2001年4月21日

 就職難の一方でくらし支援の人手不足とは?


 <問い> 青年の就職難が問題になる一方で、国民生活に必要な仕事の分野で人手が不足しているそうです。どういうことなのでしょうか。(秋田・一読者)

 <答え> 新規採用抑制で、若い世代の就職難が深刻化しています。新卒の就職率は、この十年で、大卒で八一・〇%から五五・八%へ、高卒で三五・二%から一八・六%とはげしく落ちこみました。

 その一方で、国民生活に必要な仕事、くらしを支援する仕事の各分野で、若い力、人材不足が深刻な問題となっています。

 医療の現場では、百人あたりの看護職員数が、アメリカの五分の一、ドイツの半分しかなく、「忙しさ」と「人手不足」がきわめて深刻です。親身な看護ができるようにするためには新たに看護職員を百万人増員し、患者一人あたりの看護職員数を倍にする必要があります。

 介護の関係では、不十分な厚生省の計画からみても、あと四年間で、ホームヘルパーが十五万人、特別養護老人ホームなどの職員が約三万人必要です。

 教員の新規採用は、十年前の三分の一に減らされ、教員をめざす道はきわめて狭き門です。すべての子どもたちが、わかるまで教えることのできる教育の保障につながる「三十人学級」を実施するためには、十二万人の教職員が新たに必要です。

 防災の面では、法律が定めている「消防力の基準」からみて、全国の市町村で六万人近くの消防士が不足しています。

 就職したくてもできない若者がたくさんいる半面、若い力が必要とされている分野では人材不足が深刻化している、この「ミス・マッチ」を打開するのが政治の役割です。

 日本共産党は、むだな大型公共事業費を削減するとともに、大銀行支援のための七十兆円もの公的資金の枠組みを廃止し、軍事費を大幅削減して、財政再建にふみだしながら、教育や福祉など国民を応援する予算を増やすことを提案しています。そうすれば、教育、福祉、防災などで百五十万人以上の人員を計画的に増やしていくことができます。(及)

 〔2001・4・21〕 


もどる

機能しない場合は、ブラウザの「戻る」ボタンを利用してください。


著作権:日本共産党中央委員会 
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp