■日本女性の地位を女性差別撤廃条約にもとづく国際的な水準に高めるために
2003年7月、国連女性差別撤廃委員会で女性差別撤廃条約にもとづく日本の女性差別の実態が審査され、最終コメントが出されました。日本政府の施策の遅れが厳しく指摘され、日本の女性の賃金や昇進・昇格差別の是正、家庭と仕事を両立する困難の解決、民法の改正をすすめることなどの勧告がだされています。
日本共産党は国会でも、政府が国連女性差別撤廃委員会の勧告を真しにうけとめ、女性差別の是正のために必要な法整備、体制強化などを「すすめることを求めて奮闘しています。
男女共同参画社会基本法制定(1999年)の際には、男女の平等への切実な願いをうけて、差別禁止に実効ある基本法をつくるために修正案要綱を発表し、基本法に憲法や女性差別撤廃条約の男女平等の理念を明記するように求めました。
条約違反にたいする救済制度として重要な女性差別撤廃条約の選択議定書を日本政府は批准していません。日本共産党は国会でとりあげ、批准を政府にせまっています。早期批准を求める請願署名は参議院での3年連続、5回の採択(2001年〜2003年)に力をつくしています。
■男女共同参画社会基本法を、男女平等の力に
「男女共同参画社会基本法」(1999年6月23日成立)の国会審議にあたり、日本共産党国会議員団は、1999年4月18日、「男女共同参画社会基本法」修正案を提出、男女差別の禁止の明確化、企業責任の明記や苦情処理・救済機関(オンブズパーソン)の法的整備、母性保護の明記など、男女平等や人権保障をもとめる国民の声にこたえるようもとめました。修正案は否決されましたが、基本法は、政策・意思決定過程への参加拡大をうたい、家庭的責任と他の活動の両立の明記など、女性の要求や運動が部分的であれ反映されました。
2001年12月、日本共産党国会議員団男女平等推進委員会は、「『男女共同参画基本計画』の充実を」と首相に申し入れました。
日本共産党は、基本法の積極面を生かし、男女平等の力にするために国政でも地方政治でも奮闘、2004年3月には各地で起きている男女平等教育や自治体の条例づくりなどへの攻撃を国会でとりあげ、政府の姿勢を追及しています。
■パート・有期労働者にも正社員と同じ待遇を――法案を提出
1200万人にのぼるパート労働者の7割以上が女性です。そして、女性労働者の半数以上が、パートや派遣などの不安定雇用です。パート労働法が施行されて10年ですが、パート労働者と通常の労働者との格差はひろがるばかりです。
2001年5月、日本共産党の国会議員団男女平等推進委員会と女性委員会は、女性パート労働者の雇用と賃金に関して、緊急の4項目(▽一方的な解雇・雇止めの規制、▽有休や休憩時間の確保など労働者保護法令の厳正な適用、▽時給引き上げと地域別最低賃金の引き上げ、▽労基法などの周知徹底と相談、苦情窓口の充実)の申し入れをおこないました。
国会では、パート労働者の労働条件改善をくり返しとりあげています。パートの低賃金、賃金格差を指摘し、格差是正ルールの策定を求めた日本共産党の質問(2002年3月)にたいし、厚生労働省も、男性正規労働者が1時間当たり2500円なのに対し、女性パート労働者は889円とひどい格差があることを認め、「働き方が同じなら処遇は同じにしなくてはならない」と答弁しました。
日本共産党は2003年4月18日に続き、2004年2月10日にパートや有期雇用労働者の低賃金・無権利の状態を改善するために、均等待遇を義務づける法改正が必要との立場から、パート労働法を改正する「パート・有期労働者均等待遇法案」を国会に提出しました。法律の対象に有期労働者を加えたうえで、事業者にたいして賃金、福利厚生、解雇、退職などの労働条件にかんして、あらゆる点でパート・有期労働者であることを理由とする差別を禁止し、正社員への優先的な採用、育児・介護などでフルタイムから一定期間パートで働ける制度、均等待遇を守らせるための事業者への罰則をふくむ措置など、実効ある法改正をもとめています。
