動物1

戻る

="741" left="84" right="615">
日本共産党

那覇市・街頭大演説での

不破委員長の訴え

(大要)

2000年11月3日(金)「しんぶん赤旗」


 日本共産党の不破哲三委員長が二日夜、那覇市で開かれた「市民が主人公 新生・なは市民の会」の街頭大演説でおこなった訴え(大要)を紹介します。


 日本共産党の不破哲三でございます。ほりかわ美智子さんの応援に駆けつけてきました。どうかよろしくお願いします。(拍手

 いま、ここに上がる前に、宣伝カーの中で、ほりかわさんにお会いしまして、「ほりかわさん、いつから市役所に来ましたか」と聞きましたら、「三十七年間、市民の声をいっぱい聞いてきました」というお答えでした。

 私は、那覇の市民のみなさんは、親泊さんの後継ぎとして、本当にすばらしい方を得たという思いがします。那覇の市政のあらゆる分野に通じているだけではなく、那覇の市民の思いを自分の思いとし、その声を体いっぱいに受け止めて市政に生かそうとされる方、こういう方こそ、市長の座にもっともふさわしい方だということをまず訴えたいのであります。(拍手

相手陣営の市政攻撃──公明党は23年6カ月与党だったはずでは?

 相手の陣営は、なにか「三十二年間」という言葉が好きなようであります。きのう、自民党と公明党の決起大会が那覇市であったとのことで、その様子をうかがいました。三十二年間市長選挙で負け続けてきた自民党が、三十二年のうらみをいうのはわかります。しかし、公明党の代表代行の女性の方までが、“三十二年間悪い政治だった”というのには、私、ちょっとあきれました。だいたい、初代の平良(良松)市長の、最初の二期はどっちつかずだったようですけれど、一九七六年の第三期からは、公明党は与党になっていたはずです。親泊市政では、最初から与党でした。ことしの五月に、相手候補を推すと決めたときまで、少なくとも二十三年六カ月は与党だったはずではありませんか。その党が、三十二年間は真っ暗だったと平気で言う、自分の思惑のためには、自分の党の歴史さえ否定してかまわない陣営だということを、まざまざとあらわしたものであります。(拍手

32年間の実績を地元マスコミも高く評価

 しかし、この三十二年間は、那覇の市民にとっては、すばらしい三十二年間だったのではないでしょうか。

 私がいちばん最初に沖縄に来たのは、いまから三十年前の一九七〇年、平良市政一期目の二年目を迎えたときでした。当時、琉球政府の主席だった屋良(朝苗)さん、那覇市長の平良さんと、沖縄のこれからについていろいろ、お話ししました。そして、それからの三十年間を振り返ってみますと、県政にはいろいろ変わりがあったが、そのなかで、那覇のみなさんが一貫して、平良さんの市政、親泊さんの市政を守り抜いてきた。私は、このことは、こんごの那覇市ばかりではなく、二十一世紀の沖縄全体にとっても、大変すばらしい意味があったということを、本当に痛感するものであります。(拍手

 みなさん。親泊さんがやめるということを言われたときに、地元の沖縄タイムスが社説を書いて、これまでの那覇市政について、こう評価していました。「この間、平和行政、市民福祉の向上を柱に多くの業績を残してきた。とりわけ、市民との対話を重視、また、情報公開を率先して取り組むなど市政運営に対する評価は高い」(八月一日付)。みなさん、市政に詳しい地元のマスコミの目から見ても、平良さんに続く親泊さんの市政は、こういう高い評価を与えられていた市政であります。(拍手、指笛

沖縄の政治で問われているもの──

市民・地元経済中心か
本土大企業中心か

 私はとくに、自民党と革新市政のちがいとして、二つのことを訴えたいと思います。

 一つは、経済の問題です。市政が経済問題にとりくむときに、市民、県民の暮らしと地元の経済を中心にするのか、それとも、本土の大企業を中心にするのか、これが、県政でも市政でも、復帰以来、一番問われてきた問題の一つではなかったでしょうか。

 私は、そのどちらが市民の利益になるのかは、この会場のまわりの建物に、絵にかいたような形で、見事にあらわれていると思います。(拍手

 後ろにあるのは、西銘県政が建てた県庁です。前にあるのは、親泊市政が建てた“パレットくもじ”です。斜め後ろにあるのは、大田県政がたてた県の議会棟です。

 このなかで、本土の大企業に全部任せて建てたのが、西銘さんの県庁だけ。それを建てたときには、「地元に任せたら、建物がゆがむ」とまで放言して、本土のゼネコンに肩入れをしました。

 しかし、親泊さんが建てた“パレットくもじ”にしても、大田さんが建てた県の議会棟にしても、まさに、すべてを県内企業の総合した力に頼んだではありませんか。(拍手)

 みなさん、自民党の政治の流れと革新の政治の流れと、どちらがほんとうに沖縄県民、市民の利益を大事にするか。ここに立って、まわりをみただけで、はっきりするではありませんか。(拍手

