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日本共産党

 多摩格差解決の努力、
都民要求64項目実現の予算組み替え動議

都政での日本共産党の働きは抜群

東大和市の演説会で不破議長が訴え

2001年4月16日(月)「しんぶん赤旗」


 都議選・北多摩一区(定数三、東大和、東村山、武蔵村山の三市)で再選をめざす小松きょう子都議の必勝と参院選での日本共産党の躍進をと東大和市ハミングホールで開かれた演説会では、不破哲三議長が応援。会場一、二階ロビーにまであふれる千百人の聴衆がつめかけました。緒方靖夫参院議員が決意を訴え。小松きょう子都議は、都議選の勝利で都が切り捨てた福祉を取り戻す決意を表明しました。

 不破議長は、東大和市(北多摩一区)での演説会で、「四年前の都議選で日本共産党が二十六議席、都議会で自民党につぐ第二党になった。都議会の様子がガラッと変わったといわれるが、一番変わったといわれるのが都政での多摩問題の討論だ」と切り出しました。多摩地域で選出の日本共産党都議は、一人から一挙に七人に増え、この四年間、多摩問題でも抜群の働きをしてきたのです。

多摩問題で都当局と正面から論戦

 東京の多摩地域では、住民の生活条件が二十三区内に比べて悪く、この格差を解消することが都政の大きな課題となってきました。いまでも、格差解消のために、多摩地域の市町村に出されている補助金・交付金は約千三百億円にのぼります。

 「この補助金・交付金を削ることは、都当局の年来の根深い方針。これに正面からたちむかい、論戦で打ち破ってきたのが、共産党の都議団です」と述べた不破議長は、その活動ぶりを具体的に語りました。

 「今年の一月、東京都は『多摩の将来像・素案』という冊子を発表しました」。その冊子を示した不破議長は、ここで都が言いたいのは、“多摩格差が現在ではかなり解消している”という評価、次に出てくるのは、補助金・交付金の削減だというのは見え見えだ、と指摘し、「これに正面からの論戦を挑んだのは、共産党だけで、本会議(前沢都議)から予算委員会(村松都議)につづく連続質問で、格差が今日も重大な問題であることを事実で証明した」ことを明らかにしました。

 こういう質問は、いつも都議会で大きな話題を呼んでいます。不破議長は、その典型として、多摩の道路問題をとりあげて、議場を圧した小松きょう子さんの本会議質問(九九年九月)を紹介しました。小松さんは、多摩格差の大きな問題として、多摩の都道の多くが、幹線道路でありながら歩道がついておらず、危険な状態になっていることを指摘、抜本的な改善を求めたのです。自民党議員は、最初は「共産党は道路反対だろう!」などとやじったものの、次第に黙り込み、最後は静かに小松質問に聞き入ったのです。

 不破議長は、多摩地域の要求をとりあげて小松議員が質問するたびに、自民党議員から、「ああいう質問がいい」「自分たちも見習わなければ」といった声があがっていることも紹介、「このように、七人の都議は、多摩地域の住民の利益の強力な守り手になっている」と小松さんの再選と日本共産党の躍進への大きな支援をよびかけました。

シルバーパス――有料化で何が起こっているか

 不破議長は、くらしと景気を立てなおす緊急提言を中心に、野党共闘の展望もふくめ、国政問題をくわしく解明したあと、都政問題での日本共産党の方針と活動について語り、そのなかでシルバーパスの問題をとりあげ、「私たちが心配していたとおりのことが起こった」と、いま起こっている深刻な状況を報告しました。

 まず、有料化され、手続きがむずかしくなったため、それまで七十七万七千人いた利用者が、六十七万一千人に減ったことです。「これは制度改悪で十万六千人が振り落とされたこと」と、不破議長は語ります。

 さらに重大なことは、利用者のあいだに住民税の課税・非課税の区別がもちこまれ、千円負担が五十四万人にたいし、五千円負担が十二万八千人にものぼったことです。「しかも、この負担金は今年の秋には一万円に値上げ、来年秋には一万五千円、再来年秋には二万五百十円にと年ごとの値上げがきまっている。これでは、だれも利用できなくなる。結局、これまでの利用者の三分の一は振り落としてしまおう、というのが今度の有料化だ。“どこまで年寄りをいじめれば気がすむのか”の声が広がっている」。不破議長は、怒りをこめて語りました。

 そして、シルバーパスの有料化やマル福(老人医療費への助成)や老人福祉手当(寝たきり老人への手当)の段階的廃止など、「決まったこと」とあきらめてしまわず、制度の復活をかちとることは、都民全体の緊急の課題の一つではないか――不破議長の痛切な訴えです。

無料化復活に必要な予算は12万円の家計なら20円分の支出

 日本共産党の都議団は、三月の都議会で、都民の要求を代表する予算組み替え動議を提出しました。そのなかには、シルバーパスを無料化にもどす要求も含まれていました。

 「これに必要な予算は二十億円。大きな金額のお金と思われるかもしれないが、東京都の財政は、いろいろな会計をあわせると規模十一兆九千億円。そのうち、ごくわずかの金額を組み替えれば実現できます」。不破議長は、さらに「家計に換算すれば、そのやりくりがよく分かるはず。十二万円使っている家計で、二十円分の使い道を変えよう、という話です」と解説。会場からは、うなるような声があがりました。

共産党の予算要求はその気持ちさえあれば、すぐにも実現できるもの

 不破議長は、「都民のこういう要求を六十四項目にわたってまとめて都の予算の改善を要求したのが、都議団の予算組み替え動議で、それに必要な財源をどこから生み出すかまできちんと考えて提案している」と説明しました。

 組み替えの内容は、六十四項目の施策実現に必要な歳出増の合計は九百十九億円、無駄遣いを削減する歳出減の要求は千七百九十一億円でした。「この要求は、ごく控えめな、都民の切実な要求にこたえる気持ちさえあれば、すぐにも実現できる、無理のないもの」だという不破議長は、さきの家計との比較にもどりました。

 「十二万円の家計のところで、無駄遣いを千七百九十一円節約して、そのうち九百十九円を必要なところにあてようという提案。それでも、これが実現したら、都民のくらしを支える都政の役割は、大きく変わる」。この訴えに多くの人たちは目を輝かせました。

 不破議長は、「こういう組み替え提案をだすのは共産党だけ。他の党は、選挙(六月)のときはいろいろ『公約』するが、それなら、三カ月前の予算議会でなぜそのことを要求しないのか。これでは政党の役目は果たせない」。不破議長の訴えに、なるほどとうなずきが広がります。

 不破議長は、最後に、「都民の暮らしをよくする施策が前進するよう、みなさんのご支持をお願いしたい」とのべ、小松きょう子さんの再選と日本共産党の躍進を呼びかけ、大きな拍手に包まれました。

 

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