2000年11月21日

不信任案をめぐる国会の事態は何を明らかにしたか

志位書記局長の発言

 日本共産党の志位和夫書記局長が11月21日、第22回党大会2日目の冒頭おこなった国会の事態についての発言の大要は次のとおりです。


 みなさん、おはようございます。国会の昨日から今朝未明にかけての事態について、報告します。

 野党四党が提出した森内閣不信任案は否決という結果になりました。これは、自民党内で「賛成する」とさんざんテレビで言っていた加藤、山崎派が、欠席という腰砕けの白旗をあげてしまった結果であります。ただ、この経過を通じて二つのことが非常にはっきりしました。

森内閣の国民的基盤はいよいよずたずたに

 一つは、森・自公保内閣は、こんどの一連の問題を通じて、その国民的基盤をいよいよずたずたにしたということであります。

 彼らは、党内の反対派をおさえつけるために、「除名する」とか、「選挙で公認しない」とか、あらゆる脅しをおこないました。この脅しで当座は党内をおさえつけることにある程度成功しました。しかし、国民を脅しでおさえつけることはできません。

 こんどの事態を通じて、森政権というのはいかにひどい政権かが、いよいよ天下にさらされました。国民の批判と、野党の批判に追いつめられ、そしてああいうぶざまな党内抗争の醜態をさらしながら、あらゆる脅しの手段で政権にしがみつく。森・自公保政権がまさに末期症状におちいり、ずたずたになった、深手を負った、というのが一つであります。

加藤、山崎派の正体はっきり──自民党内の権力争いだった

 もう一つの点は、それに反旗をひるがえしたようにみえた加藤派、山崎派など、自民党内で「改革」、「改革」といっていた人たちの正体もはっきりしました。

 私たちは、彼らがこの問題をいい始めたときから、この動きについてしぶくみていました。

 加藤氏の発言をみても、まず「自分は自民党本流だ」「自民党を離党しない」「自民党の改革をやるんだ」――こう言っていたわけですから、これは自民党内の権力争い、権力抗争にすぎない。そういう見方をしていました。

 ですから、私たち、記者会見などで「加藤さんとの政権での連携ありますか」と(マスコミが)聞いてくるわけですが、「そんなことは問題にならない」というしぶい回答をいつもしていたわけですが、ことがすんでみますと、結局、そういうことだったということがはっきりしました。

 マスコミのみなさんからも「だいたい不破さんや志位さんのいっていた通りになりましたね」といった感想が聞かれました。

 結局、この勢力は「改革」ということを言いましたけれども、自民党のどこを変えるのか、中身がありません。どういう方法で変えるのか、手段もはっきりしません。不信任案に「賛成する」といっておきながら、「離党はしない」というのですから、この矛盾をつかれて、とうとう白旗をあげたわけです。

 ですから、もう一つはっきりしたことは、自民党という政党は、主流派も反主流派も含めて、国民からどんなに批判されようと、いっさい自己改革の能力をもっていない。国民から強い批判があったときに、その声に少しでも耳を傾けて、自分で党をまともにしようという能力を、もはやまったくもちあわせていない。そういうところまで落ちこんでいるということがはっきりしたのではないでしょうか。

 自己改革能力をもっていない、だから、政権担当能力もないし、政権維持能力もない。これが彼らの状況です。

森内閣に一刻も早い退陣を求める

 わが党は、森内閣にたいして、一刻も早い退陣を求める。これを国民とともに強く要求していきたいと思います。(大きな拍手)

 さきほどいいましたように、国会のなかでは、脅しで一時は小康状態のようにおさえつけられても、国民をおさえつけることはできません。

 国民的には、どの世論調査をみても、七割、八割は「(森内閣を)支持しない」という結果がでています。読売新聞がきょう世論調査の結果をだしていますけれども、その調査でも同じ結果です。

 国民にはまったく見放されて、完全に国民的には不信任を受けている、死に体になってしまっているのがこの内閣ですから、一刻も早い退陣を求めていこうではありませんか。(大きな拍手)

「日本改革」の提案の方向にこそ、自民党政治を変える道がある

 そしてみなさん、われわれがいま、党大会で議論している「日本改革」の提案の方向、日本の民主的改革の方向こそ、いまの腐りきった、まさに世紀末的な、断末魔の自民党政治を変えるたしかな方向があります。

 自民党が世紀末的な状況に陥っているのと対照的に、われわれは、来世紀を展望して、洋洋たる未来の議論をしているわけですから、大いにこの大会で自民党政治を打ち破る政治方向、組織の建設、さまざまな問題について議論を深めていただきたいということを最後にのべまして、簡単ですが、経過報告の発言にいたします。(拍手)


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