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日本共産党

落ち目の反動派のどんな攻撃も打ち破ろう

東京・荒川での演説会 不破議長の訴えから

 2001年3月29日(木)「しんぶん赤旗」


 日本共産党の不破哲三議長が二十七日、東京・荒川でおこなった演説のうち「都政問題」部分を紹介します。


石原都政にたいする態度――「いいことは賛成、悪いことは反対」

 最後に、都議選の問題です。

 四年前の都議選で、日本共産党は二十六の議席をえて、自民党に次ぐ都議会第二党の地位をえました。この力がどれだけ値打ちがあるかということは、青島都政の最後の二年間でも、それからまた石原都政のこの二年間でも、いよいよはっきりしてきたと思います。

 石原都政について、実は私は、二年前、石原さんが当選した直後に、開票速報を見ながらの記者会見で、「どういう態度をとるか」と聞かれたのです。石原さんは名うてのタカ派の政治家で、しかも共産党嫌いで有名でしたが、そのとき私は、“石原さんが、そういう特定の政治的立場を東京の都政に持ち込むことには反対だ。しかし、都政で何をやるかについては、中身次第、都民の立場で対応してゆきたい”と答えました。つまり、いいことには賛成するし、悪いことには反対する、ということです。

 この態度は、日本共産党が、石原都政の二年間、ずっと貫いてきたことです。

 「いいこと」にはどんなことがあったか。都政の直接の問題では、銀行に特別の課税をすること、ディーゼル車の公害規制を強めること。さらに国政にもかかわる問題では、首都移転に反対すること、横田基地の返還を求めること。こういうことは、都民の利益にかないますし、私たちが以前から主張してきたことですから、大賛成です。

 実際、首都移転についていえば、これは、国会では、他の政党がすべて賛成にまわるなか、日本共産党は、政党としてはただ一人、最初から反対してきた問題でした。横田基地の返還も、私たちは一貫して返還を求めてきました。銀行課税やディーゼル車の公害規制は、青島都政の時代から、都議会で提案し主張してきた問題です。ですから、私たちは、石原知事がそういう提案をしたときには、最初から大賛成の態度をとってきました。

 しかし、「悪いこと」――都民いじめの政治をやることについては、私たちは、相手は鈴木知事であれ、青島知事であれ、石原知事であれ、これには反対をしっかり貫きます。

 共産党は第二党ですから、共産党がねばりづよく反対すると、それは都議会ではかなりの威力をもちます。先ほど、緒方さんが、介護保険の問題で、共産党が利用料などの減免をくりかえし求めるなかで、論争をしあいながらも、知事の答弁が変わってきたことを紹介しましたが、これもその一例です。そういうがんばりをやって、たとえば、水道料の値上げをやろうとするもくろみを未然におさえるとか、「財政健全化計画」では「見直し」の項目にあげられていた私学助成や中小企業融資の制度をまもるなどの成果をあげました。

 それから乳幼児医療費の無料化などは、鈴木都政の時代から、他の党がみんな反対してもその条例をくりかえし提案しつづけた問題でした。これが、鈴木都政の最後の時期に最初の制度が実現し、青島都政のもとで拡充されて、さらに石原都政になって今年の秋から入学前の子どもさんが医療費無料化の対象になるところまですすんできました。

 ただ、残念なことは、シルバーパスが、とうとう押し切られて有料化されてしまったこと、そしてマル福(老人医療費の助成)も段階的に廃止される大改悪となったことです。これは、いまの都政当局の問題であると同時に、他の諸党――四年前の都議選で「シルバーパスを守ります」とあれだけはっきり公約してきた自民党、公明党、民主党、社民党などが、みんな態度を変えて、都政当局の側に立ってしまったこと、この公約違反が大きな問題でした。

 しかし、第二党である日本共産党が、「いいことはいい、悪いことは悪い」の態度を貫いてきたこと、いまも貫いていることは、都議会の非常に大きな力になっています。こういう立場に立った政党こそが、いま、都民にとっていちばん必要な政党ではないでしょうか。

こういう筋の通った訴えは、他のどの党にもできないこと

 実は、都民のみなさんの前で、「私たちの党はこういう態度できましたよ」と言える政党は、日本共産党以外にないのです。

 たとえば、「いいこと」ではどうか。石原知事が銀行税を提案したとき、「私たちも前からそういう立場だった」と言える党があったかというと、共産党以外どこにもない。ディーゼル車の公害規制の問題でも、「私たちはこういう提案をしてきた」と、都民の前で胸をはって言える政党はない。国会で、政党としては共産党だけが反対の態度をとった首都移転の問題は、いうまでもないことです。

 また、石原知事が前の都政を引き継いで、マル福の段階的廃止やシルバーパスの有料化などをやってきた時に、反対の態度を最後まで貫いた党も、日本共産党以外にはありませんでした。

