
「男女共同参画」の名で増税?男女共同参画会議・影響調査専門調査会会長(大沢真理東京大学教授)が政府の税制調査会に対し、「配偶者特別控除だけでなく、配偶者控除も廃止されるべき」だと意見書を提出(8月30日)したことが議論をよんでいます。 <課税ベース拡大>この意見書の趣旨は、政府税調が「あるべき税制の構築に向けた基本方針」(6月)でうちだした配偶者特別控除の廃止だけでは、「男女共同参画社会の形成の観点から」は、“中途半端”だというものです。 この意見書を受け取った税調の石会長は、“これまで受け取った税制に対する要望書は百パーセント減税要望だったが、今回はその逆で、課税ベースを拡大してもいいよという、ご意見が出たのは初めてであり、新鮮な経験であった”と驚きを語っています(8月30日の記者会見)。 そもそも税調の「基本方針」は、国の財政赤字のツケを国民の負担としておしつけるために、消費税率の引き上げ、課税最低限の引き下げなど国民への大増税路線を露骨にうちだしたものです。 また、特定扶養控除(高校生、大学生の子どもがいる世帯)についても、税調で廃止をふくめ見直しの方向を出し、配偶者控除についても、見直しの方向で「国民の議論に付したい」としています。 こういうなかで、配偶者控除も廃止して増税を、という「意見」に税調会長がわが意を得たりと思うのも当然でしょう。 このような動きに対し、少なからぬ女性団体や個人から、縮小・廃止を批判する声が寄せられています。 日本婦人有権者同盟副会長の原輝恵さんは、配偶者特別控除と配偶者控除の「両控除の廃止または見直し案が、国の財政収入を確保する増税のための方策にされているのではないかという懸念も残ります」(「婦人有権者」9月1日付)と発言しています。 <国民の生活は…>こうした控除の廃止が国民生活に何をもたらすか――。塩川財務相は13日の講演で、来年度税制にかかわって、配偶者特別控除や特定扶養控除の縮小・廃止で、「5千億円の税収増になる」と明言しています。(「朝日」14日付) さらに、約1,500万人が適用を受けている配偶者控除が廃しされると約1兆円(所得税+住民税)、単純平均で1人当たり6万6千円の増税になります。 配偶者特別控除、配偶者控除、特定扶養控除の3つの控除が全部廃止された場合、年収400万円の4人世帯で原稿は3万円の税負担が14万4千円(所得税+住民税)と5倍近くにも負担が増えます。 税調会長は、「…この改正は、政府の『女性も働いて税を納め、社会を支えて欲しい』というメッセージだ」(「毎日」9月14日付)とのべています。 「男女共同参画」の名で、政府の大増税路線に歩調をあわせるような議論をみのがすことはできません。 (2002年9月30日「しんぶん赤旗」掲載) |
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