日本共産党第22回大会

来賓あいさつ

2000年11月22日(水)「しんぶん赤旗」より


 日本共産党第二十二回大会での来賓あいさつ大要を順次、紹介します。

民主的改革の多数派を早く

平和・民主主義・革新統一をすすめる
全国懇話会代表世話人

成瀬 昇さん

【写真】 革新懇運動が国政革新の新しい統一戦線運動としてスタートしてから二十余年がすぎました。平和、民主主義、生活擁護の三つの共同目標をかかげ、特定党派を支持せず、政治革新のために個々の要求にとどまらず、目的意識的に革新統一を追求してきました。

 運動の到達点は、一つは、民主・平和運動を草の根に広げてきただけでなく、三つの共同目標の一つでも一致できる、すべての人々、団体との共同を創造的に広げてきたこと。二つは、無党派層が急増する中で、革新無党派だけでなく、保守的な人々の中にも、革新懇運動への参加を広げ、日本の将来を真剣に考える人々の結集のよりどころとして貴重な役割を果たしてきたこと。三つは、政治の革新、平和と社会進歩を阻む「反共の壁」を崩し、革新・民主勢力の躍進にも一定の貢献をしたことであると考えています。

 組織は、四百五十万人が参加し、六百二十九の地域・職場革新懇を持つまでに成長し、運動も懇話・懇談にとどまらず、ゆるやかな運動体へ前進しました。

 この二十年間、苦楽をともに革新懇運動をたたかってきた唯一の政党である日本共産党の献身的なご奮闘と協力に心から感謝をいたします。(拍手)

 自民党政治は完全にゆきづまり、末期的症状をていしており、その衰退と消滅は歴史の必然であると考えます。一日も早く民主的改革の国民多数派を形成しなければなりません。その柱は日本共産党の躍進であり、革新懇運動の賛同団体の組織と運動の飛躍的発展と、革新・民主自治体の前進であると信じています。

 革新懇は、民主連合政府の土台を強め、広げるという、崇高な歴史的任務を持っていると自負しています。

 全国革新懇は来年五月に結成二十周年を迎えます。私たちは革新懇の役割と到達点にふさわしい「名称」と「三つの共同目標」と「申し合わせ」の改定を、二十一世紀初頭に開く世話人総会で決定し、装いも、決意も新たにして運動の飛躍を期したいと考えております。

 今回の党大会決議案では、「壮大な規模で革新懇運動を発展させるために、党としても力をつくす」と提案されており、市区町村単位の(革新懇の)結成を基本としている私たちはみなさんのご活躍への期待に、胸を膨らませております。

 大義と道理に基づいたたたかいは、必ず歴史を動かす本流になります。日本共産党こそが二十一世紀の政治をリードする党であり、革新懇運動こそが、二十一世紀に希望ある日本を国民の力でひらく大道であると固く信じています。大会の成功と日本共産党の躍進を念じてごあいさつを終わります。(拍手)


壮大な共同の事業に全力

全国労働組合総連合議長

小林 洋二さん

【写真】 日本共産党第二十二回党大会にあたり全労連を代表し、お祝いと熱い連帯のごあいさつを申し上げます。

 昨日の国会の事態は、もはや自民党が二十一世紀に生き残ることは絶対にできないという状態をしめしたと思います。

 私たちは、十一月十八日に民主団体と協力して国民大集会をおこない、熱気に満ちた集会となりました。時期も適切で、自民党勢力に痛打を与えることができたと自負しています。

 大会決議案は、全労連をはじめ労働界の活動や状態について積極的に反映し、現実的かつ明快な改革方向を打ち出しています。私たち全労連も、二十一世紀の早い時期に民主的政府をつくるという共同の事業に全力をあげる決意であります。(拍手)

 全労連は昨年十周年をむかえました。百年余の日本労働運動史のなかで、労働者みずからの手でつくったナショナルセンターが、十年を超えて元気に活動していることは初めてであり、労働運動史に新しいページをつくっています。

