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児童扶養手当 大幅削減で何が自立支援か


 政府は、母子家庭に支給する児童扶養手当の趣旨を大幅に変更する児童扶養手当改悪案(来年四月実施)をいま開かれている通常国会に提出しました。

 改悪案は、手当の大幅削減にとどまりません。

 「母子家庭の自立促進」を名目に、児童扶養手当法の趣旨を抜本的に変えようとしています。

国の責任を大幅後退

 現行法は、「児童扶養手当は、児童の心身の健やかな成長に寄与することを趣旨として支給される」とされています。

 改悪案は、これに「手当の支給を受けた母は、自ら進んでその自立を図り」という文言を加えています。母親が自立のための活動をしなかった場合は支給しないことを、法律に加えるという情け容赦のない改悪です。

 現行法にあるように、経済的に自立できない母子家庭の子どもが健やかに成長できるように支援するのが、国の当然の責務です。

 そのことは、児童福祉法でも、国と地方自治体が、子どもの親とともに子どもを心身ともに健やかに育成する責任を負っていると明記している通りです。

 母親の自立促進を口実に、母親の自立の責務をおしつけ、国の責任を最大限後退させることは絶対に許されません。

 改悪案が、児童扶養手当を離婚後の一時的な支給に限定しようとしていることも重大です。

 受給開始から五年経過すると支給額を減額する、父親からの養育費を母親の所得に加算して支給額を減らす――などです。

 母子家庭の収入の低さは、母親の自立心や就労意欲の低さとは関係ありません。

 幼い子どもを抱えた母子家庭の母親にとっては、仕事を探してもみつからず、選択肢も限られ、パートをかけもちせざるをえない場合も珍しくありません。さらに男女の賃金格差、パートの低賃金がおいうちをかけています。

 年収が一般家庭の三分の一という母子家庭にとって児童扶養手当は、母と子が生きていく上で欠かせない“命綱”です。

 離婚後一定期間たったら生活のめどがたつという保証がどこにあるというのでしょう。

 児童扶養手当の減額は、すでに来年度予算案に盛り込まれています。国会で法改定を要しないで減額することだけでも、ひどいものです。

 国会での日本共産党の追及で、予算削減額は、年間で約三百六十億円にのぼることが明らかになっています。減額の対象は三十三万人にものぼります。

 母子家庭の母親たちから、「うちは支給額をどれだけ削られるのか」「子どもを高校にやれなくなる」など不安と怒りがあふれています。

母子家庭の実情無視

 支援策にしても、これまでもあった母子福祉資金貸付の利用率がわずか16・9%です。

 貸付額の低さや返済期間などの貸付条件、手続きの煩雑さなどが利用率の低さの理由になっています。借りても返せるめどがたたない、これが、母子家庭のきびしい現実なのです。

 日本共産党が国会で「どうか母子家庭の実情をごらんになり、助けてください」という手紙を紹介し政府に迫ったように、母子家庭に激痛を与える児童扶養手当の改悪はただちに撤回すべきです。

( 2002年03月15日 2面 掲載 ,著作権=赤旗)


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