 こういうことは、都議選という都民の審判を前にしたいま、どの党にとっても、たいへん具合の悪いことです。そのことを、いちばん恨みに思うというか、逆恨みした政党が、公明党でした。日本共産党が、自分の態度を「いいことはいい、悪いことは悪い」と堂々と都民に説明できるのが、悔しくて仕方がない。そこで、東京都議会の舞台を日本共産党攻撃の反共党略に利用しての悪だくみを考えました。

公明党と石原知事が、日本共産党攻撃のやりとり
 事実はそっちのけ、都議会を舞台にした反共作戦

 三月十六日の東京都議会で、公明党の議員が、銀行税などの問題をとりあげて、“共産党は石原知事がやったことを全部自分の手柄だと宣伝している。そういう党をどう思うか”、こういう質問をやったのです。石原知事はもともと共産党嫌いですから、すぐそれに乗って、「そういう政党はハイエナのようなものだ」と答弁しました。ハイエナというのは、アフリカにいる、他人の獲物を横取りする、腐った肉でも食べるといわれる動物です。共産党をそれにたとえるという、言語道断な中傷答弁で、公明党の質問に答えました。

 わが党の議員は、その場ですぐ石原発言にきびしく抗議し、公明党がもちだした攻撃にも具体的な事実をあげての反論をしました。

 問題の白黒ははっきりしています。私たちは、どんな宣伝をしているか。今日も、共産党がずっと配布してきたビラ(「東京民報」三・四月号外)をお手元にお配りしてありますが、たとえば銀行税の問題で、そこに書いてあることをご覧になってください。石原知事が銀行税を提案した、それに共産党が賛成した根拠について、「日本共産党は青島都政時代に、『都として大銀行に課税すべきだ』と提案しました。だから、石原知事の銀行課税に積極的に賛成しました」、こう書いてあります。

 共産党が、青島都政の時代にこういう提案をしてきたことは、都政当局も認めざるをえない事実なんです。九八年三月十八日の東京都の財政委員会で、日本共産党の古館議員、板橋区選出の議員ですが、そういう提案をしたことは、議事録にちゃんと記録されています。

 石原知事と公明党のやりとりは、問題をねじまげた、根も葉もない共産党攻撃以外のなにものでもありません。

 東京には、「都政新報」という都政専門の新聞がありますが、このやりとりを、記者座談会でとりあげて、こう書いていました。

 B ただ、自民、公明の共産党攻撃はそのレベル〔政策論戦のレベル〕を超えた選挙対策ではないかと勘ぐってしまう。

  知事の「ハイエナ」発言を引き出して紛糾したが、共産党攻撃には知事も一役を買っている。

  「ハイエナ」は言い過ぎだった。「品性に欠ける」と共産党が抗議したが、当然だね。(「都政新報」三月二十三日付)

 私は、なかなか都民の良識が現れているなと、興味深く読みました。

 ところが、みなさん。鬼の首でもとったように、この知事答弁を、日本中にふれ歩いて、日本共産党攻撃の最大の道具だてにしているのが、公明党です。しかも、そのやり方が実に汚いのです。

 この日曜日(三月二十五日)は、東京・小金井市の市議選の投票日でした。その前の晩おそく、十一時ごろから翌朝にかけて、こういうビラがまかれました(ビラを手で示しながら)。「石原都知事が共産党批判 他人の獲物を横からさらうハイエナによく似ている」。「公明 こがねい都議会報告版」とありますから、明らかに公明党がまいたものです。こういうビラを、相手が投票時間前には反論できないと思う夜中ぎりぎりになって一斉に小金井市中にまく、こういう謀略的なことを平気でやる党だということは、本当に怖い話だと思います。

まじめな政党なら、国民の前でいうべきことがたくさんあるはずだ

 公明党が都民、国民の前にきちんと物を言うのだったら、こんなでたらめな共産党攻撃ではなく、党として言わなければならないことは、たくさんあるはずです。

 KSDから、「広告料」という形で多額の応援をうけて、中小業者の共済掛け金のぶんどりに一役買った責任をどう感じているのか、日本中をこれだけゆるがしている機密費の分け前にあずかってきながら、そのことへの反省の言葉を何も言わないでいるのは、どういうことなのか。四年前の東京都議選で、「シルバーパスのとり上げは共産党のデマ宣伝だ。公明党はシルバーパスは絶対守ります」とあれだけ言って歩きながら、その公約を投げ捨てた責任をどう考えているのか。

 本当にまじめな政党だったら、公明党が都民の前で、国民の前で、自分の反省をきちんと述べなければいけないことは、たくさんあるはずです。(拍手

 しかし、それはまったくやろうとしない。反省しないでごまかすというやり方は、公明党がおしている森首相とまったく同じではありませんか。(拍手

 国政では国民いじめ、都政では都民いじめの政策の推進役を買って出ながら、ウソをウソでかためるやり方で日本共産党攻撃に熱中し、それでしゃにむに自民党と自・公連合の勢力拡大をはかる。本当の宗教心とは縁もゆかりもない勢力のこんな勝手放題を、私は、東京で許したらたいへんだと思います。(拍手、「そうだ」の声)