 全労連の存在は、社会的に認知され、頼りにされる存在となりました。

 今年のILO総会の日本代表団十五名に全労連代表が二名加えられ、各県労連には、労働相談がひっきりなしです。毎日一つ以上の労働組合が結成され、昨年一年間で四百十の組合がつくられました。

 また、ナショナルセンターの違いをこえて、ほとんどの労働組合との懇談が可能となり、全労働者の統一と共同を進めるかなめになっていると思うしだいです。

 今日の労働者の状態は深刻であります。本当に全労連が、五千万労働者の団結の軸となり、利益の守り手となって奮闘することが非常に求められています。「カローシ」に加え、「不払い残業、サービス残業」が国際語となるほど残酷な状態です。

 リストラ「合理化」攻撃のもと、労働者と大企業の間に深刻な矛盾が広がり、従来の職場支配が崩壊しつつあるなかで変化がおこっています。この変化に依拠し、状態悪化を一歩一歩改善するたたかいを通じて、労働者の共同と統一を前進させていきたいと思います。

 全労連は、すべての労働者の「統一の母体」となって、二十一世紀の早い時期に壮大な労働戦線の統一に向かって前進する決意であります。

 先日主催した国際シンポジウムでは、雇用問題を中心に世界の労働者も共通した困難にあることが明らかになり、また労働運動は新しい高揚に向かいつつあることを確認いたしました。

 全労連は、アジアをはじめ全世界の労働者と深く連帯し、グローバリゼーションのもとで、国際ルールをはかり、二十一世紀が失業と戦争のない、暮らし豊かな世紀にするために全力をあげる決意です。

 党大会の大きな成功を重ねて申し上げごあいさつとする次第でございます。ありがとうございました。(拍手)


21世紀の担い手青年に夢を

日本民主青年同盟中央委員長

坂井 希さん

【写真】 民青同盟を代表し、日本共産党第二十二回大会に心からのあいさつを送ります。また、みなさんの日ごろの励ましと親身なご援助にお礼申し上げます。

 今回の決議案では、若い世代の問題が大きく位置づけられ、私たちにとって大きな励ましです。「若者は二十一世紀の担い手」との期待にこたえ、希望ある新世紀をきりひらいていきたいと思います。

 いま、民青同盟は、来月開かれる全国大会にむけ、「希望ある二十一世紀をひらくのは私たち 仕事、友情、生きがい―夢の実現へあたたかく大きな民青同盟を」というテーマをかかげ、同盟拡大で昨年の大会現勢をこえて前進しようと全力をあげています。

 若い世代のおかれている状態、とりわけ、就職・雇用問題は深刻です。今年度の学生の就職率は五五・八%。昨年度、進学も就職もしなかった学生は、二割をこえました。

 ヨーロッパの政府が、労働時間の短縮による雇用創出など、若者の雇用問題に真剣に取り組んでいるのに比べ、自民党政治はあべこべです。リストラをすすめた企業の税金をまける、無駄な公共事業や大銀行支援に何十兆円もつぎこみ、財政を破たんさせる、福祉や教育にしわよせをする。こんな政治に、青年の未来をたくすことはできません。

 青少年による悲しい事件が相次ぎ、青年の間で生き方や人間関係をめぐる悩みが深刻になっています。「職場の同僚のミスを指摘して足のひっぱりあいをしている」「腹をわって話せる友達は一人もいない」など、青年をとりまく状況の厳しさが一人ひとりの心を傷つけています。

 青年を一人前の担い手として扱わず、復古主義的教育を押しつける自民党政治は、青年の希望をつみとりこそすれ、明るい未来を示すことはできません。若者のなかでの自民党の不人気は、こうしたことを青年の多くが気づきつつあることのあらわれです。

 大会決議案は、若い世代の要求、関心にこたえる政策と活動を強め、青年を励ますとりくみの大切さを指摘しています。この方向に、青年の明るい未来があるし、この姿が知られれば青年の共感と期待もますます高まると確信しています。

 民青同盟は、日本共産党を相談相手に、青年の悩み、苦しみ、つぶやきを見過ごさず、要求実現をすすめながら仲間を増やしていくことを目指します。未来に生きる青年は、決して夢を捨てることはできません。「政治や社会が私たちの夢をはばむなら、それをかえて夢を実現しよう」というよびかけを、多くの青年が待っています。党大会の成功を願い、あいさつといたします。(拍手)


