日本共産党

2001年8月12日(日)「しんぶん赤旗」

郵政事業の民営化をどう考える?


 〈問い〉 小泉内閣が唱えている郵政事業の民営化について、日本共産党はどう考えますか。(神奈川・一読者)

 〈答え〉 小泉内閣の唱える郵政民営化は、郵便局を利用する国民の声でなく、銀行業界の要望にもとづき、銀行を応援しようというものでしかなく、日本共産党は反対の態度を明らかにしています。

 郵政三事業(郵便、郵便貯金、簡易保険)のうちの郵便貯金は、国民の零細な貯蓄を守ることを建前に、国営事業として一千万円以下の小口の貯金を対象にした貯蓄受け入れ業務を行っています。

 一方、銀行業界は、預金口座の維持管理にコストがかかるため、この「重荷」から解放されて、国民が預金口座を設けること自体に対価(口座維持手数料)をとるような経営を目指しています。それをするには国民の零細な貯蓄を守っている郵貯が邪魔になります。そのため銀行業界は、“郵便貯金が銀行の経営を圧迫している”などといって郵貯の解体・縮小、郵政民営化を主張してきたのです。

 郵貯の縮小・解体が進めば、国民へのサービスはどうなるでしょうか。少額な貯金利子がいっそう低下する、口座維持手数料など各種手数料が導入される、銀行のリストラによる支店閉鎖・無人化とあいまって国民のための金融窓口の大幅な縮小が進む等々、サービスの切り捨てが進むでしょう。

 また、郵便事業は、大都市でも地方でも、同じ料金で一通一通確実に配達する国営事業で、国民の暮らしに大きな役割を果たしています。郵便事業の民営化は、大口、大都市など「確実にもうかる」部分への民間参入によって、個人、小口、地方のサービス切り捨てが起きる危険性があります。

 日本共産党は郵政三事業については、庶民の貯蓄を守るとともに、郵貯資金が国民生活向上に役立つように財政投融資の仕組みを改革すること、全国一律料金の郵便事業を堅持することなどを主張しています。(龍)

 〔2001・8・12(日)〕


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