子どもと教育

子どもの権利条約の実施をせまる

 日本共産党国会議員団は、子どもの権利条約の実施状況を監視・評価する総合的な実施機関の設置、子どもの意見表明権の保障、競争的教育制度の改善など、子どもの権利条約の実施について、国会の様々な場で追及してきました。

 1999年8月5日、衆議院青少年問題特別委員会で、大森猛衆院議員(当時)が子どもを18歳までとした権利条約をひきながら、18歳選挙権の実施を要求。太田総務庁長官(当時)は「18歳選挙権が提案されれば賛成する」と言明しました。

 2000年の少年法「改正」では、刑罰年齢の引き下げにたいして、14、15歳の子どもは人間的な感情や精神力が未熟な場合が多く、教育によって立ち直る可能性が大きいとし、子どもの権利条約などの国際規範に違反すると強く反対しました。

 2004年3月26日、参議院文教委員会で林紀子参院議員は、「校則は学校の責任と判断で決める」として、校則についての子どもの意見表明権を無視した文部科学省通達の撤回を求めました。文科省は撤回には応じませんでしたが、「必要に応じて児童生徒の意見も考慮していく」と答弁しました。また、子どもの権利条約そのものが、子どもたちに知られていない現状を指摘し、改善を要求しました。河村大臣は「さらに周知徹底を図っていく」と答弁しました。

 2004年1月におこなわれた、国連の「子どもの権利条約委員会第2回日本審査」の場には、林紀子参院議員が日本の国会議員として唯一参加しました。その後、関係団体と懇談をおこなうなど、同審査にもとづいてだされた第3回勧告の実施のために努力しています。

子どもをめぐる深刻な危機について、国民的な対話と運動をよびかける

 衝撃的な少年犯罪があいつぎ、いじめや少女買春なども頻発していることに多くの国民が心を痛めています。日本共産党は、社会が直面している道義的危機を克服する課題、とりわけ子どもたちの健全な成長を保障することは21世紀の民主的な社会をきずくために大切なことと考えています。そして多くの国民が、解決を求めている緊急な問題であると考え、広く国民のなかでの討論と解決のための共同をひろげていきたいとよびかけ、各地で懇談をすすめています。

 社会の道義的な危機の大もとには、リストラや雇用破壊・長時間労働、異常な競争教育・管理主義教育など自民党政治のもとでの国民の生活や労働、教育などのさまざまなゆがみや矛盾、困難が蓄積されているという問題があります。

 同時に日本共産党は、社会がとりくむべき問題もあると考えて、@民主的社会にふさわしい市民道徳の規準の確立、A子どもを守るための社会の自己規律を築く、B子どもの声が尊重され、社会参加する権利を保障する、C子どもの成長を支えあう草の根からのとりくみを、の4つの角度での対話と運動をよびかけています(日本共産党第23回大会「決議」第7章「社会の道義的な危機を克服する国民的対話と運動を」、04年1月13〜17日)。

「人格の完成」を教育の目的とする教育基本法をいかし、改悪に反対

 教育基本法は、憲法と同じように、侵略戦争の反省にたってつくられたもので、教育の目的を「人格の完成」として位置づけています。市民道徳を形成するうえでも大事な法律です。

 日本共産党は、子どもたちの健やかな成長のために、教育基本法をいかす教育の実現をもとめてきました。

 日本共産党は2003年2月26日の文部科学委員会で、中央教育審議会がまとめた教育基本法見直しの中間報告(02年11月)にある文言「新しい時代を切り拓く心豊かでたくましい日本人の育成」が、その前に発表されていた文部科学大臣の発表「人間力戦略ビジョン−新しい時代を切り拓くたくましい日本人の育成」と同じであることを指摘、教育基本法見直しを押しつけたのではないかと追及しました。大臣は「符号している面もある」と認めました。石井議員は中教審会長らの参考人招致を要求しました。

 いま政府・自民党は、教育の荒廃の原因を教育基本法にもとめて、改悪の策動を強めています。日本共産党はこの危険な動きに対し、自民党がこの理念や原則をふみにじってきたことが、教育の荒廃をつくりだしたものであることなどをあきらかにしています。国会でも教育基本法改悪の不当性を主張し、改悪許さない国民のたたかいと共同をひろげています。

30人学級法案を提案、42自治体が少人数学級を実施・予定

 日本共産党国会議員団は、教育条件を向上させることは、教育に対する政治の第1の責任であり、遅れた教育条件を欧米なみに引き上げることが大切という立場から、30人学級を求める数千万人の請願署名運動など全国の運動と連携し、少人数学級の実現のために一貫して奮闘してきました。

 2000年3月、日本共産党の畑野君枝参院議員の質問にたいし、文部省(当時)は、全国の公立小中学校で30人学級を実施すると、約9万学級の増加が見込まれ、教員12万人増、経費9800億円が必要だと答弁しました。

 こうした日本共産党の論戦は、野党が共同で法案提出に踏みだす大きな一歩となりました。

 2001年3月、政府案と3野党(日本共産党、民主党、社民党)共同提出の2つの「30人学級」法案が衆院本会議に付されました。日本共産党の石井いく子衆院議員が提案者として答弁に立ちました。衆院本会議で法案提案者として答弁するのは歴史上はじめてのことでした(衆院議事課調べ)。自民、公明、保守、自由各党(当時)の反対で野党案は成立しなかったものの、少人数学級の世論を大きくひろげました。

