1997年9月26日

不破委員長の閉会のあいさつ

日本共産党第21回党大会


 選出された新しい中央委員会を代表して第二十一回党大会の閉会のあいさつを申しあげます。(拍手

 第二十一回党大会は、課せられた任務を立派にやりとげ、まさに歴史的な大会になったと思います。(拍手

 第一に、党大会は、二十一世紀を前にして、この世紀の早い時期に新しい民主的な政権をつくるという大目標を全党の意思を代表して確認するとともに、その実現のためにはたさなければならない諸任務、諸課題を広い視野であきらかにしました。

 第二に、党大会は、この壮大な新しい任務を前にして、全党が政治的にも理論的にも団結の固い絆(きずな)で結ばれていることを、生きいきと実証する大会となりました。(拍手

 これまであらゆる困難にうちかって、躍進の情勢をきりひらいてきたわが党の活動の根底には、党綱領の路線があります。この路線は歴史の試練のなかで日本の未来をひらくその生命力をいかんなく実証してきたものであり、そのことへの全党の確信がゆるぎないものとなっていることを、大会の討論、そしてまた大会にいたる全党の討論が証明いたしました。

 第三に、党大会は、全党の先頭にたってこの方針を実行する、新しい中央委員会を選出しました。新中央委員会は先ほどご紹介したように、新しい指導機構を決定いたしました。ただちに大会決定を実行する仕事にとりくむつもりであります。

 中央委員会は、全党にたいしても、大会決定の徹底と普及、その具体化と実践の仕事に、中央委員会に呼応してただちにとりかかることを呼びかけるものであります。(拍手

 こんどの党大会で、宮本議長が議長の任をひき、名誉議長に推薦されたことは、党の歴史の上でも重要なできごとであります。

 宮本前議長が党の中央委員会に参加したのは戦前の一九三三年、それいらい六十四年間、ほぼ三分の二世紀という長期にわたって、党の指導の先頭にたって活動してきました。

 民主主義と平和の日本をめざす戦前の不屈の闘争に始まり、日本共産党をきわめて困難な状況におとしいれたいわゆる「五〇年問題」の解決、党綱領と自主独立路線の確立、諸外国の覇権主義との断固とした闘争、核兵器廃絶をめざす国際的な活動、日本の民主的な改革をめざすたたかいなど、宮本前議長がわが党とその事業のなかではたしてきた役割と貢献は、歴史の事実として党史に明確に記録されていることであります。(大きく長い拍手

 私自身、七〇年代の躍進の時期の最初の党大会、一九七〇年の第十一回党大会で書記局長の任に就いていらい、さまざまな問題でともに仕事をしてきた者として、きょうこの日を迎えることは感慨無量のものがあります。

 宮本同志がいっそう健康に留意されるとともに、昨日の浜野常任幹部会委員の役員名簿提案の報告のさいに確認しましたように、体調など宮本同志の側の条件が許すときには、常任幹部会など中央の諸会議に気軽に出席してその知恵や経験を生かされることを希望するものであります。(拍手

 この党大会は、大会の討論のなかでも、また大会を注目してみている全国の同志のあいだでも、未来へのロマンがおおいに語られた大会でありました。同時にまた、私たちが現在どんな情勢のもとにあるのか、これからどんな課題をやりとげてこそ、そのロマンが実現できるのか――自分たちの足元をしっかりみすえるリアリズムが、もっとも多面的に語られた大会でもありました。

 未来にたいするロマンと現状にたいするリアルなものの見方と、この二つをあわせもった多くの発言をききながら、私は、宮本前議長が、いまから五十七年前、まだ三十一歳の若い時代に獄中から書いた手紙の一つに、この二つのことの統一について論じた一節があったことを思いだしたのであります。

 当時は、「社会主義リアリズム」という言葉が、文学の世界に輸入されていろいろの議論があり、それをめぐる混迷もあったときです。獄外にいた宮本百合子さんが、そういう問題について手紙を書く、それに答えてのことですが、実は逮捕されて丸の内の留置場に一年間ほうりこまれていたときに、「よく考えた」ことなんだといって、百合子さんへの助言として書いた手紙です。

 ロマンチシズムとリアリズムとは、対立的にとらえるべきでない。進歩的なロマンチシズムは、現実のリアルな認識なしには、成り立ちえない。「現実のリアルな認識に伴う正しい発展的『見透(とお)し』」、つまり対象にはたらきかけ、歴史の発展をすすめるその能動性、積極性こそが「ロマンチシズムの土台」だという指摘であります。百合子さんは、「そうだったの?」と、問題の筋道がよくわかったという趣旨の返事を書いておりました。

 これは直接的には文学にかかわる主張でしたが、私はその精神は、二十一世紀の壮大なロマンにいどむ私たちの事業にも、それからまた、この五日間の会場での討論にも、そのままつうじるものがあると思います。

 同志のみなさん、わが党の綱領、「自由と民主主義の宣言」、そして第二十一回党大会の諸決定を指針に、日本社会という現実の大地をリアルに認識し、そこにしっかりと足をふまえながら、日本社会の民主的改革というロマンに満ちた事業の達成に、私たちの知恵と力のすべてをつくして、あたろうではありませんか。(拍手

 最後に、私は、遠く海外から、この大会に出席された外国代表のみなさんに、大会を代表して、心からのあいさつをのべたいと思います。(拍手

 あなた方が大会に参加されたこと、そして大会の討論に最後まで熱心に目をむけ耳をかたむけられたこと、そのことが私たちにたいする最大の励ましであります。(拍手)

 第二十一回大会を終わるにあたって、外国代表のすべての来賓のみなさんに、また、あなた方をおくりだしてくれた政党と組織にたいし、そして、あなた方の国で進歩と平和の事業に力をそそいでいるすべての人びとにたいし、党大会の名において心からの友情と連帯のあいさつをおくるものであります。(長い拍手

 以上で、第二十一回大会の閉会のあいさつを終わります。(長い大きな拍手


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