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日本共産党

宗教者と不破議長が京都・知恩院で懇談

人間と命の大事さを
政治と社会の全体に広げよう

 2001年3月19日(月)「しんぶん赤旗」


“お互いの努力と協力で新しい日本、新しい世界を”

 「哲学が違っても、ともに悪い世の中をよくしていくことを共産党と一緒にやれる勇気がわいた」(参加者の感想)――十六日に京都・東山区の知恩院和順会館で開かれた「宗教者と不破哲三さんとの懇談会」。宗教者と不破さんとの懇談は昨年六月につづくもので、今回は六人の宗教者のよびかけ(別項)で実現したものです。京都東山三十六峰の一つ華頂山を借景に、木造の門としては世界一の大きさである三門などの施設を抱えた知恩院(浄土宗七千余寺の総本山)での開催が実現し、仏教、キリスト教、天理教、金光教など宗派を超えて約七十人の宗教者が集いました。佐伯快勝さん(浄瑠璃寺住職)の総合司会で始まった懇談会は、率直で多彩な意見が交流され、参加者に静かな感動を広げました。取材したマスコミ記者にも「共産党が開かれた党であることがわかる。宗教者の方もトップは変わってきているんですねえ」と反響をよびました。

 宗教者と不破哲三議長との懇談会は、つぎの方々のよびかけでおこなわれました。(敬称略・五十音順)
  • 大江真道・日本聖公会京都聖ヨハネ教会牧師
  • 大島亮準・大原念佛寺住職
  • 佐伯快勝・浄瑠璃寺住職
  • 佐伯幸雄・日本キリスト教団同志社教会牧師
  • 高橋弘次・佛教大学前学長
  • 宮城泰年・本山修験宗宗務総長

宗教と政治の協力のあり方は

不破氏「哲学の違いを超えて現世の問題で協力を」

大島氏「社会的苦悩は深刻だが世直しでは共産党と共同歩調で」

 多面的な対話のなかでも、参加者の注目を集めたのが、二十一世紀に宗教者と日本共産党との協力のあり方でした。

 「私たちと宗教界のみなさんと哲学は確かに違う。しかし、哲学の違いを超えてともに世界と日本の問題で力をあわせなければならない問題がたくさんある。そういう現世の問題で協力したい」。こう切り出した不破氏は、「異なる宗教と宗教がその垣根を越えて相和し、世界の平和、人類の幸福に貢献したい」とした昨年十一月の近畿宗教者連盟の「二十一世紀宣言」に「心打たれた」と表明、共産党が宗教者との協力について考えていることも「同じ気持ちにたってのこと」とのべました。

 市民運動にとりくんでいる京都・綾部のカトリック信徒の方は、「市民運動でも、共産党と一緒にやっているというだけで行政から後援もなく、冷や飯を食わされている」とのべつつ、「弱き者、病める者、苦しき者と幸福をつくっていく教義からすれば一番共産党が近いし、手を結ばなければならない」と表明。

 浄土宗の西田亨心さん(大阪・大長寺住職)は、「かつてはどこへ出かけても『和尚さんどちらへ』と声をかけてもらったのが、バブルのころからマンションが立ち、いまではお寺につくまでだれも声をかけてくれない。そんななかで自分の生活、日々の営みから説くお話を」と語りました。

 さまざまな現実が出されるなか、不破さんは「人間と命を大事にする気持ちを社会と政治全体に広げる目標でのお互いの努力が協力しあって新しい日本、新しい世界をつくる力となれば」と語ります。

 天台宗の大島亮準さん(大原念佛寺住職)は「社会的苦悩は深刻だが、二十一世紀に世直ししなければならない。共産党とスクラムを組むのは難しいかもしれないが、目標は一つなので歩調をあわせていきたい」と締めくくりました。

