日本共産党

2002年1月13日(日)「しんぶん赤旗」

アメリカは今年も対テロ戦争を続けるというが…


 〈問い〉ブッシュ米大統領は、2002年もテロとの戦争を続けるといっていますが、これをどう考えていますか。(宮崎・一読者)

 〈答え〉 ブッシュ大統領はロイター通信などとのインタビューで、「2002年は他の場所でも(テロリストの)補そくを続けるので、戦争の一年になるだろう」とのべました。このように戦争の拡大を公言しているのは、報復戦争の道にふみ出したための深刻な自己矛盾のあらわれです。

 アメリカは圧倒的な軍事力でアフガニスタンのタリバン政権を崩壊させましたが、国際テロ組織アルカイダの指導者ビンラディンは消息不明です。彼が逮捕されたとしても世界のテロ組織のネットワークを破壊することはできません。そのためこの戦争拡大発言となったのです。

 その対象にイラク、ソマリアなど様々な国がいわれています。しかしある国を「テロ支援国家」、大量破壊兵器の「ならず者国家」などと一方的に決めつけ軍事攻撃する権利はどこの国にもありません。こんな無法は、21世紀に人類が獲得した国連憲章などの世界の平和秩序に対する大きな逆流です。

 テロ根絶は21世紀の人類の平和のための根本条件の一つです。しかし、それは軍事力でなく法と理性に基づいてこそ可能です。すなわち国連中心に各国の協力で地球上からテロリストの隠れ場所をなくし、国連憲章と国際法に基づき容疑者を逮捕し裁判にかけ、法にてらして厳正に処罰することです。

 アメリカの報復戦争はすでに大きな被害を世界にもたらしました。アフガニスタンでは4000人をこえるともいわれる罪なき市民が犠牲となりました。また、戦争の違法化など、21世紀に人類が築いた平和秩序が乱暴に傷つけられました。これらの被害を検証し、責任を明らかにし教訓を引き出すことが、国際社会に強く求められています。

 今年を「戦争の年」にさせず「平和にむかう年」とするために、この原点に立ち返った国際連帯が必要です。(清)

 [2002・1・13(日)]


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