日本共産党

2001年7月22日(日)「しんぶん赤旗」

 文化は「市場原理」だけにまかせられないとは?


 〈問い〉 日本共産党は、文化は「市場原理」だけにまかせられない分野だとしていますが、どういうことですか。(兵庫・一読者)

 〈答え〉 文化は、豊かな人間性をはぐくみ、社会の進歩に欠かせないものです。しかし、いまの資本主義社会では、いくら社会的に必要なものであっても、もうけをあげられないものは消え去るほかありません。それが資本主義の「競争原理」です。

 芸術・文化には多種多様なジャンルや作品がありますが、商業的には成り立ちにくいものが少なくありません。文化庁が音楽、演劇・舞踊の芸術団体を対象に行ったアンケートによると、チケット代などの「事業収入だけで採算が成り立っているか」という問いに、八八%が「成り立たない」と答えています。関係者は、さまざまな助成や寄付、必死の“自己努力”でかろうじて経営を維持しているのが実状です。長引く不況は、芸術家・団体を直撃し、生計すら成り立たないような状況に追い込んでいます。

 こうした商業的には成り立ちにくいものを「競争原理」だけにまかせようとすると、チケット代をもっと値上げするか、芸術家・団体にさらに犠牲を求めるほかないということになります。それでは、国民だれもが芸術・文化を楽しむことはできません。ヨーロッパでは、芸術・文化は「競争原理」になじまないものとして、芸術団体への助成や鑑賞への直接補助など国や自治体を中心に、民間の協力もえて社会全体で支援することを当然のこととしています。

 日本では、自民党政治のもとで、文化予算がヨーロッパの数分の一から十分の一にすぎず、また、アメリカのような文化にかんする税制優遇もありません。これでは、芸術・文化へのまともな公的な支援はおこなえません。日本共産党は、こうした文化に冷たい自民党政治を切り替え、ヨーロッパなみの文化予算をめざし、当面二倍にすることや、税制優遇を確立し、公的支援を抜本的に強めることを求めています。(慎)

〔2001・7・22(日)〕


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