第5回中央委員会総会について

2000年1月14日 日本共産党中央委員会書記局


一、第五回中央委員会総会は、一月十三、十四の両日、党本部でひらかれ、志位和夫書記局長が、(1)情勢発展の特徴と日本共産党の政策・路線の生命力、(2)総選挙――民主的政権に接近する新しい躍進をめざして、の二つの柱で幹部会報告をおこなった。

 志位書記局長は、四中総後の情勢発展の特徴として、党の政策と路線が輝きを増していることを五つの角度から解明した。(1)はじめに、自民党政治が展望喪失状況におちいっているもとで、北朝鮮問題、介護保険、原子力行政をめぐる動きなど、党の道理ある提案が現実政治を動かしはじめたとのべ、党の参加した野党共闘の質的な前進を強調した。(2)つづいて、党の一連の政策提起の特徴を示したうえで、「ルールなき資本主義」と財政の逆立ちをただすという、党の二つの根本的改革の提案が日本社会の客観的要請になっていると力説。五中総後、党として新しい財政再建計画を提案し、国民的討論を呼びかける方針を明らかにした。(3)第二十一回党大会で重視した党のアジア外交は、果敢な外交活動のなかで発展的に具体化されてきており、安保条約の廃棄にいたる以前にも、日本外交のあり方について、平和解決の最優先など「三つの転換」を求め、米軍基地の強化を許さず、七月の沖縄サミットを、基地国家体制を崩す契機とすべく力を尽くすとのべた。(4)また、アメリカ覇権主義が国際的な批判と抵抗の前に、孤立と矛盾を深めていることを、軍事、経済の両面から解明。(5)国会に設置される憲法調査会について、憲法の平和・民主原則を擁護する立場から、積極的な調査活動を求めていくと表明した。

 総選挙を攻勢的にたたかう方針について、志位書記局長は、大会決定、四中総決定で示された方針をふまえ、五つの課題を重点的に提起した。(1)総選挙では、自自公体制による自民党政治の継続・強化にたいして、国民のきびしい審判を下すことが最大の焦点の一つになる。選挙共闘をおこなう条件がないもとで、各野党が自自公体制に審判をくだすたたかいになり、野党間でも建設的な論争をおこなうとして、党の躍進が政治の民主的改革をはかる最大の保障になるとのべ、政権構想についての党の立場をあらためて表明。大阪府知事選、京都市長選の勝利に全力をあげることを確認した。(2)報告は、党の主体的奮闘によってこそ、大きな躍進の可能性を現実のものにできるとして、総選挙では、有権者比目標の「大幅な突破」に正面から挑み、躍進した参院選の二倍以上、三倍以上の奮闘をやる構えでのぞむよう提起した。(3)政治論戦では、「自自公による自民党政治の継続・強化を許すか、日本共産党の躍進で新しい政治をおこすか」が主軸になるとのべ、党の「日本改革論」を大きなスケールで訴えるよう、呼びかけた。(4)また、「総選挙をめざす党躍進の大運動」は、総選挙で躍進をかちとる政治的・組織的基盤づくりの第一歩になったとして、全党がくみとるべき四つの教訓と問題点、今後の発展方向を解明。「得票の一割の党員、五割の読者」を今年中に達成し、総選挙のなかでも党勢拡大をすすめるよう強調した。(5)最後に「支部が主役」の選挙態勢の確立を提起した。

一、一日目の討論の最後に、不破哲三委員長が発言した。不破委員長は、いまの情勢は、日本社会とわが党にとって、どのような発展段階なのかを考えたいとして、(1)党の政治路線と日本社会の要求が接近・合致してきており、「日本改革論」は、その相互作用の産物であること、社会各層との対話が広がる背景には、”資本主義のあり方”が問題になっている事情があることを指摘し、そこに党躍進の大きな条件があらわれていると解明した。(2)つづいて、九〇年代の党の大きな政治的発展をのべ、党の政治的前進が先行し、組織的発展がそれに追いついていないところに、党活動のいまの発展の大きな問題があると指摘。これを前向きに打開する姿勢を全党的に確立するところに「大運動」の眼目の一つがあったとして、この姿勢を今後とも堅持してつらぬく重要性を強調した。(3)また、総選挙での躍進の客観的条件は、全力を尽くしてこそ、とらえられるもので、小選挙区での党の勝利は”至難の業”という論評も紹介。比例ブロックでの議席増加も容易ならざる課題だと指摘し、その困難な課題に挑戦し、あらゆる努力をつくして躍進の課題をやりとげるところに「党の正念場」があると力説した。(4)さらに、党綱領の問題をとりあげ、綱領が今日の情勢のもとで、現実の活動の指針として真価を発揮している姿をくわしくのべ、全党の奮闘で新しい政治をおこす歴史的な転換の年にしようと呼びかけた。

一、総会では、幹部会報告について、三十七人が発言した。

一、討論ののち、幹部会を代表して志位書記局長が結語をのべた。志位書記局長は、総会の討論、衛星通信をみた全国の感想は、党が「大運動」をつうじて、質的にも量的にも、新たな前進をとげつつあることを感じさせるものだとのべ、九〇年代の情勢の劇的発展のもとで、党の綱領路線を縦横無尽に具体化できる条件が生まれ、それが、また党の政策・路線が現実の政治に影響をあたえる歴史的、現実的な根拠になっていることを強調した。そして、総選挙での党躍進の可能性とともに、これが容易ならざる課題であり、党の主体的奮闘いかんでかちとれるものであること、また、反動的まきかえしである比例定数削減問題をきびしく批判しつつ、どのような事態になろうとも、従来の延長線上でない新たな意欲をもって挑戦・奮闘し、党の躍進をかちとろうと呼びかけた。

一、総会は、幹部会報告、不破委員長の中間発言、結語を全員一致で採択した。

一、総会は、関口孝夫中央委員と奥原紀晴中央委員を幹部会委員に選出した。また、相沢寛中央委員の統制委員の任を解いた。


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