共産党は宗教者に門戸を開いています

浄土宗信徒「無宗教とは宗教否定と受け取られないか」

不破氏「共産党は無宗教だが反宗教ではない」

 政治と宗教のかかわりのなかで、日本共産党の立場にも注目が集まりました。

 不破さんは、まず「私たちは党としては無宗教だが、党員の信仰の自由は認めているし、宗教者が党に入ることに門戸を開いている。将来の社会の展望でも、信仰の自由、布教の自由は確固として保障する立場だ」と説明しました。

 この発言には「党の方も大いに宗教を学ばれて、われわれの胸のなかに入ってきてほしいし、宗教者も政治について学び、平和と民主主義の基地をどこにおくか学ばなければならない」(宗教学教授)などの共感とともに、こんな疑問も出されました。

 「無宗教という言葉はよほど慎重に使わないと、共産党は宗教を否定しているんやねと誤解される」(浄土宗信徒の方)。「お葬式のとき親族のお世話から一番遠く感じられるのが共産党の方であったり、法事などにうとい共産党員もいる」(浄土真宗本願寺派の大原光夫さん=浄泉寺住職)

 こういう疑問や意見に、不破さんはつぎのように答えました。

 「『政党として無宗教』ということは、党としては宗教的世界観や宗教的立場をとらないということです。党内でも信仰の自由は認めるし、社会での信仰の自由、布教の自由をまもることは将来にわたって当然のこと。私たちが『反宗教』ではなく『無宗教』と言っていることに、注目していただきたい」「宗教者の方々の信仰や信条を尊重することも、党として大事にしていること。みなさんが身近に接する党員のなかに『反宗教』と誤解される態度があるとしたら、全体としてただしてゆく努力をしたい、と思います」

 また、日本共産党の第二十二回大会代議員だった浄土真宗本願寺派の住職、宇田あらかさんも「私は党員であることが自分自身の真理のあかしというか、宗教者としての誇りなんです。宗教者にも党の門戸は開かれています」と発言し、拍手をあびました。

 参加者からは「共産党が無宗教という立場を理解しているからこそ、安心して集えるし、今後の共同の基礎になるのではないか」(キリスト教関係者)との声が出ていました。

政教一致と他宗教との共存否定が問題

佐伯氏「政教分離が大原則だが、(政治に)そっぽを向いているわけにもいかない」

不破氏「宗教者の社会的発言は当然。宗教団体が政権を動かすのが政教一致」

 政治と宗教とのかかわりで、もう一つ出たのが政教分離問題です。

 日本キリスト教団の佐伯幸雄さん(同志社教会牧師)は、いまの政治状況と重ねながら、「政教分離という大原則がずれてしまうとおかしなことになります。公明党の問題もその一つ」と指摘。「同時に政教分離だとそっぽを向いているわけにはいかない時代がきている。政治を嘆くだけでなく、政治にたいする責任と高い意識をもち、自主性を高めていくのも宗教の仕事ではないか」と提起しました。

 不破さんは、この発言をうけ、「政治のかかわる分野にも宗教界から発言しないといけないといわれるのはそのとおりだ」と指摘。宗教団体が政権を動かしたり、政権を使って宗教活動をするのを禁じたのが政教分離の原則であって、民衆の側にたって平和や人権の問題にとりくまれるのは当然のことと解明しました。

 そのうえで、世界の多くの宗教紛争でも、宗教団体が政権を動かす「政教一致」の問題と、他宗教の信仰の自由を認めない「共存の否定」とが、紛争の根底にあることを、アフガニスタンでの仏像破壊など最近の実例を示しながら説明。

 日本では「政権と宗教の一体化という危険な問題が起こりかけている」として、自民党の“影の首脳部”が首相退陣など、いわゆる政局問題が起こるごとに、特定の宗教団体の首脳部と密室の相談をかわしている現状をあげ、「宗教団体と政権のこういう関係は、日本の政治にとって危険だし、宗教界にとっても危険だ」と警告しました。

