2000年 9月 22日 (金)「しんぶん赤旗」より

日本共産党第7回中央委員会総会

党規約改定案についての討論の不破委員長の結語


党規約改定案への積極的反応──「国民だれにでもわかってもらえる」

 党規約改定案について、この中央委員会の討論でも、CSを視聴した全国の同志たちからの感想でも、大変大きな積極的反響がありました。「想像を超える抜本的なものだった」という驚きの声も討論のなかで聞かれましたが、驚いた同志をふくめて、この規約改定案がわが党の新しい発展段階を反映していること、また、新しい前進の展望を切り開く力になることを強調していました。これが共通の声だったと思います。

 なかでも、「国民の目線でわかる規約だ」とか、「国民だれにでもわかってもらえる言葉と文章でのべられている」とかいう評価が広くありました。私は、ここには非常に大事な党規約改定案の意味と本質がしめされていると思います。

 今の規約の原型ができたのは、一九五八年の第七回党大会です。綱領は、その次の一九六一年の第八回党大会で決まりました。

 当時は、ちょうど「五〇年問題」と党の分裂の時期をへて、これらの問題を解決し、党自体がいろんな意見の違いを乗り越えて意思統一をすることにとりくんだ時期で、党内の意思統一が、綱領の場合にも規約の場合にも、一番大きな主眼だったと思います。私は、当時党中央にいませんでしたが、おそらくそのときには、規約と綱領の文章を通じて全国の有権者に党を理解してもらうということは、議論の念頭にはほとんどなかったと思います。

 選挙の実績でも、当時は、第七回大会や第八回党大会前の国政選挙での得票は、総選挙や参院選地方区でだいたい百万から百十四、五万余、参院全国区では五十五万から五十九万程度という状況で、「幾百万」の支持者を得るということが大目標となった時代でした。

 しかし、今日では、党と日本社会の関係に大きな変化が生まれています。九〇年代には、七百万を超えるとか、八百万を超えるとかの得票を、現実にわが党への支持票として得ました。われわれが全国民、全有権者を対象にして活動する一方、われわれの一挙一動がすべての国民の目から見て評価される、日本共産党はいま、こういう発展段階をむかえているわけです。

 ですから、今度党規約の改定案を準備したときには、内容の正確性――私たちの党運営の基本を正確に定式化することに力を入れたのはもちろんですけれども、同時に、この規約の文章をだれにでも読んでもらえるものとし、党規約を通して党の組織のあり方を全国民にわかってもらえるものにする、そのことに力をつくしました。

綱領についても、よりわかりやすいものにする“宿題”がある

 大分の阿部同志から、そういう角度からみて綱領の問題はどうかという発言がありました。

 私たちは、党の綱領の路線の正確さに確信をもっています。とくに二十回党大会(一九九四年)で一連の国際問題の解明をふくめ、綱領の一部を改定しまして、非常に現代的な内容をもったものになっていると思っています。

 そのことは、今度の「決議案」のなかにも脈々と貫かれています。日本共産党の綱領が気に入らないという批判派の方は、社会主義の展望をもっているのが悪い、日米安保条約や天皇制について、将来これをなくすという方針をもっているのが悪い、そういうことをしきりにいいますけれども、今度の「決議案」には、党綱領にもとづいて現在をふまえ未来を展望する私たちの確信ある立場が、この人たちが問題にするすべての点について明らかにされています。

 しかし、私たちがその正確さに確信をもっている綱領の路線が、文章のうえで、国民だれでもが読んでわかるような形で表現されているかというと、その基準から見るとまだまだ問題点があります。党と国民とのむすびつきがあまり広くなかった時代、党の内部の意思統一が一番大事でその立場での正確さに力を集中した時代の歴史的な性格が、率直にいって、綱領の文章には反映しています。

 このことがテレビなどで問題にされたとき、私は「これは社会科学の言葉で書いてあるのだ」と説明してきましたが、社会科学に通じていない人にはわかりにくいというままでいいのかというと、そこにはやはり問題があります。

 昨日、マスコミの方に聞かれて、そういうわかりやすさが求められているということは、この分野でもいえることだと答えました。

 今度、党の規約についてやったことは一つの理論的、実践的な“突破”でしたが、綱領についても、正確な路線を、それを読めば国民だれにもわかってもらえるような形で表現する、そういうものをつくるという“宿題”をわれわれはもっているということを、念頭に置かなければいけないだろうと考えています。

 ただなにごとも全部を一度にやるわけにはゆかないので、今度の大会ではまず規約から始めましたが、私たちは、綱領の路線の正確さに確信をもつと同時に、これを国民により理解しやすいものにする努力はひきつづきおこなわなければならないと考えていることを、申し上げておきたいと思います。

(このあと、不破委員長は、討論のなかで出されたすべての意見や質問にこたえ、意見を取りいれて補正することにした点について、説明しました)

 


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