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どうみる?  母娘問答

主婦やパートの年金・税制見直し

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 このところパートで働く主婦や専業主婦をめぐって、配偶者控除や年金などの見直しの議論がさかんです。女性のくらしと地位向上、平等の前進につながるものなのでしょうか。この間の審議会や研究会などの議論の中身から母と娘の問答で考えます。

 最近、パートの税金だとか年金のことがよく新聞に載っているわね。

 私がパートで働いている職場でも話題になっているわ。政府の審議会や研究会がそれらの問題でいろいろ報告書を出しているから。

 税も保険料も増えるなんて

 どういうものが出されているの?

 六月に「税制調査会」が配偶者特別控除の廃止を打ち出したわね。年金の問題では「女性の年金検討会」というところが昨年末に報告書を出したし、パート問題でも「パートタイム労働研究会」が七月に最終報告を出しているわ。内閣府におかれた「男女共同参画会議」の専門調査会でも年金や税金、働き方の見直しをふくめた検討がすすめられているの。それが、共通して「男女共同参画」をかかげての見直しなのよ。

 「男女共同参画」というといいことのように聞こえるわ。

 ところが中身をみてみると、女性の負担が増える方向の「見直し」だから心配なのよ。

 どういうこと?

 例えば、見直すという配偶者特別控除と配偶者控除は、主にサラリーマン家庭の専業主婦や、パートで働いているが収入の少ない主婦の夫の税金が減額される仕組みなの。これをなくしたり縮小しようというのよ。

 増税になるの?

 そうなのよ。うちをふくめて多くの世帯で増税になるわ。控除の廃止・縮小は課税最低限の引き下げになるから、これまで所得税を払わなくてよかった世帯で新たに課税されるところがたくさんでてくるわね。

 リストラや不況で年収が減っているのに困るわね。

 年金では、1985年にできた第三号被保険者制度で、夫が厚生年金に入っている世帯の主婦はすべて国民年金に加入し、保険料を払わなくても自分の年金をもてるようになったの。今回、これを見直して主婦にも何らかの負担をさせる方向が検討されているの。そのほか、パートも厚生年金に入りたいという願いを逆手にとって、いまは年収でいえば130万以上の場合に払っている保険料を65万円からにしようというのよ。低所得者には負担が大きすぎるわ。

 制度の公平や、女性の自立のためには、ある程度の負担増は仕方がないということかな。

 収入のない主婦や低賃金のパートから保険料をとったり税金の控除をなくすことが、“公平”なのかしら。保険料を払えない人もでてくるだろうし、また無年金の女性が生まれてしまうわ。

 だけど今の制度が専業主婦優遇で、働く意欲を妨げているから、女性が低賃金なんだとか、自立できないとかいう意見もあるわね。

 本当にそうかなのかしら。友だちの専業主婦の多くが、働ける条件や職場があれば、自分の能力を生かして働きたいと思っているわよ。でもサービス残業(ただ働き)が横行する長時間労働、競争で追いたてられるような労働条件では、女性が働きつづけるのがいっそう難しくなっているわ。それに夫の帰りもいつも深夜だから、家事や育児・介護があって働けないのよ。

 「男女共同参画」うたうならば

 確かにそうね。「男女共同参画」というなら、サービス残業をなくし、男女とも労働時間を短くしてほしいわ。保育所などを増やして、子どもが安心して育つ環境もつくってほしいわね。

 妊娠・出産で一度退職してしまうと条件のいい職場はなかなかみつからない。パートに出れば、その賃金は本当に低いわ。平均時給八九〇円ではフルタイムなみに働いたって年収160万がやっと。こんな低賃金では自立したくてもできないのよ。

 そうね。パートで働く女性が増えているから、大幅賃上げや待遇改善、正規労働者との格差をなくすことは、女性の地位向上と平等のためにも最優先ね。報告書はどういっているのかしら。

 格差の是正と社会保障充実を

 肝心の点が問題なのよ。日本の正社員は労働時間が長くて転勤もあるからパートと正規と同じ待遇にはできないというの。逆に転勤がない正社員の賃金を下げてバランスをとるという考え方も出されているのよ。

 ひどい。パート差別は当然だっていうの。しかも正社員も引き下げようなんて…。

 結局、女性が子育てや家事を担っている現実やパートの低賃金は変わらないで、税金や保険料負担が増えるだけになりかねない。働く人全体の水準をひき下げることにもなるわね。

 それじゃ今以上に格差が広がって、平等は実現しない。国民全体にとってもマイナスだわね。どうして今そういう見直しがだされてきたの。

 少子化による将来の労働力不足を解消するために、女性を安上がりのパートとして使いたいということなの。そして小泉内閣は「構造改革」といって、大企業は優遇して減税しながら、国民に年金、医療の改悪や増税を次々におしつけようとしているでしょ。その流れのなかで女性の新たな負担増を強いようというのが本音ね。そのためにこれらの「見直し」が出てきているのよ。

 パートを含め働く条件を改善、誰もが安心して老後の生活を送れる年金、社会保障の充実を願う女性の声をもっと広げていかなくちゃ。私たち国民全体の問題だものね。

2002/8/31付「しんぶん赤旗」掲載

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