■パート女性の最低賃金法違反をただす
日本共産党は、2001年3月12日の参議院予算委員会で、沖縄の事業所で、女性パートに最低賃金を大きく下回る時給400円(当時の沖縄の法定最低賃金は600円)で募集してきた実態をとりあげ、厚生労働省に違反状況を改善するよう追及。厚生労働大臣は「指導が必要」と答弁しました。
■男性も女性もとりやすい育児休業制度へ、改善求める
男性も女性も育児休業をとれるようになって11年になります。しかし、実際に育児休業を取得しているのは、女性で64%、男性は0.3%(2002年度厚生労働省調査)にすぎません。第1子の出産を機に女性の3分の2が仕事をやめているという調査結果もあります。
男女が子育てしながら働きつづけられるために、制度改善が急務です。2002年4月から、休業の申し出や取得を理由にした不利益扱いが禁止され、就学前の子育ての場合に残業免除の請求ができるようになるなど育児・介護休業法の一定の改善がされました。日本共産党は改正に先立って、さらに取得しやすい制度にするために修正提案を発表しました。それは、@所得保障を現行の4割から6割に、A中小企業への助成の拡充、B休業期間の延長、育児・介護時短制度の導入、C看護や授業参観のための「家族休暇制度」の創設、Dパートや派遣労働者でもとりやすくする、などです。
2004年通常国会には、育児休業期間の延長、子どもの看護休暇、有期雇用への適用などをもりこんだ政府案が出されました。一歩前進ですが、所得保障の増額などはふくまれなかった課題も多く、だれもが安心して休暇をとることのできる制度へ一層の改善を求めています。
リストラ・解雇、長時間・過密労働がひろがるなかで、育児休業をとりたくてもとれない職場の実態はいっそう深刻です。日本共産党はサービス残業の根絶、長時間労働を是正し、安心して働けるルールづくり、子育てと仕事が両立できる社会をつくるために全力をそそいでいます。
■有期労働者にも育児休業を
2003年の通常国会では、有期雇用の期間を3年に延長するなどの労働法制の改悪がおこなわれ、今後、有期雇用など不安定雇用がますますひろがる恐れがあります。現行の育児・介護休業法では、有期雇用労働者は適用対象外とされています。日本共産党は国会質問で、「不安定雇用労働者の産前産後休暇、育児休業の適用について抜本的対策をとるべきだ」と強調、「有期雇用労働者にも育児休業を」「事業主への厳正な指導を」求めて政府の姿勢をただしてきました。また有期雇用労働者にも育児休業を認める法改正をもとめ、厚生労働大臣も検討を約束しました。
2004年通常国会に提出された改正案に、有期雇用への適用がもりこまれました。しかし3カ月、6カ月などの短期雇用では適用されないなど厳しい条件があります。日本共産党は6カ月以上働きつづけているすべての労働者を対象にすることを求めています。
■妊娠・出産にたいする差別的扱いは違法と追及
妊娠・出産による解雇が社会的に問題になっています。妊娠すると解雇されてしまうために、出産をあきらめる派遣社員が増えていることが女性週刊誌に報道されるほどです。日本共産党は国会でとりあげ(2003年7月)、「妊娠したら解雇という法違反がなぜ野放しになっているのか」と追及、厚労省の担当局長は「(差別的取扱いを禁じた均等法の)周知・徹底を図りたい。そういったことがあれば、労働局の雇用均等室に駆け込んでほしい」と答弁しました。
■「男性でも女性でも同一労働には同一の賃金」をかかげて
日本の女性労働者の平均賃金は、パートを除いても男性の約6割、パートをふくめると5割をきっています。国際的にみても異常な格差です。女性労働者が労働者の4割をしめ、社会的にも企業内でも大きな役割をはたしている現状のなかで、こうした不当な男女の賃金格差をなくすことはいっそう重要になっています。日本共産党は2001年2月に「男女賃金格差是正のために当面の緊急要求」(仕事の内容、熟達度、労働時間、勤務形態が男性と同一の場合、賃金でのあらゆる格差を抜本的に是正、同一労働のパートなどの賃金は、正社員の少なくとも8割まで引き上げさせるなど)を発表し、たたかいの発展をよびかけています。