現実政治をどうみるか

加藤氏「新たな戦前の到来という思いが」

不破氏「悪い政治を変える可能性もかつてなく大きい」

 自公保による現実政治への深刻な危機感があいついで出されたことも特徴の一つでした。

 加藤西郷さん(元龍谷大教授)は「最近の政治状況を考えると、新たな戦前の到来という感じがしてならない」とのべ、原爆詩人・峠三吉など敗戦後の宗教者の生き方を紹介しつつ、「兵戈(ひょうが)無用(=兵も武器もいらない)」の世界を実現することを訴えました。行信教校に学んでいる清水青空さん(僧りょ)も「盗聴法や戦争法がスルスルとおって、いつ戦争が起こってもおかしくない状況だと聞くと不安になる」とのべ、宗教者の非戦宣言を提案しました。

 不破さんは、「いまの政治は二つの面からみることが大事だ」と提起しました。一つは、政府中心におこなわれている政治が確かにかつてなく悪くなっていることです。もう一つは、悪くなっている政治の地盤が崩れ、国民がだれも満足しないし、悪い政治の当事者が危機感をもっていることです。

 不破さんは「自民党大会に参加した人がこのままでは自民党がなくなるとの思いを共有していることはかつてないこと。悪い政治があると同時に、悪い政治を変える可能性が戦後のなかでもかつてなく広がっている」と強調しました。

 天理教の野田道法さん(神大都分教会教会師)は、このことにふれつつ「いまの政治は悪いとはいうが、だれがやっても一緒やと、自分をなくしたような考えをいう人がいる」と指摘。「国民一人ひとりが自立し、自分の良心に従って生きていくよう宣伝をせなあかん」と発言。不破さんもまた、「環境の問題、平和の問題、人権の問題、どれをとっても、国民の多数の声にしてゆくことがなによりも大事。宗教者の方々はそのつながりを生かし、私たちは政党として、その互いの力が重なりあえば、世の中を変える大きな力になる」と語りました。

 また、真宗仏光寺派の長田譲さん(正念寺住職)は「欧州ではアメリカを中心とする軍事ブロックをなくす考えはないのか」など、軍事ブロックの問題を質問。不破さんは、軍事同盟をめぐる世界の流れにふれながら、日本共産党が国連憲章をきちんと守り合う、軍事同盟のない世界をめざしていることを説明しました。

共産党と共通の精神で

 対話のなかでは、大阪の西田さんから四百八十カ寺を対象にした浄土宗の講習会に日本共産党本部の日隈威徳・宗教委員会責任者をまねいた経験などが出され、まだ根深い共産党への偏見のなかで前を向いて協力をすすめている宗教者の姿も浮き彫りになりました。

 閉会のあいさつにたった本山修験宗宗務総長の宮城泰年さんは「軍事同盟を世界からなくそうといっているのが共産党。まさに(仏教でいう)『兵戈無用』の世界を提唱されている。私たち宗教者も『兵戈無用』の精神や、人々の心から苦を取り除いて慈悲を与える『抜苦与楽(ばっくよらく)』の精神を担っている。それをいいつづけることが共産党との共通の理念である」とのべました。また「『しんぶん赤旗』で、民衆の中で悪い政治を変えるために行動している宗教者にも光をあてて報道してほしい」との要望も出されました。

 「心ときめかせてかけつけた」とあいさつした大江真道さん(聖公会京都聖ヨハネ教会牧師)からは、懇談後、「共産党が庶民を救済するために活動していて、われわれと同じ志をもって活動しているのを確認できた」との言葉が寄せられました。

 なお、呼びかけ人の一人である高橋弘次・前佛教大学学長からメッセージが寄せられました。

 懇談に先立ち、不破議長は松渓貞照・総本山知恩院維持協会事務局長とあいさつをかわしました。


「説教とり入れては…」

 懇談会のなかでは、「説教」をめぐってユーモラスなやりとりがありました。

 「日々の営みから説く」ことを強調した大阪の西田亨心さんが「不破先生に申し上げたい」と切り出したのです。「お人柄にはほれこんでいるが、ちょっと説教というか、漫談というか、そういう形もとりいれてもらって教化活動をされたらどうか」。西田さんの人柄がにじみでる語りに会場にも笑いが起きました。

 

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