住民主人公の町政進め六期

兵庫県南光町町長

山田 兼三さん

【写真】 第二十二回日本共産党大会の開催、おめでとうございます。二十一世紀を目前にした歴史的な大会にお招きいただき、ありがとうございます。

 私は、九月の町長選挙で六期目の当選をさせていただきました。四年前の五期目にひき続いて、二期連続の無投票当選です。

 当選が決まった九月五日の夕方に、マスコミ各社がいっせいに取材にきて、「なぜ共産党員の町長が、連続六期も当選するのか」「なぜ二期連続無投票で当選できるのか」といった内容の質問攻めにあいました。「日本共産党は首長の多選を批判しているのではないか」といった見当ちがいの質問もありましたが、全国紙の記者はこれまでの「常識」ではどうにも理解できないというのが本音のようでした。

 その答えは、住民が主人公の町民参加の町政を思想信条のちがいを超えて、町民とともに力を合わせてすすめてきたからで、それが町民のみなさんに評価をいただいたということです。

 二十年前に初当選したときは、部落解放同盟の圧力をはねのけて、町民全体に奉仕する公正で民主的な町政の確立が最大の公約でした。初当選直後は、部落解放同盟や右翼などの圧力で大変でしたが、その防波堤の役割でがんばりました。同時に町民とひざを交えて話し合う行政懇談会をおこなうなど町民本位の町政をすすめ、町づくりや行政運営にたいして積極的に参加していただきました。

 学校教育施設や文化センター、総合スポーツ公園など、町民参加で整備した施設は、利用率も高く、町民の自由で明るい交流の場になっています。

 福祉活動では、昨年完成した保健福祉センターが、老人介護や町民の健康づくりの拠点になって活躍し、全国にさきがけた町立の歯科保健センターは、いまも全国からの視察が絶えません。

 町政への批判がないわけではありません。町議会でも十二名のうち日本共産党は三名で少数与党です。毎議会ごとに、時間制限なしで活発に議論し、町政への厳しい質問や意見も絶えません。

 来月の定例議会は、議会側の提案で、町民が傍聴しやすいよう日曜日に文化センターの大ホールで開催します。一般質問も議長を除く全議員がおこなおうと、はりきっておられます。

 大いに議論することで、創意工夫を凝らした町づくりがすすみまして、限られた財源を効率的にいかすことができています。南光町ではむだな公共事業はいっさいありません。(拍手)

 今日の国と地方の行財政のゆきづまりを国民本位に打開していくためには、住民が主人公の政治をめざす日本共産党の役割がいっそう重要になっています。

 二十一世紀にむけて、日本共産党のますますの発展とご活躍を心からご期待いたしまして、私のあいさつを終わらせていただきます。(拍手)


市民生活優先に信頼

東京都狛江市市長

【写真】矢野 裕さん

 六月の市長選挙では、全国のみなさんの激励とご支援をいただき、あらためて感謝を申し上げます。

 今回の選挙は、自、公、民の各党が反共の一点で候補者を一本化し、事実上の一騎打ちでした。前回の二位と三位の保守の票をあわせると一万六千票で、私は一万票。昨年の市議選では野党が二万で与党が八千六百票でした。

 相手陣営は私と無党派市民とを切り離せば勝てると、反共攻撃、個人攻撃を前面に出しました。総選挙と同時選挙でしたので、謀略文書はよその地域の倍する量でした。

 結果は二万の票をいただき、私が勝利をすることができました(拍手)。予想以上の大差で、投票率が上がって増えた分の九千票をすべて得た勘定になります。

 激しい謀略的な攻撃の中で、みんなと一緒につくりあげてきた実績が市民の中に浸透し、支持をいただいたことは、市政運営をしていく上でも、大きな自信となりました。

 私が四年間とりくんできたことは、第一に前市長の不祥事で失われた市政への信頼を回復することでした。開かれた市政をつくろうと情報公開条例を全面改正しました。ワークショップの手法で、公園づくりや古民家復元、都市計画や環境保全のとりくみをしています。市民の声を聞こうと土日・祭日、ほとんど休みなしでした。