■日本航空・客室乗務員の深夜業免除制限撤廃のために奮闘──東京労働局が日航を指導、厚生省も「問題ある」
日本航空は2003年4月から、これまで全員に認めていた育児・介護のための深夜業免除を、抽選による75人に制限し、はずれた者は無休の休業か連続4日の勤務を「選択」させる方針を発表。これにたいし日本航空客室乗務員組合は、「子育てしながら働く道を閉ざす」と会社に計画の撤回を要求し、厚生労働省や国土交通省へも日航への助言・指導を申し入れました。
日本共産党は、関係省庁や日航へ申し入れをおこない、こうした運動を激励、国会質問でもとりあげ、厚生労働省担当局長や副大臣が、全員への育児休業を適用することの重要性を認め、「適切な助言、指導をおこなっていきたい」と答弁をしています。
■国家公務員の男女格差是正は“政府の責任”と改善を迫る
国家公務員に占める女性の比率はきわめて低い状況です。日本共産党は国家公務員の採用、昇給における男女差別の問題を国会でくり返しとりあげ、数値目標をもつなど積極的是正策が必要だとねばり強く要求してきました。2001年5月21日、人事院は「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を策定し、各省庁に通知しました。
2004年4月、男女共同参画推進本部は、目標を設定し、採用・登用の促進をはかる方針を出しています。日本共産党のねばり強い追及が実を結んだものです。その後もひきつづき国会でとりあげ、国家公務員の退職手当での男女格差の実態や女性管理職がわずか1.4%という現状をあきらかにして、政府に是正、改善をせまっています。
■男女昇格・昇進差別是正を支援する
野村証券に働く女性の賃金・昇格差別の是正を求めた裁判で、2002年2月20日、東京地裁は、野村証券の「コース別」採用や処遇を続けてきた人事制度は「男女差別」であると認める判決を下し、会社に慰謝料の支払いを命じました。
芝信用金庫の女性昇格差別裁判で、東京高裁は2000年12月、労働者の「女性も昇格・昇進して責任ある仕事をしたい」との訴えにたいし、男性を優遇しているという直接証拠がなくても「格差の存在という結果から(差別を)推認」できるとして課長職への昇格を命じるという画期的判決をだしました。2002年10月24日最高裁は、昇格差別、差別賃金の是正、慰謝料、弁護士費用まで会社に支払いを命じた全面勝利和解判決を下しました。提訴から15年、女性が男性と同じく昇格するという地位の確認を求めた初めての判決で、基本的人権の一部として平等に働く権利を認めた画期的なものです。
住友生命の既婚女性に対する昇進昇格差別、退職強要などのいやがらせとたたかって訴訟を起こしていた裁判で、2002年12月16日大阪高裁は、和解判決をくだし、女性たちの勝利となりました。今回の判決はわが国初の「結婚による昇格差別は、違法」とするものです。
住友電工に働く女性2人が昇格差別をうけ、国と会社を相手取って訴えていた男女差別訴訟では、2004年1月5日、8年ぶりに大阪高裁で和解が成立。それぞれ「主席」「主査」に昇格。高裁は、「男女差別の根絶を目指す運動の中で一歩一歩前進」「すべての女性がその成果を享受する権利を有する」と明確な判断をくだしました。これによって原告以外の女性4人も主席に昇格しました。
日本共産党国会議員団はこれらの裁判闘争について、芝信金が法律の不備を悪用していることを追及するなど、労働者を支援するとともに、「女性差別撤廃条約」や「男女雇用機会均等法」、憲法14条にてらしても是正すべきと繰り返し関係省庁や厚生労働省への申し入れを行い、国会で取り上げ改善をせまるなどたたかいを支援しました。また、日立や安川電機での女性差別を是正する和解の実現に貢献しました。