米軍基地の返還と跡地利用で
沖縄の未来ひらく実績

 もう一つ、大事な問題は、基地を取り除く政治をやるのか、アメリカいいなりの政治をやるのか。これは、沖縄で政治にたずさわるかぎり、避けることのできない大問題であります。

 那覇の革新市政は、本土に復帰したときには、千七十五ヘクタールの米軍基地を市内に抱えていました。市の面積の三〇%におよぶ、膨大な基地でした。

 しかし、それから、市民の先頭に立って基地返還の仕事を進め、現在では五十七ヘクタール、市の面積の一・五%というところまで、米軍基地の縮小を実現してきました。

 私、きょう、返還された基地跡地に新都心をつくっている「天久」(あめく)の地域をみてまいりましたが、二百ヘクタールもの広大な土地に、那覇の未来を担うような新しいまちづくりが始まっているようすをみて、市政の実績をまざまざと感じると同時に、那覇市と沖縄の明るい未来を感じました。(拍手

 地主が二千人以上もいる、なかなか複雑な土地だったものを、市政が地主のみなさんとも、よく話し合って、新都心建設をレールにのせてきた。まさに市民中心の革新市政ならではの仕事ではないでしょうか。(拍手、指笛

 二十一世紀には、基地返還の仕事が、沖縄各地でどんどん進むと思います。そのときに、基地返還のさきがけになると同時に、返還跡地にどういうまちづくりができるのか。そのすばらしい見本をつくっているのが、私は那覇市のみなさんだと思います。(拍手

 そういう政治こそが、二十一世紀にはいよいよ求められるのではないでしょうか。(拍手

 自民党や公明党の方々は、アメリカにものをいっても仕方がないと、アメリカの壁はどうにも動かしようのないものであるかのように、よくいいます。しかし、みなさん、この十月十一日に、アメリカの専門家のグループが、安保と沖縄についての報告書を発表しました。それには共和党政権と民主党政権の国防次官補、国務次官補が超党派で四人も入っています。その人たちは、もちろん日米安保推進派です。しかし、その人たちが一致していっているのは、沖縄をこのままにしておいたらたいへんだ、SACO(沖縄にかんする日米特別行動委員会)での合意を決めたが、SACO止まりにしてはいけない、もっと大胆に沖縄の基地返還にとりくまないとたいへんなことになる、ということです。これがアメリカの専門家の間で最近提言されていることであります。

 みなさん、沖縄県民の基地のない沖縄の願いはかならず世界を動かします。アメリカを動かします。日本を動かします。その二十一世紀に向かって、那覇の市政はすばらしい道筋をひいてきたではありませんか。(大きな拍手と歓声、指笛

「2300億円の借金」はウソ
政府統計が那覇市財政の健全ぶりを証明

 この市政をつぶそうと、相手側はめちゃくちゃな攻撃をかけてきます。ビラを見ましたら、二千三百億円の借金で市政をパンクさせたと、大きな見出しで書いてありました。しかし、これは、自民党が市議会で持ち出して、市の当局から否定されたウソっぱちの数字です。(「そうだ」の声

 私は、政府が発表した全国の自治体の財政状況の表を調べてきましたが、一九九八年度の財政統計を見てみますと、那覇市の地方債、つまり借金の総額は千百四十八億円、市民一人あたり三十八万円であります。これは全国でどういう水準の数字になるのか。東京都を除いて全国には四十六の道府県に四十六の県庁所在地があります。那覇市の借金が市民一人あたり三十八万円だということは、この四十六都市のなかで三十四番目だということ、借金が全国的にみてたいへん少ないということです。ほかの市を調べますと、市民一人あたり四十万円台、五十万円台はおろか、八十万円台、九十万円台という都市がたくさんある。県庁所在地で、那覇市より多い借金をかかえている都市が三十三市もあるのです。そういう市のほとんどが、自民党、公明党が与党の市なんですよ。

 地方自治体の借金を心配するのだったら、私は、ああいうビラをまく人たちは、もっともっと借金の多い、本当に財政が破たんしている市政、自分たちが与党の市政のところへいって、ビラをまいたらいかがかと考えるのですが、いかがなものでありましょうか。(拍手

 みなさん、相手はそういうでたらめをいう以外に、革新市政の攻撃ができないのです。

県都で全国唯一の革新市長に加え
県都最初の女性市長の実現を

 二十一世紀の那覇市の運命だけでなく、沖縄の政治の方向がかかったこの選挙です。どんなことがあっても、ほりかわ美智子さんを当選させましょう。親泊さんは全国の県庁所在地でただひとりの革新市長でした。それをひきつぐとともに全国の県庁所在地で最初の女性市長を、みなさんの手で実現しようではありませんか。(拍手

 日本共産党はそのために全力をつくすことを申し上げて、ごあいさつとするものであります。(拍手と歓声

 

機能しない場合は、上にあるブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会

〒151−8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4−26−7
TEL:03−3403−6111 FAX:03−5474−8358