日本共産党

2001年11月25日(日)「しんぶん赤旗」

 貯蓄平均が一千万円を超えるというが…?


 〈問い〉 1世帯あたりの平均貯蓄額は1千数百万円にもなると報道されていますが、私の実感からすると信じられません。経済格差が広がっているのでしょうか。(大阪・一読者)

 〈答え〉 総務省の貯蓄動向調査によれば、2000年12月末の勤労者世帯の貯蓄現在高(生命保険や有価証券を含む)は、1世帯平均で1356万円となっています。しかし、平均額を下回る世帯は66・5%を占めており、貯蓄の低い世帯に偏った分布になっているため、多くの人の実感にあわないものになっています。

 2400万円以上という高額の貯蓄をもつ世帯が全体の15・51%を占めているなど、高額の貯蓄をもつ世帯が貯蓄平均を押し上げているためです。

 最も世帯数の多い貯蓄額を示す「最頻値」は、265万円となっています。最頻値は99年の372万円から265万円になり、平均値も99年の1393万円から下がるなど、全体として貯蓄の額は低い方向に移動しています。

 また、所得の面での格差を「ジニ係数」(1に近いほど格差が大きい)で示すと、84年の0・39から96年の0・44と所得格差が広がっており(厚生省調査)、アメリカの0・40をも上回っています。こうしたことからも、所得格差を広げる消費税などの不公平税制や低所得者層への影響の大きい医療費の負担増などの是正が必要となっています。(川)

 〔2001・11・25(日)〕


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