2003年7月5日(土)「しんぶん赤旗」

 埋設白ガス管問題とは?


 〈問い〉 昔埋められた白ガス管の安全対策が問題になっていると聞きましたが、どういうことですか。(千葉・一読者)

 〈答え〉 白ガス管とは鋼管に亜鉛メッキをした旧式のガス管です。土中に埋設すると次第に亜鉛メッキが溶け出し、鋼管の腐食でガス漏れが起こる危険があります。一九九四年に東京都で白ガス管のガス漏れによる爆発・死傷事故が相次いだことをきっかけに、ガス事業法の「技術基準」が改正され、九六年から埋設部への新規使用が禁止されました。

 しかし禁止までに埋設した白ガス管が大量に残り、その後もガス漏れや爆発事故が続いています。政府調査では、昨年三月時点で、ガス事業者の本支管二万七千キロメートル、供給管二百六十万本、家庭敷地内の内管三百七十万本の白ガス管が未対策です。

 政府の目標でも、ガス会社が全面的に責任を負う本支管・供給管で対策が終了するのは二〇二〇年という遠い先の話です。家庭敷地内の内管にいたっては“消費者の資産”とするガス供給規定をたてに、ガス会社は消費者に交換費用の全額負担を要求しており、費用面の折り合いがつかず難航しています。

 埋設白ガス管の危険性は早くから業界では知られ、一九七〇年代には土中での防食性を備えた代替製品も開発されました。各社も八〇年前後に自社部分への新規使用を停止しています。

 しかし政府が対策を業界の自主規制に委ねたもとで、ガス会社は消費者の敷地内では白ガス管を使用し続けました。九六年の禁止後も東京ガスなどは白ガス管の使用を続け、九七年に日本共産党・緒方靖夫参院議員が国会で追及し是正させています。緒方議員は今年六月、ガス会社が自主的に使用中止した時期に、消費者への危険性周知は怠った事実も指摘しました。

 “敷地内はお客様の資産”との理屈は国民が納得できるものではなく、政府は本支管・供給管とともに内管についてもガス会社に責任を果たさせ、対策を急がせるべきです。(

 〔2003・7・5(土)〕


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