日本共産党

2001年9月5日(水)「しんぶん赤旗」

フロンガス回収法への態度は?


 〈問い〉 前国会で、フロンガス回収法が成立しましたが、どういう法律なのか、日本共産党の態度を含めて教えてください。(東京・一読者)

 〈答え〉 オゾン層の保護および地球温暖化の防止の重要性から、フロン類の大気中への放出を抑制するための「特定製品に係るフロン類の回収及び破壊の実施の確保等に関する法律案」が六月に全会一致で可決成立しました。これまで冷媒フロン(CFC、HCFC、HFC)の回収破壊は、業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)及びカーエアコン(第二種特定製品)について、業界や自治体の自主的取り組みに任されていたため、回収率がカーエアコンで18%、業務用冷凍空調機器で56%にとどまっていました。

 法案は、自動車製造者等の義務として、第四十条で、第二種フロン類(カーエアコン)回収業者からの引き取り義務、第四十一条でフロン類破壊業者への引き渡し義務を負わせる規定が設けられるなど、フロン類を回収破壊する新たな枠組みとなっています。

 この措置は、少なくとも現在、放置状態のフロン類の回収破壊を一定促進する可能性があり、これまでの業界や自治体の自主的取り組みを上回る回収破壊が期待されるものです。

 しかし、この法制度では、実際のフロン類回収破壊システムの責任が専ら回収破壊業者と地方自治体に負わされ、費用負担についても結局は自動車ユーザーに負担させることになっているなど、フロン類の製造・使用事業者等の責任と負担がまったく不十分な規定になっており、到底、自動車製造者等に「拡大生産者責任」が負わされたとはいえないものです。

 日本共産党は、これまでフロン類の回収破壊法案の法制化を緊急課題として、今年の政府予算の組み換え要求などにも盛り込み、法制化の実現に努力してきました。ですから、法案には、いくつかの問題点がありましたが、フロン類を回収破壊する新たな枠組みを法制化し、一定程度の改善となることから賛成しました。(佐)

 〔2001・9・5(水)〕


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