 地方議会でも、日本共産党は少人数学級の実施を主張し、少人数学級を実施・予定する道府県は、2002年度の22から2003年度は30に増加(文科省調べ)。2004年度には神奈川や兵庫なども加わり、全国で42道府県にひろがっています。

 日本共産党は、ひきつづき教育条件の本格的な向上にとりくみ、「30人学級」実現、義務教育費の国庫負担金制度の縮小・廃止の阻止、私学助成の抜本的増額と私立学校の父母負担の軽減、学費値上げと奨学金制度の拡充などをすすめ、遅れた教育条件をせめて欧米なみにひきあげるために奮闘しています。

学校施設改善で大きな成果

 日本共産党国会議員団の追及によって、学校施設について初めて全国調査がおこなわれ、耐震化実施へ政府を動かしました。また、全国調査と質問で、学校施設改善、トイレの改善、有害なPCB蛍光灯交換の予算をかちとりました。

《国の責任による学校耐震化の推進もとめ、前進》

 学校は、子どもたちの日常生活の場であるとともに、地域住民の避難所としても大きな役割を果たす施設です。戦後未曾有の被害をもたらした阪神・淡路大震災の最大の教訓の一つは、人命を守るためには既存の建物の耐震性を強化することでした。その立場から日本共産党国会議員団は、学校施設の耐震化についてくりかえし政府を追及してきました。

 2001年、藤木洋子衆院議員(当時)、大沢辰美参院議員が「整備の必要な学校数すら把握せずに必要な整備がすすむはずがない」と国の姿勢をただし、伊吹文明防災担当大臣(当時)が「文部科学大臣と相談したい」と答弁。それまで文部科学省は、公立小中学校施設の耐震診断や耐震化は市区町村に責務があるとして全国的な実態調査すらおこなっていませんでした。2002年6月には、8人の議員が公立学校施設の耐震性確保などを求めた質問主意書を提出し、耐震化の具体策をもとめました。

 2002年7月、文部科学省は「公立小中学校施設の耐震状況調査」結果を発表、耐震診断をしなければならない建物8万7000棟のうち、診断済みがわずか3割という驚くべき実態が明らかになりました。その後、都道府県教育委員会あてに小中学校の耐震診断と問題ある建物についての速やかな補強・改築の指導をおこなうこと、耐震診断未実施のすべての建物について、3年以内に診断を終了するための計画を策定して、8月末までに提出を求める通知を出しました(2002年7月)。また内閣府が初めて実施した全国調査では、「小中学校の耐震化率は46%」にすぎないことが明らかになりました。

 2003年1月には、畑野君枝参院議員が、耐震化工事は従来型の公共事業にくらべて経済波及効果が高いこと(1000億円あたり4.4万人の雇用効果)をしめし追及。小泉首相は、「それぞれの要望を踏まえて対処する」と答弁しました。文部科学省は2003年4月、報告書を作成し、重点をきめて実施する方針を打ちだしました。

 日本共産党国会議員団が、ねばり強く要求してきた学校施設整備費の耐震化対策予算は、2003年度は前年度比147億円増の1077億円だったことに続き、2004年度は全体予算が削減されるなかでも、前年度比3億円増の1080億円と耐震化推進にむけ大きく動きだしています。

 学校施設耐震化の実態を国の責任で明らかにさせ、耐震化推進に向けて動き出したことは、日本共産党国会議員団、各地の地方議員、父母や教職員等の粘り強い要求の成果です。

学校トイレ、危険な校舎の改善を要求。大規模改造事業の補助拡充が実現》

 長年にわたる教育予算削減で、学校の施設の老朽化が深刻になっています。日本共産党国会議員団は、この問題を重視し、1999年に全国調査をおこない、各地の住民、地方議員団と力をあわせ、さまざまな学校施設改善を実現しました。1999年、この問題を国会でとりあげ、「緊急度の高いものから市町村の必要な事業量を確保したい」との文部大臣の回答をひきだしました。

 その後の粘り強い学校トイレの改善運動の結果、2001年3月に補助対象が拡大し、各地で「臭い、暗い、汚い」トイレから明るくきれいで個性的なトイレにする動きがすすみました。また、2000万円以上の改修を補助対象としていたのを400万円に引き下げ、トイレ改修だけでも「大規模改造事業」の補助対象になるように改善され、この3年間で1716校のトイレ改修がすすんでいます。マスコミでも「変わるトイレ生活」(日本経済新聞)など話題となりました。

 また、有毒のため30年も前に製造中止になったPCB蛍光灯がひろく学校で使われているにもかかわらず予算措置がないことを追及しました(00年4月、石井いく子衆院議員)。その後、各地で実際に事故がつづき、石井議員が文部省(当時)に緊急申し入れ。2001年度予算に、補助のための予算が急きょ盛り込まれました。

 また小、中、高校の教室の冷房化を要求し、2002年に初めて設備費補助が盛り込まれました。


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