まじめな宗教者の対照的な姿
 京都での「宗教者と不破哲三さんとの懇談会」

 この集団のやり方を見るにつけても、私は、これとはまったく対照的な姿――先日、京都でお会いした宗教者のみなさんの、国民と日本、さらに世界を思うまじめな姿を、思いださざるをえないのです。

 実は、三月十六日に、京都で「宗教者と不破哲三さんとの懇談会」という集まりが開かれました。二度目の集まりでした。去年は、聖護院(しょうごいん)という修験者(しゅげんじゃ)の総本山で、多くの宗教の方が集まってこの会を開いていただきました。今年は、知恩院(ちおんいん)という浄土宗の総本山で開かれました。

 日本共産党は、党の立場は無宗教ですが、信仰の自由は尊重しており、党内でも信仰の自由を保障しています。去年の党大会では、大阪のお寺の住職の方が代議員として参加し、発言して外国の代表のみなさんにもたいへんな感銘をあたえたものでした。

 私たちは、そういう立場から、現世の問題で宗教者との協力にずっと努力してきました。こういう努力が、いま、いろいろな形で実ってきているのです。

 今度の集まりは、本山修験宗・宗務総長――聖護院の方です――、浄瑠璃寺の住職、大原の念仏寺の住職、仏教大学の前学長、日本基督教団の同志社教会の牧師、日本聖公会の京都聖ヨハネ教会の牧師さん、そういう方がたが呼びかけ人になって、京都や近県の宗教者の方に広く呼びかけてくださったのです。

 この集まりは、仏教、キリスト教、教団大本、天理教、金光教など、本当に多くの宗教の垣根をこえた集まりとなりました。仏教も、天台宗、本山修験宗、浄土宗、浄土真宗本願寺派、真宗大谷派、真宗仏光寺派、臨済宗などなど広く各派にわたり、七十人近い大きな集まりとなりました。

 私は、そこでも本当に強く感じたのですけれども、京都や関西の宗教界では、現世の幸福のために宗派の垣根をこえて対話と協力をすすめ、国民に貢献しようじゃないか、という流れが、いまたいへん大きな流れとなっています。その流れのなかに、日本共産党もくわえていっしょにやってゆこう、宗派の違い、宗教と無宗教の違いをこえた協力で、新しい日本のために力をつくそうじゃないか――その思いを共通のものとして、熱心な対話がかわされました。

 本当に、まじめに国民のことを願い、平和や環境や世界のことを思う宗教者の気持ちが、さまざまな宗派の垣根をこえて集まったのです。

 このまじめな宗教者のみなさんがいま一番恐れているのが、他宗の信仰を否定する宗教団体――創価学会・公明党が、政権勢力になっていることです。

 この団体は、京都でも、宗教者の垣根をこえた団結には絶対に入りません。もともと、他の宗教はすべて「邪宗」として否定してきた歴史をもっていますから。その勢力が、日本で、政権に強い影響力をもちはじめたことを、非常に恐れています。

 一方、こういう方がたは、一番頼りにしているのは日本共産党だと、はっきり言われます。あるお寺の住職さんから、「共産党の不破さんが来てくれたから、宗教の違いをこえたこういう話し合いの場もできたのだ」と、感謝の言葉を述べられて、私はびっくりしました。(拍手

思想や信仰の違いをこえた国民の協力が大事
 日本共産党はその道をまじめに進んでいる

 みなさん。ここに現れていること、国民がいろいろな思想や信仰の違いをこえて力をあわせる、これこそが日本を変える道ではないでしょうか。この道をまじめに進み、二十一世紀に国民のための政治を本当に実現しようとがんばって、宗教者のみなさんのあいだにも信頼と協力の関係を広げているのが、日本共産党であります。その点で、まさに前途は洋々と開かれているという確信を、私は強くもっています。

 相手はいろいろなことをやってくるでしょう。汚いデマ宣伝もくりかえしやってくるでしょう。しかし、日本共産党は、デマ宣伝どころか、戦前は、あのたいへんな暴圧にも屈しないで、「国民が主人公」の民主主義の旗を守り抜いてきた歴史をもつ政党であります。

 落ち目の反動派が、どんな手だてを講じようと、そんな攻撃は見事に打ち破ってみせようではありませんか。(拍手

 国の政治では森首相をささえて悪政を推進し、都政でも都民に背をむけている自民党と公明党が、この荒川区では都議会の貴重な二つの議席を独占しています。こんな状態を打ち破って、荒川区民の声と要求をになう鈴木けんいちさんを、必ず都政に送りだしていただきたい、と思います。(拍手

 そして続く参議院選挙では、東京選挙区での緒方靖夫さんの引き続く当選、比例区での日本共産党の躍進をぜひとも実現させていただきたい。

 こうしてみなさん。日本の政治のなかで「国民が主人公」の流れを大きく大きくしてゆこうではありませんか。(長く続く拍手


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