 4 早急に民法の改正を 選択性夫婦別姓の導入、非嫡出子の相続差別廃止など民法の改正をすみやかに行うこと。 5 女性の健康、権利の保障を 女性の生涯を通じての健康、権利(リプロダクティブ・ヘルスライツ)を保障するため、「北京行動綱領」と2000年国連成果文書の示す総合的な対策を強めること。 健康診断など保健所の機能を拡充し、女性の健康診断に力をそそぎ、不妊治療の保険適用を実現し、女性特有の乳がんや子宮ガンの早期発見と後遺症治療やパットなどの補そう具は保険適用とすること。 6 地方の「基本計画」と条例の推進を ◇地方の男女共同参画のとりくみでは、計画策定が47都道府県、12政令指定都市、759市町村、条例制定は36都道府県・5政令指定都市、65市町村(02年4月、条例は8月現在)までふえている。内容も男女平等を目的に明示したり、企業責任や救済機関など、国以上に女性の声を反映させた内容のものがある一方、一部に男女平等の否定につながる逆流がでてきている。政府は男女共同参画社会基本法にもとづいて、必要な予算もふくめて推進に責任をもつこと。 7 日本の女性の地位を世界の水準に高めるために ◇「差別撤廃条約選択議定書」を直ちに批准すること。 ◇ILOの母性保護後条約・パートタイム労働に関する条約などを批准すること。 ◇ILOの公務員制度改革に対する勧告を真摯にうけとめ、無権利の非常勤女性労働者の常態化や低い女性の登用など公務労働者の生活と権利を守り男女平等施策を前進させること。 ◇審議会をはじめ意思決定機関への女性の登用を図ること。早期に審議委員会の30%をめざし、部会、専門委員会なども含めて女性の登用を30%以上にすること。 ◇国連・国連機関の諸勧告や「女性国際戦犯法廷」の慰安婦強制有罪判決などを真摯に受けとめ、被害者と生存者に心からの謝罪と補償を行い、平和を守り、未来に過ちを繰り返さない証をしめすこと。 ◇「日赤従軍看護婦」の慰労給付金は兵の恩給の約3割の格差を生じており、差別的待遇をただちに改善すること。 ◇「差別撤廃条約」や「社会権規約委員会の勧告」「ILO156条約」の内容を生かして、「基本計画」の充実をはかること。 以上 |
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