◆(6)日本共産党の野党外交について

 (1) 日本共産党の野党外交は、前大会以降も重要な成果をおさめた。

 二〇〇四年に中国・北京で開かれた第三回アジア政党国際会議は、三十五カ国、八十三のアジアの合法政党が、政権党と野党の区別なしに集まる国際会議として成功をおさめたが、わが党はこの会議に参加し、平和の対話をおこない、多くの新しい友人をえた。この会議で全員一致で採択された「北京宣言」には、「平和の国際秩序の追求」、「戦争・侵略・覇権に反対する」、「いかなる形態のテロリズムにも反対する」、「貧困の克服をめざす国際協力をすすめる」など、国際活動の重要な方向づけが明記された。「イデオロギーの違い」を交流や共同の障害にしないこと、内政不干渉という原則を確認したことも、重要な特徴だった。こうした会議がアジアで開かれ、「北京宣言」が採択されたこと自体が、この大陸でおこっている巨大な進歩の流れを反映するものであった。

 ラテンアメリカでおこっている巨大な社会進歩の流れとの出会いも、この間の大きな出来事だった。二〇〇五年二月にベネズエラで開催されたラテンアメリカ諸国の「社会憲章検討サミット」に、わが党代表も招待されて参加し、この大陸でおこっている変革の息吹に直接ふれた。ラテンアメリカの全域で政治変革の新しいうねりが「面」をなす波としておこっていること、それぞれの政治変革が選挙で多数をえることによって前進をかちとっていること、それぞれの国の経済の民主化をはかるとともにアメリカの支配からの自立を旗印にかかげていることなど、いまこの大陸でおこっている変化は、大きな世界的意味をもつものである。

 (2) わが党の野党外交が発展するのは、いま世界でおこっている大きな変化と、わが党の新しい綱領のめざす方向が、一致しているからである。

 わが党は、新しい綱領に明記した、新しい日本がとりくむべき平和外交の八つの項目を指針として野党外交にとりくんでいる。「国連憲章に規定された平和の国際秩序を擁護」、「民主的な国際経済秩序の確立」、「異なる価値観をもった諸文明間の対話と共存」などは、どれも世界のどこでも通じる普遍的な生命力をもつ“公理”にほかならない。

 日本共産党の自主独立の立場と、反戦・平和をつらぬいた歴史は、野党外交においても、わが党への信頼と共感をえる大きな土台となっている。また、わが党が、内政不干渉の原則をかたくまもり、その国の独自の文化と文明、社会発展の歩みを尊重する態度をつらぬいてきたことも、さまざまな国との友好と交流を発展させるうえで、重要な意義をもつものである。

 (3) 今後を展望した場合に、東アジアでの平和と安定のために力をつくすことは、きわめて重要な課題の一つとなる。

 平和の共同体をめざす動きが、大きく広がっている東アジアのなかで、二一世紀の日本がすすむべき道は、東アジアの一員として、各国の政治的・経済的主権を尊重し、自主的な地域の共同体の発展に積極的に貢献する方向にこそある。

 そのためには、日本外交が、(一)過去の侵略戦争と植民地支配を正当化する逆流を克服すること、(二)アメリカ一辺倒をあらため、アジア諸国との平和の関係を探究する大戦略をもつこと、(三)軍事偏重をやめ、外交による問題解決に徹する姿勢を確立すること、(四)いかなる国であれ覇権をみとめず国連憲章にもとづく平和秩序をまもることなど、アジア諸国民と心かよう方向への転換をかちとることが痛切にもとめられる。

 わが党は、これまでも、歴史問題をめぐる日本外交のゆきづまりを打開する提言、北朝鮮問題の道理ある解決のための提言をおこなうなど、東アジアの平和と安定のための努力をかさねてきた。東南アジアに広がった平和の体制づくりの流れを、北東アジアにまで広げ、東アジアの全体が、戦争や紛争の心配のない地域として発展するために、今後とも力をつくすものである。

 (4) 二〇〇五年十二月におこなわれた日本共産党と中国共産党との会談は、発達した資本主義国で社会主義・共産主義への発展を将来の課題としながらその理論的探求を発展させている党と、社会主義をめざす道をすすむ実践のなかでその理論を探求している党との理論交流として、大きな意義をもつ。

 わが党の新しい綱領が、中国側の提起した広範な問題のすべてにわたってこたえる立場と力をもち、中国の理論研究代表団から、全面的に研究する必要のある理論内容として受け止められたことは、わが党の綱領路線の現代世界における生命力をしめすものである。

 わが党は、国際的な理論交流を、野党外交の重要な分野と位置づけ、いっそう発展させるために努力をはらう。

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