 この積み重ねがお互いの理解を深め、信頼関係を築き上げることができ、連合の役員をふくめて私を応援してくれました。

 第二に、予算を大型公共事業から市民生活優先へと切り替えました。就任当時、市の予算に占める土木費は三一%でしたが、これを一二%に引き下げ、福祉や教育予算にまわしました。

 乳幼児医療費の無料化の拡大、学校図書館への司書職員の全校配置、介護保険での低所得者対策など、多摩地域でもトップクラスの施策も実現できるようになりました。

 第三は、財政です。大型公共事業を削ることによって、新たな借金を抑えることができ、市の職員と一緒になっての内部努力とあわせて、狛江市では十四年ぶりに借金総額を減らす見とおしをつけることができました(拍手)。大型公共事業を削れば、財政再建と国民生活の擁護の両立ができることを狛江の実践は示しています。(拍手)

 これらは、たんたんとできたわけではありません。最初の三年間は市議会議員二十二人のうち与党は五人。いつでも不信任決議ができる状態でした。しかし、議会とぶつかっても、市民に理解をしていただく市政運営をすすめていくという構えで切りぬけていくことができました。

 また日本共産党員として、戦前、戦後の先輩たちの不屈のたたかい、全国の同志のみなさんの存在が攻撃や困難をはね返す力強い支えでした。(拍手)

 この大会が、二十一世紀の日本を切り開く契機となることを願って、あいさつといたします。(拍手)


政治革新し農民、国民守る

農民運動全国連合会事務局長

谷口 一夫さん

【写真】 いよいよ自民党の政治に終わりを告げる鐘がなりだしました。歴史的扉を開くという激動の時代というのは楽しくて、やりがいがあります。

 農民連には民宿部会というのがあり、都会から小中学生を受け入れています。その子たちは、わずか三、四日しかいないのに、帰るときに泣きながら抱きついてきて離れない。受け入れる側も抱きしめて泣くんだが、その裏側では、なんでだろう(笑い)、いったいこの子たちはどんな生活をしているんだろうと思いをはせるんですね。これは非常にやりがいがあります。

 農民は物をつくるだけではなく、売れなくては困ります。そこで卸売業者や中卸業者と懇談しました。話してみると、われわれが思っていた以上に量販店の横暴などに苦しんでおり、大変な状況に置かれていました。そして、一致したのは国民の生活権を守るということ、それは流通業者と生産者が一体となってしかできないということでした。そして、これが運動に発展していくんですね。こうした活動を点から線へと、東京、埼玉、その他へと広げていっています。

 そして今、農民が一番困っている問題は価格の暴落です。かつてない価格暴落に陥っています。原因は輸入の激増です。野菜は数%供給が増えれば値段が落ちます。WTO(世界貿易機関)農業協定が通ってからトマトは千倍、ピーマンは二千倍の輸入増です。これでやっていけるわけがありません。自民党の対応策はセーフガード(緊急輸入制限)の発動ではなく、物をつくるなという減反措置でした。このような政党に任せておいては農民は餓死してしまいます。それは国

民が餓死することを意味します。こんなことを許しておくことはできません。

 二月に国際シンポジウムを開きました。韓国、ヨーロッパ、米国の方が参加しました。共通していたのは家族農業が危機に瀕(ひん)しているということです。この人たちは「WTO協定を改定して食料の主権を認めよ」と、国連の三分の二の非同盟諸国と連帯して動いています。この改定の邪魔をしているのは日本政府です。日本政府を変えるということが世界的な貢献になります。(拍手)

 後は野となれ山となれの自民党政治に任せておいては二十一世紀は大変なことになるのは目に見えています。それにたいして一貫してたたかっているのは日本共産党しかいません。われわれも農民連の勢力を増やし、みなさん方とともに政治革新にむけ一緒に頑張りたい、このことを申し上げてごあいさつとします。(拍手)

 


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